最新(2018年)のジョギング・ランニング実施率と推計実施人口。東京都区部の実施者が多い。/ スポーツライフに関する調査
スポーツ・フォー・エブリワンを推進する笹川スポーツ財団(所在地:東京都港区赤坂 理事長:渡邉一利 以下:SSF)では、1992年から隔年で「スポーツライフに関する調査(スポーツライフ・データ)」を実施しています。全国の18歳以上を調査対象に実施した2018年調査では、
ジョギング・ランニング実施率(年1回以上)9.3%、推計実施人口964万人という結果となりました。
最新の調査報告書「スポーツライフ・データ2018」は2019年3月27日に発売され、Amazonブックストアなどでお買い求めいただけます。本報告書では、するスポーツの現状として様々な種目の運動・スポーツ実施状況のほか、みる・ささえるスポーツの視点からスポーツ観戦率やスポーツボランティア実施率、さらに東京オリンピック・パラリンピックの直接観戦・ボランティア実施希望など、国内のスポーツライフの現状に関する複数のテーマを取り上げています。
【ポイント】
1)2018年のジョギング・ランニング実施率(年1回以上)は9.3%、推計実施人口964万人
2)過去20年間で、男性や20~30歳代の実施率が増加
【担当者コメント】
東京都区部の実施者が多い
2018年の年1回以上ジョギング・ランニング実施率は9.3%であり、推計実施人口は964万人であった。ジョギング・ランニング実施率は1998年の6.9%から増減を繰り返した後に緩やかな増加を続け、最も高い2012年の9.7%から減少していたが、2018年は前回2016年調査から0.7ポイント増加した。ジョギング・ランニング実施率の増加は主に男性、20~30歳代(特に女性20歳代と男性30歳代)が牽引しており、それ以外の者は明確な増加傾向はみられない。また、都市規模別では東京都区部に住む者のジョギング・ランニング実施率が13.4%と最も高く、人口規模が大きい地域ほど実施率が高い傾向が明らかとなった。ただ、東京都区部の実施率は2012年の17.8%と比較すると2014年以降は減少し、10~14%の間で推移している。
東京マラソンによるブームに落ち着きか
男性や20~30歳代、東京都区部に住む者のジョギング・ランニング実施率が増加してきた背景には、2007年の東京マラソン開始を契機としたジョギング・ランニングブームがあると考えられる。2018年のジョギング・ランニング実施率は2012年頃のピークと比較するとわずかに低い水準だが、東京マラソン開始前の2006年と比較すると増加している。ジョギング・ランニング人気の低下というよりは、ブームによる急激な実施率の増加がやや落ち着いた状況であると推察される。今後も実施率を維持していくには、ブームをきっかけにジョギング・ランニングを始めた者が継続しやすいコースやステーションといった環境整備、忙しさ等を理由に離脱した者が再開しやすいよう短時間で走る実施スタイルの発信等の取り組みが求められる。
【笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 研究員 藤岡成美】
【主な調査結果】
1)2018年のジョギング・ランニング実施率(年1回以上)は9.3%、推計実施人口964万人(図表1)
2018年の年1回以上ジョギング・ランニング実施率は9.3%であり、推計実施人口は964万人であった。ジョギング・ランニング実施率は2006年から増加を続け、2012年の9.7%をピークに減少に転じていたが、2018年は前回2016年調査から0.7ポイント増加した。性別にみると男性12.9%、女性5.8%と男性の割合が高い。1998年との比較では、男性は8.7%から4.2ポイント増加している一方で、女性は5.2%から0.6ポイント増加と大きな変化はみられない。
【図表1】ジョギング・ランニング実施率(年1回以上)と推計実施人口(万人)の年次推移(全体・性別)
2)過去20年間で20~30歳代のジョギング・ランニング実施率が増加(図表2)
2018年の年1回以上ジョギング・ランニング実施率は20歳代と30歳代が最も高く、15.2%であった。次いで40歳代と50歳代が9.4%、60歳代5.1%、70歳以上2.8%であった。20歳代は2004年以降増加を続け2014年に19.6%に達した後に減少したが、過去20年間の傾向として増加している。同様に、30歳代も2002年以降増加し2018年は過去最高の15.2%となり、20歳代に追いつく高い実施率である。
【図表2】ジョギング・ランニング実施率(年1回以上)の年次推移(年代別)
3)東京都区部のジョギング・ランニング実施率が高い(図表3)
東京マラソンが開始された2007年以降のジョギング・ランニング実施率を都市規模別に算出した。2018年は東京都区部が13.4%と最も高く、20大都市10.7%、人口10万人未満の市9.7%、人口10万人以上の市8.3%、町村6.0%が続く。人口規模が大きいほど実施率が高い傾向がある。経年変化をみると、東京都区部は2010年12.3%から2012年17.8%へ5.3ポイント増加した後に減少し、近年は2008年の実施率と大きく変わらない。また、他の都市規模も2008年以降、実施率の大きな増減はみられない。
【図表3】ジョギング・ランニング実施率(年1回以上)の年次推移(都市規模別)
■調査の概要
調査内容: 運動・スポーツ実施、運動・スポーツ施設、スポーツクラブ、スポーツ観戦、好きなスポーツ選手
スポーツボランティア、生活習慣・健康、2020年東京オリンピック・パラリンピック 他
調査対象: 全国の市区町村に居住する満18歳以上の男女3,000人(男性:1,491人、女性1,509人)
地点数: 300地点
(大都市88地点、人口10万人以上の市122地点、人口10万人未満の市65地点、町村25地点)
調査時期: 2018年7月6日~8月10日
SSFスポーツライフ調査委員会:
委員長 海老原 修 横浜国立大学 教育学部 教授
委員 大勝 志津穂 愛知東邦大学 経営学部 准教授
委員 澤井 和彦 明治大学 商学部 准教授
委員 鈴木 宏哉 順天堂大学 スポーツ健康科学部 先任准教授
委員 高峰 修 明治大学 政治経済学部 教授
委員 堤 裕美 上田女子短期大学 幼児教育学科 専任講師
委員 野井 真吾 日本体育大学 体育学部 教授
委員 中島 光 笹川スポーツ財団 常務理事
【笹川スポーツ財団とは】
公益財団法人 笹川スポーツ財団は、「スポーツ・フォー・エブリワン」を推進するスポーツ分野専門のシンクタンクです。国、自治体のスポーツ政策に対する提言策定や、スポーツに関する研究調査、データの収集・分析・発信を行い、「誰でも・どこでも・いつまでも」スポーツに親しむことができる社会づくりを目指しています。
■公益財団法人 笹川スポーツ財団について
名称 : 公益財団法人 笹川スポーツ財団
代表者 : 理事長 渡邉 一利
所在地 : 〒107-0052 東京都港区赤坂1-2-2 日本財団ビル3階
設立 : 1991年3月
目的 : スポーツ・フォー・エブリワンの推進
事業内容: ・生涯スポーツ振興のための研究調査
・生涯スポーツ振興のための研究支援
・生涯スポーツ振興機関との連携事業
・生涯スポーツ振興のための広報活動
URL : http://www.ssf.or.jp/
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この件に関するお問合せ先
笹川スポーツ財団 研究調査グループ 藤原・山田・藤岡
TEL:03-6229-5300 data@ssf.or.jp