シュローダー マクロ経済見通し(2022年10-12月期)

基本シナリオ
【米国】
米国経済は2023年、ハードランディングに向かっているとの見方を継続しています。2023年初に米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ抑制のために、政策金利を4.75%まで引き上げるとの見通しの下、2023年の経済成長率は-1.0%に低下後、2024年は2.0%に回復すると考えています。インフレ率(CPI)は2023年内は4.1%程度のインフレターゲットを上回る水準で維持され、2024年には2.2%に低下する見通しです。2023年、景気後退入りが確認された後、米連邦準備制度理事会(FRB)は金融緩和に転換すると考えており、政策金利を2023年末までに3.5%、2024年末までに2.5%に引き下げると考えます。

【ユーロ圏】
2022年のユーロ圏経済成長率は3.2%が見込まれ、2023年初には高いインフレ率や金利が景気後退を明確化させると考えており、2023年のユーロ圏経済成長率見通しは-0.1%、2024年は0.8%としています。インフレ率(HICP)見通しについては、2022年の8.3%から、2023年には5.1%に低下、2024年は2.5%としています。欧州中央銀行(ECB)は、ペースは遅くとも利上げを継続すると考えており、2023年2月までにリファイナンス金利を3.0%、中銀預金金利を2.5%に引き上げる見通しです。その後、2023年内は維持し、2024年に1.5%の利下げを行うと考えます。

【英国】
2022年の英国経済成長率見通しは4.4%としていますが、2023年はインフレ率が9.3%程度となることが見込まれる中、経済は厳しい状況となることが見込まれます。食品・エネルギーのインフレ率の減速を考慮しても2023年のコアインフレ率は6.9%程度となることが見込まれ、イングランド銀行(BOE)は、政策金利を4%まで引き上げると考えます。我々の見通しでは、6四半期の景気後退を見込んでおり、2023年の英国経済成長率見通しは-0.8%、2024年は0.3%としています。これにより、国内のインフレ圧力は低下し、BOEは2024年末までに政策金利を2%に引き下げると考えます。

【エマージング諸国】
2022年の中国経済成長率見通しについては3.0%、2023年は5.0%としています。インフラ支出の増加、住宅関連指標の底入れ、新型コロナウイルス感染拡大を巡る規制の緩和が、世界の景気後退を背景とした輸出の減速の影響を相殺すると考えます。また、ブラジルでは、金利上昇、コモディティ価格の下落を背景に、経済成長の減速が見込まれる一方、インドでは、堅調な国内需要が経済を下支えすると考えます。

今後想定される他のシナリオ
基本シナリオ以外で今後想定される5つのシナリオのうち、3つのシナリオがベースラインを下回る経済成長、そのうちの2つのシナリオがベースラインを上回るインフレ率を示唆しており、総括してスタグフレーションリスクに傾斜しています。基本シナリオ以外で今後想定される景気シナリオについて、最も可能性の高いリスクシナリオとしては、スタグフレーションシナリオの「供給サイドによるインフレ」、次いで、スタグフレーションシナリオの「地政学的分断」を想定しています。そのほかのシナリオ「中国の急速な経済再開」「消費者サイドの不況」「供給サイドの回復」は、同程度の可能性としています。

世界の実質GDP成長率見通し


シュローダー・エコノミクス・チームによる見通し(基本シナリオ)


【本資料に関するご留意事項】
  • 本資料は、情報提供を目的として、シュローダー・インベストメント・マネージメント・リミテッド(以下、「作成者」といます。)が作成した資料を、シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社(以下「弊社」といいます。)が和訳および編集したものであり、いかなる有価証券の売買の申し込み、その他勧誘を目的とするものではありません。英語原文と本資料の内容に相違がある場合には、原文が優先します。
  • 本レポートは、Schroders Investment Management Limitedが海外の機関投資家向けに作成した資料を、シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社が翻訳・編集したものです。本レポートは、シュローダーのグローバルベースの一般的な取り組み・考え方をご紹介する目的で作成しており、日本の投資者を対象としない内容を含む場合があります。
  • 本資料に示されている運用実績、データ等は過去のものであり、将来の投資成果等を示唆あるいは保証するものではありません。投資資産および投資によりもたらされる収益の価値は上方にも下方にも変動し、投資元本を毀損する場合があります。また外貨建て資産の場合は、為替レートの変動により投資価値が変動します。
  • 本資料は、作成時点において弊社が信頼できると判断した情報に基づいて作成されておりますが、弊社はその内容の正確性あるいは完全性について、これを保証するものではありません。
  • 本資料中に記載されたシュローダーの見解は、策定時点で知りうる範囲内の妥当な前提に基づく所見や展望を示すものであり、将来の動向や予測の実現を保証するものではありません。市場環境やその他の状況等によって将来予告なく変更する場合があります。
  • 本資料中に個別銘柄についての言及がある場合は例示を目的とするものであり、当該個別銘柄等の購入、売却などいかなる投資推奨を目的とするものではありません。また当該銘柄の株価の上昇または下落等を示唆するものでもありません。
  • 本資料に記載された予測値は、様々な仮定を元にした統計モデルにより導出された結果です。予測値は将来の経済や市場の要因に関する高い不確実性により変動し、将来の投資成果に影響を与える可能性があります。これらの予測値は、本資料使用時点における情報提供を目的とするものです。今後、経済や市場の状況が変化するのに伴い、予測値の前提となっている仮定が変わり、その結果予測値が大きく変動する場合があります。シュローダーは予測値、前提となる仮定、経済および市場状況の変化、予測モデルその他に関する変更や更新について情報提供を行う義務を有しません。
  • 本資料中に含まれる第三者機関提供のデータは、データ提供者の同意なく再製、抽出、あるいは使用することが禁じられている場合があります。第三者機関提供データはいかなる保証も提供いたしません。第三者提供データに関して、本資料の作成者あるいは提供者はいかなる責任を負うものではありません。
  • シュローダー/Schroders とは、シュローダー plcおよびシュローダー・グループに属する同社の子会社および関連会社等を意味します。
  • 本資料を弊社の許諾なく複製、転用、配布することを禁じます。

この企業の関連リリース

この企業の情報

組織名
シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社
ホームページ
https://www.schroders.com/ja-jp/jp/asset-management/
代表者
黒瀬 憲昭
資本金
49,000 万円
上場
非上場
所在地
〒100-0005 東京都千代田区丸の内一丁目8番3号丸の内トラストタワー本館21 階
連絡先
03-5293-1500

検索

人気の記事

カテゴリ

アクセスランキング

  • 週間
  • 月間
  • 機能と特徴
  • Twitter
  • Facebook
  • デジタルPR研究所