バーチャレクス・グループのバーチャレクス・コンサルティング株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:丸山勇人、以下、バーチャレクス)は、カスタマーサクセスに関する実態調査を実施しました。前回の第一弾および第二弾(※1)に引き続き第三弾の結果を取りまとめました。
■第二弾調査結果ハイライト
対象:全国の20歳から65歳の有職者24,061人の中で、カスタマーサクセスを「自身が担当している/社内に取り組んでいる部署、または担当者がおり、自身もかかわっている」と答えた500人
・「カスタマーサクセスの効果を感じている人」は自社で取り組みを行っている人の8%で、昨年より増加、効果を感じていない人の割合は昨年から微減
・カスタマ―サクセス取り組み期間が一年未満で効果を感じている人は5%、昨年より増加
・カスタマ―サクセス担当者が11人以上いる組織の4%がカスタマーサクセスの効果を感じているが、担当者が1~2人しかいなくても61.0%の人が効果を感じている
・効果を感じている人の約1/4は、経営層/上層部からの理解、人材・組織体制の整備の課題をクリアしている
■第三弾調査結果概要
カスタマーサクセスの取り組みが社内で行われていると回答した500人のうち「効果を感じている」と答えた人と、「効果を感じていない/どちらとも言えない」と答えた人の違いを比較しました。
「効果を感じている」人の1/4は事業全体の売り上げが向上したと感じている
カスタマーサクセスの効果を感じている層、感じていない/どちらとも言えない層それぞれに、カスタマーサクセス取り組み前後での事業全体の売上変化について尋ねたところ、効果を感じている人の74.6%が「売り上げが向上した」と回答しました。効果を感じていない人/どちらとも言えない人では67.2%の人が「あまり変化は感じない/わからない」と回答しています。
さらに、直近一年での売上推移について尋ねてみると、新規顧客による売り上げが増加傾向と答えた人は、効果を感じている人で46.2%に対し、感じていない/どちらとも言えない人では15.9%、既存顧客からの売り上げが増加傾向と答えた人は、効果を感じている人で44.1%、感じていない/どちらとも言えない人では13.7%と大きな差が見られました。長引くコロナ禍においても、カスタマーサクセスの取り組みによって売り上げ増加となっている企業が多くあることがわかります。
コロナ禍が後押し?"テックタッチ"の取り組みは効果絶大
次に、直近一年で顧客に対して新たに始めた取り組みについて聞いてみたところ、効果を感じている人の4割強~6割弱が何かしら新しい取り組みを始めており、中でも一番多かったのは「メール/チャット等でのサポート情報提供(59.5%)」、次いで「オンラインセミナ―/イベントの開催(54.5%)」、「ブログ記事やホワイトペーパー等のオウンドメディア上でのコンテンツ提供(53.8%)」など、いわゆる"テックタッチ"での顧客対応・サポート体制を新たに整えた企業が多くあることがわかります。反対に、感じていない/どちらとも言えない人はこれら新たな取り組みには積極的ではなかった様子が垣間見える結果となりました。
カスタマーサクセスの効果を感じている人の大半はこれら新たな取り組みを行うことで「期待していた効果が得られた」と回答しており、特に「ブログ記事やホワイトペーパー等のオウンドメディア上でのコンテンツ提供(90.1%)」、「メール/チャット等でのサポート情報提供(87.6%)」、「チュートリアル/トレーニングプログラムの提供(84.9%)」等の取り組みがポジティブに作用していることがわかります。
テクノロジーツールの活用も効果創出には不可欠
カスタマ―サクセスに取り組んでいくにあたって、テクノロジーツールを利用しているかどうかを尋ねたところ、効果を感じている人の実に83.6%がヘルススコア管理ツールを、また31.4%の人はカスタマーサポートツール(チャット、メール、問い合わせ統合管理等)を使っていることがわかりました。それに対して感じていない/どちらとも言えない人の半数以上がテクノロジーツールを「特に利用していない」と回答しており、ヘルススコア管理ツールは18.9%、カスタマーサポートツールは9.5%の利用にとどまる結果となりました。
続いてカスタマ―サクセスソリューションを活用する場合どれくらいの予算感で検討するかを聞いてみたところ、効果を感じている層で1ヶ月あたり5万以上20万未満の割合が一番高く38.1%、次いで20万以上50万未満が28.4%と、いくらかの月額予算をカスタマ―サクセスソリューションに投じる姿勢が見られました。それと比較すると、効果を感じていない/どちらとも言えない層は、この分野への投資に対してあまり積極的ではないようにも取れる結果となりました。
取り組み内容の差が顕著に出た効果体感の違い
今回のデータからは、カスタマーサクセスの取り組み効果を感じている人は「売り上げが向上している」と答えた人の割合が大きかったのに対し、効果を感じていない/どちらとも言えない人の半数近くは「売り上げが横ばい状態」と回答しており、深掘りしてみるとそれぞれの取り組みなどの違いに大きな違いがあることがわかりました。効果を感じている人はカスタマ―サクセス実践に欠かせない非対面やデジタルを活用した顧客支援の取り組みに積極的に取り組んでいます。また、その取り組みや顧客との関係性をトラッキングするデジタルツールも活用しています。コロナ禍でデジタル化を余儀なくされた企業も多かったかもしれませんが、それがデファクト・スタンダード化した部分もあり、カスタマーサクセスの取り組みを推進する中で大きな追い風になったのかもしれません。対面での営業や顧客対応が難しくなってしまった今だからこそ、カスタマーサクセスに注目し始める企業も少しずつ増えてているのかもしれませんが、デジタルの活用だけで企業を成功に導けるものでは決してありません。本調査結果まとめの第四弾では、カスタマーサクセスの運用の仕方にスポットを当て、効果の違いを検証していきます。
(*1) 【2022年カスタマーサクセスに関する実態調査第一弾】https://www.virtualex.co.jp/news/2022/05/2022CS-research-1.html
【2022年カスタマーサクセスに関する実態調査第二弾】https://www.virtualex.co.jp/news/2022/08/2022CS-research-2.html
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バーチャレクスは、BtoB向けIT製品 / SaaSのレビュープラットフォーム 「ITreview(ITレビュー)」を提供するアイティクラウド株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 兼 CEO:黒野源太、以下、アイティクラウド)と2019年3月より、市場調査やセミナー等の共催などカスタマーサクセス領域での協業を行っています。
なお、バーチャレクスでは企業様のカスタマーサクセス導入や運用をサポートする様々なサービスを提供しています。
- ワークショップ(経営者様向け/社員様向け等、カスタマーサクセスについての理解促進をサポート)
- コンサルティングサービス(ショット/スポット型でのレビューや戦略立案等)
- テクノロジーサービス(ツールやデータプラットフォームの導入/構築や利活用支援)
- オペレーションサービス(カスタマーサクセスプロセス伴走支援)
また下記サービスを無料でご提供しています。
- カスタマ―サクセスビギナー向け入門ガイドダウンロード
- カスタマ―サクセスの取り組み状況クイック診断
- これからカスタマーサクセスの取り組みを検討する企業様の質問や疑問、お悩みにお答えするお悩みホットライン
詳しくはこちらをご覧ください。https://customer-success.virtualex.co.jp/
参考:『カスタマーサクセス ―サブスクリプション時代に 求められる「顧客の成功」10の原則―』
https://www.virtualex.co.jp/corporate/customersuccess.html
【調査実施概要】
「2022年カスタマーサクセスに関する調査」
・調査方法 :インターネットアンケート
・調査実施期間:2022年3月18日~2022年3月19日
・対象地域 :全国
・対象者 :20歳から 65歳の有職者(パート・アルバイト、専業主婦・主夫、学生を除く)24,061人