横浜市立大学附属病院遺伝子診療科・宮武聡子講師、横浜市立大学学術院医学群遺伝学教室・松本直通教授らは、チューリッヒ大学、浜松医科大学、聖隷三方原病院、豊橋市民病院、森之宮病院、東京大学、重井医学研究所などとの共同研究により、脳小血管病の新たな疾患責任遺伝子を発見しました。本疾患の診断や臨床診療へのさらなる貢献が期待されます。
○研究成果のポイント
・全エクソーム解析で、常染色体劣性遺伝性を示す脳小血管病の新規原因遺伝子COLGALT1を同定した。
・本遺伝子変異によって、新生児期~小児期の孔脳症、脳出血、白質脳症を発症する。
・COLGALT1遺伝子は、コラーゲンたんぱく質の翻訳後修飾を行う酵素であるコラーゲンβ(1-O)ガラクトシルトランスフェラーゼ1をコードし、コラーゲンの成熟化に関わる。本酵素の活性が低下することで、細胞内のIV型コラーゲンの産生、および細胞外分泌が減少する。IV型コラーゲンは脳内の血管の構成要素であるため、これが減少すると血管がもろくなり、脳卒中を引き起こしやすくなると考えられる。
○今後の展開
本研究によって、脳小血管病の早期診断に貢献できる可能性があります。またその病態解明が進めば、脳小血管病の新しい治療法の開発にも寄与することが期待されます。今後モデル動物を作成しさらなる病態解明と治療法の探索を行う予定です。
※研究の詳細については添付のPDFをご覧ください
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