~配線作業の効率化・省人化に貢献する電線被覆材を開発~
古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区大手町2丁目6番4号、代表取締役社長:森平英也)は、公益社団法人発明協会が主催する全国発明表彰において、「耐熱性樹脂組成物の製造方法、並びに、耐熱性樹脂組成物及び成形品(特許第6219268号)」で「発明賞」を受賞しました。
全国発明表彰は、大正8年より日本の科学技術の向上と産業経済の発展に寄与することを目的として始まり、「多大な功績を挙げた発明、考案、又は意匠、あるいは、その優秀性から今後大きな功績を挙げることが期待される発明等」に授与されます。
■内容
受賞名:令和5年度全国発明表彰「発明賞」
受賞発明の名称:耐熱性樹脂組成物の製造方法、並びに、耐熱性樹脂組成物及び成形品(特許第6219268号)
受賞者:西口雅己、松村有史
発明の内容:
本発明は、フィラーを高い自由度で配合できる新しい架橋方法、並びに、本方法により製造される樹脂組成物に関するものです。本発明の樹脂組成物を電線被覆材に用いることで、耐熱性、強度、柔軟性、耐外傷性および加工性等多くの機能を複合的に付加した優れた電線を製造することができ、以下の貢献が期待できます。
● 強度と耐外傷性に優れ、電線の保護部材を削減できるため、自動車、電子機器、電気設備の軽量化や省スペース化につながります
● 柔軟性と高い加工性により、配線作業の効率化と省人化に貢献します
● 難燃剤等の添加剤の配合の自由度が高く、特性を調整しやすいため、ハロゲンフリーの各種電線・部品を製造できます
現在、当社は本発明の樹脂組成物を電子機器用電線、自動車用電線、産業用電線といった電線製品の被覆材として使用しています。今後は太陽光や風力発電など再生可能エネルギー分野で使用される各種電線にもその適用範囲を拡大し、チューブやパッキン、自動車内装材料など電線以外の製品にも適用を進めます。
本発明の樹脂組成物を用いた電線
(左)耐熱性架橋ポリエチレン電線 (右)耐熱性エチレンゴム電線
■古河電工グループの知財活動方針
当社グループは、特許をはじめとする知財・無形資産を貴重な経営資源として捉え、その活用により当社グループの競争優位の構築に貢献することを目指しています。今後も本特許のような社会的価値が大きい知財・無形資産の創出を目指して活動を推進します。
知的財産報告書2022
https://www.furukawa.co.jp/rd/ip-report/pdf/ip-report_2022.pdf
■古河電工グループのSDGsへの取り組み
当社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、2030年をターゲットとした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定して、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。ビジョン2030の達成に向けて、中長期的な企業価値向上を目指すESG経営をOpen,Agile,Innovativeに推進し、SDGsの達成に貢献します。
古河電工グループのSDGsへの取り組み
https://furukawaelectric.disclosure.site/ja/themes/182