ぬくもりを感じる器でおうち時間をより豊かに
「いまの暮らしに、健やかな美を。民藝展」<展示・即売>
高島屋大阪店7階催会場
2020年9月9日(水)~14日(月)※最終日は午後6時閉場
高島屋大阪店で9月9日(水)から14日(月)まで、人々に生活の中の美を示唆し続ける民藝の魅力に焦点をあてた「いまの暮らしに、健やかな美を。民藝展」を開催いたします。
大正時代末期に、思想家の柳宗悦を中心に、陶芸家の濱田庄司、河井寬次郎、バーナード・リーチらが提唱した民藝運動は、高価で贅沢な美術品ではなく、無名の職人たちが作った、日常の生活道具が持つ無意識の美しさを知ろう、という運動でした。
高島屋はこの民藝運動に賛同し、1934年・1935年に全国に民藝品を集積した大展覧会を開催いたしました。そして2012年に、その手仕事の温かみを次の世代につなげるべく、約70年ぶりに大規な展示・即売会の「用の美とこころ 民藝展」として復活。以降2014年、2017年に開催し、3年ぶりに開催する今年のテーマは「示唆」。
この激動の時代において、人々に生活の中の美を示唆し続ける民藝の魅力に焦点をあて、柳が見出した現存する民藝(本流)と若い世代(ニューウェーヴ)それぞれの作り手・配り手との連携も図り、これからの時代の民藝のある暮らしを提案いたします。本展では、民藝の提唱者である柳宗悦が見出して、今も続く全国各地の民藝の品々商品の展示販売のみならず、現代の生活の中で民藝を楽しむアイデアに触れる企画展示、そして未来の民藝を考える展示物なども併設することで、民藝を総合的に体感できる新しいスタイルの商品催事にチャレンジいたします。
【柳宗悦の見出した現存する民藝の本流の作り手の出展内容の一例】
北陸・中部・東海の民藝
<瀬戸焼[瀬戸本業窯](愛知)>
民藝の本流で、昔と変わらぬ作風ながら、現代の目で見ても充分に用に耐え、美を感じます。本業とは、瀬戸で土物を作り続ける一番大きな窯であることです。(磁器をつくる工房のことは新業と呼びます。)
先代の6代目水野半次郎は、民芸運動の柳宗悦、濱田庄司やバーナード・リーチとも親交がありました。現在は7代目と8代目後継が中心となって、製造を行っており「その全ての工程において手作業、分業制に徹している」という、極めて特殊な窯です。使うほど色味が変化し「育つ器」として料理人にも人気です。
中国地方(山陰)の民藝
<松江 布志名焼[湯町窯](島根)>
地元産出の粘土・釉薬を使って生み出された素朴でシンプルな形と、黄釉・海鼠釉・緑釉などの深く鮮やかな色調が特徴。使い易く、生活に心地よく馴染む湯町窯の器は、かつてこの窯を訪れた河井寛次郎、濱田庄司、バーナード・リーチに学んだ『物創りの心』と『陶技』が大切に受け継がれ、使い手の暮らしに豊かな潤いを届けています。
九州の民藝
<小代焼 [ふもと窯](熊本)>
熊本県荒尾市などで焼かれる陶器。江戸時代寛永9年に豊前から転封された細川忠利公が陶工を従え、藩主の命によって焼き物を作らせたのが始まるとされます。鉄分の多い小代粘土を使った、素朴で力強い作風が特徴。釉薬の調合割合、焼成温度の変化などにより、青小代、黄小代、白小代といわれる微妙な発色方法が使い分けられています。
【特別企画】観覧無料
〇特別企画:民藝運動フィルムアーカイブ
カナダ人映画監督/プロデューサーのマーティー・グロスさんが、日本の民藝の記録を未来に繋げようと立ち上げたプロジェクト。マーティー・グロスさんは、民藝運動を起こしたメンバーの一人であるバーナード・リーチから、日本各地の民藝産地を撮影したフィルムを譲り受けました。昭和初期からの名もなき職人の貴重な映像がデジタル技術で蘇ります。
<マーティ・グロス氏>
【展示企画】
〇民藝展×Discover Japan 民藝と、暮らす
日本を再発見する雑誌Discover Japanが、現代の暮らしに民藝を活かすアイデアをルーム形式でご紹介いたします。
※民藝の楽しみ方の展示企画です。
・中林友紀氏(インテリアスタイリスト)…VOGUE JAPAN、ELLE DECOR、Discover Japanなどの雑誌や書籍、商業施設のディスプレイなどを担当し、世界の主要インテリア見本市にも精通している。今回は、現代的な民藝の使い方を提案するコンセプトルームとしてスタイリング。
展示テーマ:「民藝と、暮らす」
・福田里香(菓子研究家)…実家は熊本の小代焼。多彩なお菓子レシピを提案して書籍や雑誌で活躍。民藝にも造詣が深く、民藝に関するコンセプトルームを展示。
展示テーマ:「民藝を、食べる」
・知花くらら(モデル・女優)…沖縄県出身。06年ミスユニバース世界大会で準グランプリを獲得。多数の女性ファッション誌でモデルを務めるほかTV・ラジオ・CMに出演。ご自身の愛用品も含めて、民藝を楽しむ日々の暮らしをイメージして展示。
展示テーマ:「心地いい民藝」
〇民藝展×美術手帖 アートから見る未来の民藝
1948年創刊の現代美術専門誌『美術手帖』が、未来の民藝を現代アーティストと表現します。同誌の2019年4月号では、「提唱から約100年となる「民藝」を考察する「100年後の民藝」を特集。この編集にも登場したアーティストがコンセプト展示を行います。
・青柳隆太(現代美術家)
1976年大阪生まれ。多摩美術大学卒業後、2005年より骨董やオブジェなどをモチーフにしたインスタレーション作品の発表を続けている。彼が考える、未来の民藝をコンセプト展示。
【高島屋オンラインストア】
民藝には興味があるけれど、会場に行くことには抵抗があるという方のために、今回初めてオンラインストアでも販売いたします。※会場の展開内容とは異なります。
http://www.takashimaya.co.jp/shopping/special/FA18471
高島屋大阪店 06-6631-1101(代表)