国内外で医療機関支援事業を展開する株式会社シーユーシー(本社:東京都港区、代表取締役:濵口 慶太、以下、CUC)のインドネシア子会社であるPT CUC HEALTHCARE INDONESIA(代表取締役:田邉 隆通、以下、CHI)は、インドネシアで最大の病床数を有する総合病院でインドネシア大学の教育病院の、国立チプト・マングンクスモ病院(以下、RSCM)と、屈折矯正を中心とした眼科領域における戦略的提携を締結いたしました。本提携を通じて、インドネシア国内の視覚課題の解消に向けた取り組みを推進してまいります。
■提携の背景:インドネシアにおける視覚障害の現状と課題
世界保健機関(WHO)のデータによると、屈折異常(近視、遠視、乱視、老眼)は世界の視覚障害の原因第2位であり、年間約4,110億米ドル(約67兆円)もの膨大な生産性損失を引き起こしていると推計されています(※1)。アジアの国々も高い近視の有病率に直面しており、東アジアの10代の80〜90%が近視に罹患し、最大20%が強度近視であると報告されています(※2)。インドネシアにおいても課題は深刻で、WHOによると、インドネシアの学童の約44%が視覚に何らかの問題を抱えていると試算されています(※3)。
視覚課題は、個人の身体的不自由にとどまらず、国家の成長を支える「教育」と「労働」に直結する深刻な社会問題です。子供たちの学習能力を最大限に引き出し、将来の選択肢を広げるための「教育投資」、そして労働世代の生産性を高める「健康投資」として、眼科医療インフラの拡充はインドネシアの国家競争力を維持・強化するために極めて重要な局面を迎えています。
本提携では、最新の屈折矯正機器の導入と現地医療従事者への知識移転を推進し、診療・教育・研究が一体となった医療体制の構築を目指します。インドネシアの国民皆保険制度における中核拠点であるRSCMとの連携により、最新の屈折矯正機器を活用した自費診療の拡充のみならず、角膜疾患を抱える地域住民への保険診療範囲内での高度な角膜治療を並行して推進します。
私たちは、こうした眼科医療インフラの拡充を通じ、所得層に関わらず誰もが適切な医療を享受できる、持続可能な地域医療基盤の構築を目指してまいります。
(※1)World Health Organization (WHO). Blindness and vision impairment. WHO Fact Sheets. 2026.
(※2)Yulia DE, Barliana JD, Soeharto DA, Tan S. Profile of refractive errors in children at dr. Cipto Mangunkusumo Hospital. eJournal Kedokteran Indonesia. 2025;13(1):75-79.
(※3)World Health Organization (WHO). Indonesia commits to improving affordable and equitable eye health services. WHO website. 2026.
■本提携の骨子
本提携では、CUC(機材供与)、RSCM(医師・施設提供)、医療材料卸(消耗品供給)の3者がリソースを出し合い、初期投資負担を抑えつつ高度医療を速やかに導入できるKSO(Kerja Sama Operasi(インドネシア語)/Joint Operation(英語)、共同運営スキーム、以下KSO)(※4)を採用します。
(※4)病院と投資家が「業務提携」契約を結び、投資家が機器を提供し、売上分配や利益分配を行う方法
1. 最新技術の導入と安定稼働
CUCが最新の屈折矯正機器の選定・調達、メンテナンスを担い、RSCMが臨床サービスを提供します。あわせて、CUCが精密機器の保守点検、手術室の環境整備を実施する体制を敷き、常に高品質な治療を提供できる環境を構築します。
▲SCHWIND社のレーシック機器「AMARIS 500 Hertz」
2. 医療運営の効率化と地域医療の基盤強化
CUCが日本で培った医療機関支援の知見を活かし、診療フローの最適化などの運営支援を実施。より多くの患者様の受け入れが可能な基盤を構築し、地域医療の質的向上に寄与します。
■導入される最新の屈折矯正手術・処置
近視、遠視、乱視を高精度かつ比較的短い回復時間で治療するための最新の屈折矯正手術技術の導入を進めてまいります。
角膜強化を目的としたクロスリンキング併用LASIK
角膜を強化し長期的な結果の安定性を高めるために、従来の屈折矯正と角膜クロスリンキングを組み合わせたサービスを提供します。
レンチクル抽出(Lenticule Extraction)
フェムトセカンドレーザーを使用したフラップレス(※5)で低侵襲な屈折矯正手術技術です。近視および近視性乱視に対する最新の視力矯正手術の一つとして認められており、個々の角膜の特性や視覚的なニーズに合わせて、通常の屈折矯正よりも多様で最適化された治療の選択肢を提供します。
(※5)屈折矯正手術において角膜のふた(フラップ)を作成せず、角膜の表面に直接レーザーを照射する術式
角膜疾患への応用
角膜クロスリンキング技術は、視力を向上させ、メガネやコンタクトレンズへの依存を軽減する役割に加え、特定の角膜疾患、特に進行性円錐角膜や角膜拡張症の治療にも活用されます。この技術を活用することで、角膜の形状を安定させ疾患の進行を抑えることが可能です。さらに、角膜クロスリンキング技術は、角膜ストロマ組織の強化と追加的な抗菌効果を通じて角膜の損傷プロセスを停止させることを目的とし、一部の角膜潰瘍や特定の感染性角膜炎の補助療法としての活用が進んでいます。
■今後の展望
2026年内の本格的なサービス提供開始を見据え、今後は本プロジェクトで培った高品質な医療オペレーションをインドネシア各地の医療機関へも展開することで、地方都市における高度医療の普及と国民の生活の質の向上に長期的に貢献してまいります。
将来的には、日本の眼科専門医ネットワークを通じた最新術式の導入や精度管理の技術指導に加え、現地医療従事者への教育支援や臨床研究への活用も視野に入れ、今回提携したRSCMでのモデルを起点として、同国内の主要な医療機関をはじめ、各地の病院への横展開を推進する方針です。
■コメント
スプリヤント医師(国立チプト・マングンクスモ病院 院長 外科専門医 FINACS 健康科学修士)
本パートナーシップは、インドネシア国内の眼科医療サービスを強固にするための重要な戦略的一歩です。国家最高の紹介先総合病院として、RSCMは国民に実質的な好影響を与える医療の提供に全力を尽くしています。視覚の質が向上することは、個人の生産性、機動力、そして生活の質全般を大きく高めるものと大いに期待しております。
勅使川原 剛医師(中央眼科グループ統括医・横須賀中央眼科 院長 医学博士 MBA)
本提携により、インドネシア大学医学部附属病院において世界水準の屈折矯正手術技術が導入されることは、インドネシアの眼科医療にとって大きな意義を持つと考えています。屈折異常は教育機会や労働生産性にも影響する重要な公衆衛生課題であり、高度医療へのアクセス向上は社会全体に長期的な恩恵をもたらします。国際的な臨床知見の共有を通じて、現地医療人材の育成と持続的な医療水準の向上につながることを期待しています。
■勅使川原 剛医師 プロフィール
中央眼科グループ統括医・横須賀中央眼科 院長
医学博士 MBA
University of California San Francisco (UCSF) Postdoctoral Fellow
University of Bath (UK)
横浜市立大学医学部 眼科 臨床教授
2020年よりCUCグループと連携し、海外における眼科医療の発展と医療人材育成に向けた知見の提供を行う。
■中央眼科グループ
神奈川県内に5つの眼科医院を展開する医療グループです。すべての眼疾患に対応し、検査、診察、カウンセリング、手術、術後ケアまで総合的で専門的な眼科医療体制を整備しています。特に屈折矯正領域では、多焦点眼内レンズを用いた白内障手術、Phakic IOL(有水晶体眼内レンズ)による近視矯正、近視進行抑制治療などにも取り組んでいます。グループ全体の白内障手術実績は、年間3,651件にのぼります(2024年4月1日~2025年3月31日)。ホスピタリティを大切にした診療を通じて、包括的な医療を提供いたします。
Website:
https://www.chuoh-eye-clinic.com/
■組織概要
<国立チプト・マングンクスモ病院(RSCM)について>
国立チプト・マングンクスモ病院は、インドネシアのジャカルタにある総合病院です。インドネシア大学の教育病院で、リファラル病院(高度専門医療を担い紹介患者を重点的に受け入れる中核病院)としても機能しています。国際基準に準拠した包括的かつ専門的な医療サービスの提供、アカデミック・ヘルス・システムを通じた地域および機関ベースのユニバーサル・ヘルスケアの推進、優れた医師や医療従事者を輩出する教育・研究の実施、スマートホスピタルを基盤とした運営、および高い信頼性と説明責任を備えた病院管理体制の構築を行っています。
機関名:RSUP Nasional Dr. Cipto Mangunkusumo (RSCM)
所在地 : Jl. Pangeran Diponegoro No.71, Kenari, Kec. Senen, Kota Jakarta Pusat, Daerah Khusus Ibukota Jakarta 10430 Indonesia
設立: 1919年11月19日
代表者: Dr. Supriyanto, Sp.B, FINACS, M.Kes
ベッド数:1,181床
Website:
https://rscm.co.id/id/new
<株式会社シーユーシーについて>
株式会社シーユーシーと国内連結子会社19社、海外連結子会社28社からなるグループ企業です(2026年3月末時点)。「医療という希望を創る。」をミッションに掲げ、さまざまな医療課題の解決に向けて、国内外の医療機関の支援やホスピス・居宅訪問看護など多角的な事業を展開しています。
社名:株式会社シーユーシー
本社所在地 :東京都港区芝浦3丁目1-1 msb Tamachi 田町ステーションタワーN 15階
設立:2014年8月8日
代表者:代表取締役 濵口 慶太
上場市場:東京証券取引所 グロース市場(証券コード 9158)
資本金:7,669百万円(2026年3月末時点)
主な事業内容 :医療機関事業、ホスピス事業、居宅訪問看護事業、メディカルケアレジデンス事業
Website:
https://www.cuc-jpn.com
<PT CUC HEALTHCARE INDONESIA(CHI)について>
PT CUC HEALTHCARE INDONESIAは、株式会社シーユーシーの海外連結子会社の1つで、インドネシアの透析、眼科領域における医療機関支援やKSO等を提供しています。
社名:PT CUC HEALTHCARE INDONESIA
本社所在地 :Jl. Jenderal Sudirman No.Kav. 25, Kuningan, Karet, Kecamatan Setiabudi, Kota Jakarta Selatan, Daerah Khusus Ibukota Jakarta 12920, Indonesia
設立:2023年8月31日
代表者:代表取締役 田邉 隆通
資本金:85,500百万ルピア
親会社:株式会社シーユーシー
主な事業内容:医療機関事業(眼科・透析)、メディカルツーリズム事業、外国人材支援事業
これまでの支援実績(インドネシア):
透析事業: 累計約300台の医療機器導入を支援
眼科医療: 3施設における医療機関支援およびKSO連携を展開
Website:
https://cuc-chi.com/en
CUCは、医療機関に対して最新の医療機器の提供から運営支援までを一気通貫で行う「KSO」を展開しています。本モデルは、医療機関側の初期投資負担を最小限に抑えつつ、高度医療技術を速やかに導入し、持続可能な事業運営を実現する三者共創型のビジネスモデルです。