シュローダー マクロ経済見通し(2023年4-6月期)

基本シナリオ

【米国】
堅調な労働市場が家計支出を下支えし、米国経済は年初来予想を上回って推移しています。ただし、政策金利は5.25%でターミナルレートに達したと考えられ、2023年末までに米国経済がマイルドな景気後退に入るには十分な水準と考えます。2023年の米国経済成長率見通しは1.5%と拡大が見込まれることから、2024年は0%と横ばいとなると考えています。インフレについては粘着性があるものの減速が見込まれ、インフレ率見通しは2023年に4.2%、2024年は2.3%を見込んでいます。これにより、米連邦準備制度理事会(FRB)は、2023年内に0.25%の利下げを実施し、2024年には3.5%まで引き下げると考えています。

【ユーロ圏】
エネルギー価格は下落したものの、食品およびサービス価格がより高くなっていることから、2023年のインフレ率(HICP)見通しは5.6%、2024年は2.4%に引き上げています。欧州中央銀行(ECB)はリファイナンス金利を4.25%まで引き上げると考えていますが、高金利の影響は、年初来予想を上回って推移するユーロ圏経済と世界経済が下支えとなり、相殺されると考えており、2023年のユーロ圏経済見通しは0.6%、2024年は0.9%に拡大すると見通しています。インフレ率は2024年初に3%以下に低下し、ECBは2024年末までに政策金利を2.5%まで引き下げると考えます。

【英国】
英国は景気後退回避の公算がありますが、英国経済成長は2023年停滞が見込まれ、2024年に0.9%に拡大すると考えています。供給サイドの問題を背景に、インフレが続いており、2023年の消費者物価比数(CPI)は7.6%、2024年に3.6%に減速する見通しです。イングランド銀行(BOE)は2023年に0.5%のさらなる利上げを実施し、5%まで引き上げると考えます。インフレ率は2024年にインフレ目標の2%に向け減速することが見込まれ、政策金利は2024年末までに3.25%まで引き下げられると考えます。

【エマージング諸国】
中国経済は2023年初に市場期待を上回っており、2023年後半も底堅い経済成長が見込まれます。一方で、その他の主なエマージング諸国経済は過去の積極的な利上げが経済活動に影響を及ぼすことから、経済成長の減速が見込まれます。2023年のエマージング諸国経済見通しは4.4%、2024年は3.9%に減速すると考えています。インフレ率は高水準での推移が続いており、年末にかけては大きく減速が見込まれ、中央銀行は2023年後半にも利下げに踏み切る可能性があると考えています。

今後想定される他のシナリオ
リスクシナリオは引き続き、経済減速に傾斜していますが、インフレリスクは以前と比べ後退し、よりバランスの取れたものとなっています。

基本シナリオ以外で今後想定される景気シナリオについて、最も可能性の高いリスクシナリオとしては、スタグフレーションシナリオの「供給サイドによるインフレ」、次いで、リフレーションシナリオの「消費者の弾力性」を想定しています。そのほか、生産性向上シナリオの「ソフトランディング」、デフレーションシナリオの「銀行危機の深刻化」や「債務上限問題を巡る債券市場の混乱再び」などが挙げられます。

世界の実質GDP成長率見通し


シュローダー・エコノミクス・チームによる見通し(基本シナリオ)


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組織名
シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社
ホームページ
https://www.schroders.com/ja-jp/jp/asset-management/
代表者
黒瀬 憲昭
資本金
49,000 万円
上場
非上場
所在地
〒100-0005 東京都千代田区丸の内一丁目8番3号丸の内トラストタワー本館21 階
連絡先
03-5293-1500

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