日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下、NTT)は、2025年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)に出展するNTTパビリオンで提供する体験について発表します。
1.体験・演出内容について
<パビリオン内の体験概要>
NTTパビリオンの体験テーマは“PARALLEL TRAVEL”(時空を旅するパビリオン)です。Zone1からZone3までの3つの異なるゾーンを回遊することで、来場者を時間と空間をこえる旅へと誘います。
*ツアー形式:体験の所要時間 約20分
●Zone1:Prologue コミュニケーションの進化と、こえられない隔たり
最初のゾーンでは、コミュニケーションの進化の歴史と普遍の価値、これまでの通信では埋めきれない隔たりを過去から現在に至る通信デバイスとパビリオン内の巨大スクリーンに投影される映像で表現します。
これから始まる新しい未来のコミュニケーション体験のプロローグとして、通信の根源である「離れた場所にいる人と人とのコミュニケーションへの渇望、世界とつながりたい、という思い」が描かれていきます。
●Zone2:Main Experience 隔たりをこえて生まれる躍動
メイン体験となるZone2においては、スペシャルパフォーマーに世界的ユニット、Perfumeを迎え、2025年の夢洲の大阪・関西万博会場と吹田市の万博記念公園(電気通信館跡地)、更にはバーチャルで再現する1970年の大阪万博会場と、三つの空間を行き来する3D空間伝送により時空を超えるような体験を提供します。
*史上初のリアルタイム3D空間伝送を4月2日に実施し、会期中は収録したデータを活用した演出を体験いただきます。
来場者は3Dグラスを装着し、バーチャルで再現された遠隔地と眼前のパビリオンとが空間でつながる演出(映像や振動)を、Perfumeによるパフォーマンスを通じ体験することで、未来のコミュニケーションの可能性を感じることができます。
©AMUSE
●Zone3:Epilogue 新しい「私たち」の可能性
Zone3では、来場者一人ひとりの「Another Me®」(もうひとりの自分)が登場します。入場時にスキャンし生成された来場者個々の「Another Me®」が、来場者の前面スクリーンに投影されるとともに、自律的に歩き出し、容姿を様々に変えながら、言葉や文化の違いを超えて、他の来場者のAnother Me®とともに希望の歌を奏でます。
来場者は、自分の「Another Me®」を通して自分の新たな可能性に気付くことができます。
<パビリオン外でのパーソナル体験概要>
パビリオンZone3の出口付近に、来場者が「PARALLEL TRAVEL」の中で感じた体験をより深化させるような体験ができるようなしかけを用意します。
① せかいがきこえる伝話
昔の公衆電話のような外見を持つ筐体の受話器をあげ3ケタの番号をおすと、誰もが共感するような日常のワンシーンが受話器越しに聞こえてきます。
急な雨で駅からのお迎えを頼んだり、自宅の電話を部屋に引っ張りこんで、こっそり恋人との電話を楽しんだり、現在、過去の電話を介したコミュニケーションを身近なものとして感じることができます。
② いのちふれあう伝話
大阪・関西万博会場内の「いのち動的平衡館」とIOWN-APNで接続された伝話(電話)です。利用者は、「いのち動的平衡館」の利用者と、音と映像に加えて触覚(お互いの心拍)を送りあう、いのちの尊さを感じる体験が可能です。
<バーチャルNTTパビリオン体験概要>
バーチャルNTTパビリオンは、大阪・関西万博会場のNTTパビリオンのデジタルツインとしての役割のみならず、バーチャルならではのインタラクティブな体験ができます。リアルパビリオンと同じように3つの異なったエリアを回遊し、NTTならではのバーチャルアイテムを入手できるような仕掛けも用意しています。
また、NTTパビリオンのZone3の 「Another Me®」体験をよりパーソナルな体験へと深化させたオリジナルコンテンツ「Another Me Planet」では、自分自身の「Another Me®」を生成し、今はない未来の職業に就いたAnother Me®からNTT研究所音声合成技術を使った自身の合成音声のメッセージを受け取ったり、NTT版大規模言語モデル「tsuzumi」を使った自由対話を体験したりすることができます。
<パビリオンを覆う幕の演出>
Zone2に設置する場内カメラで来場者の表情を取得し、パビリオン来場者の盛り上がりや表情がパビリオンの幕と呼応し、まるで生きているかのように揺れる演出を行います。
<多様なパートナーとの様々なユースケースの創出>
日本国際博覧会協会や様々な大阪・関西万博への参画団体とともに、IOWN-APN(All-Photonics Network)を活用した未来のユースケースを万博会場内外に実装します。
2.体験において使われる特徴的な技術について
NTTパビリオンにおいては、IOWNの高速大容量・低遅延・低消費電力のメリットを最大限活用した2つの演出を実現します。
① IOWNにより実現する世界初の3D空間ライブ伝送(Zone2体験)
動的3D空間伝送再現技術と触覚振動音場提示技術を活用し、万博記念公園の3次元空間データや振動データを、IOWNにより高速大容量・低遅延で大阪・夢洲の万博会場にリアルタイム伝送・再現することで、史上初の3D空間ライブパフォーマンスを実現します。
*史上初のリアルタイム3D空間伝送を4月2日に実施し、会期中は収録したデータを活用した演出を体験いただきます。
② IOWN光コンピューティングを活用したサステナブルなAI利用(パビリオンを覆う幕の演出)
Zone2に設置する場内カメラで来場者の表情を取得し、遠隔地(NTT西日本本社)のIOWN光コンピューティングで瞬時にAI解析し、その結果に応じパビリオンを覆う幕を揺らします。
IOWN光コンピューティングには、低消費電力のキーテクノロジーとなる光電融合デバイスを世界で初めて搭載し、消費電力1/8を実現します。
<参考:パビリオン建築>
NTTパビリオンは万博会場の東ゲートを入ってすぐ右側に位置します。敷地面積は3,500㎡で大阪・関西万博に参画する民間パビリオンとしては最大規模となります。そこに3つの分棟(Zone1~Zone3)でNTTパビリオンを構成します。
建築のコンセプトは「感情をまとう建築」で「循環するパビリオン」、「一緒につくるパビリオン」、「生きているパビリオン」の3つのテーマで構成されます。再生利用可能な布約18万枚やカーボンワイヤー1,500本を活用するほか、従来の建築に比べて鋼材料を20%削減することなどによりCO2排出を15%削減します。またグリーンエネルギーとして、太陽光発電、水素発電、バイオマス発電を実装・活用します。
また、社内外の多くの人々と制作した天蓋(日よけ)の実装、さらには会期中に来訪する子供たちが未来に対する自分の気持ちを表す色の布を選び壁面に結び付ける(パビリオンの色彩が日々変化)など、未来社会に向けますます重要となる持続可能性や多様性を踏まえたパビリオンとしています。
※パビリオン設計はドバイ万博の日本パビリオンにも携わったNTTファシリティーズ
※布・カーボンワイヤーは石川県の企業にて製造(復興支援の一助)
<参考>NTTグループの大阪・関西万博への参画全体像
NTTグループは大阪・関西万博において次世代情報通信基盤IOWNを始めとして、NTTの最先端テクノロジーを随所に実装し、未来のわくわくするコミュニケーション社会を多くの方に体験いただきたいと考えています。
<参考:Perfume プロフィール>
あ〜ちゃん・かしゆか・のっちからなる3⼈組音楽ユニット。今年、結成25周年、メジャーデビュー20周年。世界最⼤の広告祭「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」や世界最⼤級の⾳楽フェス「Coachella 2019」、ヨーロッパ最⼤の⾳楽フェス「Primavera Sound 2023」にも出演するなど、⽇本国内だけでなく世界にて注⽬を集めている。2025年9月22日、23日には、「Perfume ZO/Z5 Anniversary “ネビュラロマンス” Episode TOKYO DOME」として東京ドーム2DAYS公演が決定している。