~脱炭素先行地域に選定された熊本県球磨村における自家消費型太陽光発電・蓄電池の最適活用を推進~
NTTデータ先端技術株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:木谷 強、以下:NTTデータ先端技術)は、熊本県球磨郡球磨村(村長:松谷 浩一、以下:球磨村)および株式会社球磨村森電力(本社:熊本県球磨郡球磨村:代表取締役:中嶋 崇史、以下:球磨村森電力)と共同で2023年1月より開始した分散型エネルギー(*1)情報を収集して制御するプラットフォーム構築に関する実証実験を完了しました。
実証実験では、災害時のレジリエンス強化や自家消費率の増加による再エネの最大限の活用とコストメリットの向上などを目的に球磨村の村有施設などに設置された自家消費型太陽光発電設備・蓄電池から、IoTデバイスを用いて発電量などの情報を収集し、クラウド上に構築したプラットフォームにおける可視化および蓄電池の充放電制御について有効性を確認しました。
【背景】
NTTデータ先端技術では、持続可能な社会を見据えた脱炭素社会の実現に向けた取り組みを強化しています。その一例として、データセンターの省エネ運用等について、コンサルから設計・施工・測定まで総合的に支援する「INTELLILINK Green & BCP(*2)」の提供などを開始しています。
行政においては、政府による「2050年カーボンニュートラル」宣言以降、ゼロカーボンシティ宣言を行った自治体が増えており、その実現に向けて、官民が一体となってグリーントランスフォーメーション(GX)を推進する動きが広がっています。こうした地域主導の脱炭素の動きを支援し、全国へと広がっていく脱炭素ドミノを実現していくため、環境省では脱炭素先行地域の選定を進めています。第一回の脱炭素先行地域(*3)に選定された球磨村では、全国に先駆けて2030年度までに民生部門(家庭部門及び業務その他部門)の電力消費に伴うCO2排出を実質ゼロとする目標に向けて、地域新電力である球磨村森電力と連携して分散型エネルギーの最適活用などを推進しています。
今回、NTTデータ先端技術はグリーン社会の実現にITとビジネスの分野から寄与するため、様々なシステム開発を通じて得たクラウドやIoTに関する知見を活かして、球磨村および球磨村森電力と共同で分散型エネルギー情報を収集して制御するプラットフォーム構築に関する実証実験を実施し、コンサルメニューを整備しました。
この実証実験を通じて、地域脱炭素を進めていこうとする自治体や地元企業などが、災害時のレジリエンス強化や低コストで暮らせる街づくりなど、地域裨益型の再エネ発電設備の導入をスムーズに行っていくことができることが期待されます。
球磨村内に設置されているソーラーパネル
実証実験用装置取り付けの様子
【実証実験の概要】
【今後について】
現時点では、自家消費型太陽光発電設備・蓄電池に取り付けたIoTデバイスから発電量や電力利用状況などの情報を収集し、クラウド上に構築したプラットフォームにおける可視化および蓄電池の充放電制御が可能であることまでの検証が完了しています。2023年4月以降、本システムの有効性を検証を継続してまいります。
さらに本実証実験の結果を踏まえ、球磨村内で対象とする分散型エネルギーを拡大(計25施設)し、周辺地域の地域脱炭素の取組をコンサルティングからシステム導入まで一貫して支援していく予定です。さらに、将来的にはプラットフォームを通じて小売電気事業者や卸電力市場などに売電する仕組みを開発する予定です。
*1 分散型エネルギー(DER:Distributed Energy Resources):太陽光発電や風力などの再生可能エネルギーや、蓄電池など住宅や公共、産業などで活用され分散配置される電源群の総称
*2 INTELLILINK Green & BCP:
https://www.intellilink.co.jp/facility/index.aspx
*3 脱炭素先行地域:2050年カーボンニュートラルに向けて、民生部門(家庭部門及び業務その他部門)の電力消費に伴うCO2排出の実質ゼロを実現し、運輸部門や熱利用等も含めてそのほかの温室効果ガス排出削減についても、我が国全体の2030年度目標と整合する削減を地域特性に応じて実現する地域
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