シュローダー(本社:英国 ロンドン)のグループ企業でインパクト投資のスペシャリストであるブルーオーチャードは、BlueOrchard Impact Credit Fundの立ち上げを発表しました。
- BlueOrchard Impact Credit Fund (以下、「当戦略」) は、ファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)における ブルーオーチャード の既存のサービスを強化するものです。
- 急速に成長する地域における幅広いネットワークと専門知識を有するブルーオーチャードが、エマージング市場における大きな資金需要を背景に、マルチクレジット・ポートフォリオへの投資を通じて、機関投資家に魅力的なリスク調整後リターンを追求する機会を提供します。
- EUのSFDR(サステナブルファイナンス開示規則)第9条ファンドとして、エマージング市場における人口動態、デジタル化、脱炭素化といった巨大なトレンドを捉えることで、ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)や不平等の是正に貢献することを目指しています。
当戦略の投資対象は、中小企業向け融資、デジタル決済ソリューション、再生可能エネルギー、エネルギー効率化、気候変動適応など、社会や環境にかかわる発展を支える重要なセクターを幅広く網羅しています。
当戦略は、地域において重要な役割を果たす、多様な中小金融機関への投資に重点を置いています。ファイナンシャル・インクルージョンにおけるブルーオーチャードの卓越した運用プラットフォームを基盤に、それぞれの市場で重要な役割を担う中堅企業への直接融資(ダイレクト・レンディング)にも取り組み、中小企業の借り換え市場の構築と強化を支援します。この実現のため、ブルーオーチャードの幅広いネットワークと、地域の銀行、開発金融機関、専門の投資ファンド、その他プロのプライベート・デット投資家などとの確立された関係を活用します。
ブルーオーチャード CEO フィリップ・ミュラーのコメント:
「今日、人口動態、デジタル化、脱炭素化といった巨大なトレンドが、エマージング市場の急速な成長を後押ししています。これらのトレンドが進行するには多額の資本需要と投資機会が伴いますが、ブルーオーチャードの各地域で活動する担当者はそれを直接目にしています。こうした機会をとらえ、資金とインパクトの両面で乖離を埋め、私たちの運用プラットフォームを強化する投資戦略を開始できたことをうれしく思います。」
ブルーオーチャード 運用ソリューション・ヘッド マイケル・ウェラのコメント:
「経験豊富なポートフォリオ・マネジャー、インパクト・マネジャー、インベストメント・オフィサーで構成される私たちのチームは、ファイナンシャル・インクルージョンにおける20年以上の実績を生かし、厳格かつ体系化された投資プロセスに従い、効果的な投資戦略を確実なものにしています。私たちは、チームの専門知識に誇りを持っており、引き続き投資家のリスク・リターン選好度に合わせたインパクト投資ソリューションを提供できることを楽しみにしています。」
エマージング市場の「D」が示す巨大なトレンドを捉える
エマージング市場には、「D」のキーワードで示される大きなトレンドが見られます。それは、成長を牽引する中小零細企業の極めて重要な役割、金融サービスのデジタル化の進展、そしてグリーン・ファイナンスにおける機会の増大です。当戦略は、これらの巨大なトレンドを捉え、活用することを目指しています。
人口動態(Demographics): 金融サービスへのアクセスがビジネスの成長を促進する
金融サービスへのアクセスは、ビジネスの成長にとって不可欠です。現在、中小零細企業は資金不足にあり、その額は、世界銀行によると約5兆米ドルと推計されています。このデータから、全体の約40%に当たる1億3,000万以上の中小零細企業の資金需要が満たされていないことが明らかになりました。さらに、世界では約17億人が銀行口座を持たず、決済サービスや融資、貯蓄の機会を奪われています。当戦略は、中小零細企業に融資を行う金融機関への投資や、企業への直接投資を通じて、需給の隔たりを埋めようとしています。
デジタル化(Digitalization): デジタル金融サービスの需要拡大
人口増加と経済成長により、デジタル金融サービスの需要は増加傾向にあります。エマージング市場では、デジタル・バンキングが普及し、フィンテック・アプリや電子決済の利用が増加しています。2025年までに、デジタル金融の利用により、エマージング市場のGDPは6%増加する可能性があります*1。
脱炭素化(Decarbonisation): 急速に成長する市場としてのグリーンファイナンス
エマージング諸国は、気候変動との闘いにおいて、特にグリーン・ファイナンスの分野で重要な役割を担っています。エマージング市場におけるグリーン・ファイナンスの可能性は大きく広がっており、例えば、グリーン・ビルディングだけでも、エマージング国の都市での投資機会が、2030年までに24兆7,000億米ドルにもおよぶ可能性があります*2。当戦略は、グリーン・ファイナンスに注目することで、サステナブルな開発に貢献し、気候変動がもたらす課題に取り組もうとしています。
*1 出所:McKinsey Global Institute Digital Finance for All, 2016
*2 出所:IFC Green Buildings. A Finance and Policy Blueprint for Emerging Markets, 2019
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ブルーオーチャードについて
ブルーオーチャードは、シュローダー・グループの一員でインパクト投資に特化した世界有数の資産運用会社です。インパクト投資の先駆者として、投資家に魅力的なリターンを提供すると同時に、地域社会や環境に対して持続的にプラスのインパクトを与えることを目指しています。ブルーオーチャードは、2001年に国連主導で設立された、世界初のマイクロファイナンス投資の民間運用会社です。
ブルーオーチャードは、幅広い資産クラスにおけるインパクト投資ソリューションを提供しています。インパクト投資ソリューションをすべての人々にお届けし、社会や環境に利益をもたらすような資本の活用を推進することを目指し、エマージング及びフロンティア市場の何百万人もの起業家と投資家をつないでいます。
高い専門性を持つ運用会社として、また革新的なブレンデッド・ファイナンスのスペシャリストとして、世界に洗練された顧客を持つとともに、世界の主要な開発金融機関から信頼されるパートナーでもあります。これまでに、100カ国以上で100億ドル以上の投資実績を積んできました。2022年12月時点で、投資を通じた貢献により、エマージング及びフロンティア市場において、2億8,000万人以上の貧困層、社会的弱者層の人々が、金融関連サービスを利用できるようになりました。詳細については、ウェブサイト( www.blueorchard.com )をご覧ください。
シュローダーについて
シュローダーは、1804年創業、運用資産額で欧州最大級(約117兆円*)の独立系資産運用グループです。世界38拠点6,000名以上の従業員が連携して資産運用業を行っています。ロンドン証券取引所に上場する一方、引き続き創業家が中核株主として議決権付き株式の約半数を保有し、長期的視点で資産運用業に取り組んでいます。
*2022年12月31日現在7,375億英ポンド、1英ポンド=158.71円換算
日本とのかかわりは古く、1870年(明治3年)、日本初の鉄道敷設のために日本政府が初めて発行した国債の主幹事を、シュローダーが務めたことにさかのぼります。1974年には東京事務所を開設し、日本における事業の本格的な第一歩を踏み出しました。幅広い資産運用サービスを提供する現在も日本株式運用を事業の中核の一つに据え、約150年前と同様、日本の未来への投資を通じて歴史を紡いでいます。