■3月24日(水)→3月30日(火)
■横浜高島屋7階 美術画廊
※最終日は午後4時閉場。
「還ってくる日」60号F
野見山暁治氏は、1920年、当時は炭坑町であった福岡県の穂波村(現在の飯塚市)に生まれました。
1943年東京美術学校を繰り上げ卒業と同時に応召され、満州で病を得て送還、福岡の療養所で終戦を迎えます。 戦後の混乱期にあって不安を抱えながらも、荒廃した郷里の炭坑の姿形、円筒・円錐・球形といった人工物によって形づくられた原風景の中に、制作の活路を見出していきます。
1952年に海外への渡航が開かれると、フランス政府私費留学生として渡仏、12年に及ぶ滞欧生活を過ごします。憧れていた本物の西洋絵画にふれていく一方で、パリで目にした山水画の幽玄さから自己の中の東洋的感覚に目覚め、それまで描いていた風景や静物、人物といった「かたち」は姿を潜め、目に見えていたものを心象化していくようになります。
帰国後、1972年からは東京藝術大学の教授として後進の育成に努め、また1976年以降、東京美術学校出身の戦没画学生の遺族を訪ね取材を重ね、その活動と尽力が戦没画学生慰霊美術館「無言館」設立へと繋がります(2005年菊池寛賞受賞)。
1978年には『四百字のデッサン』で第26回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞するなど、執筆活動においても高い評価を得ています。
2000年には文化功労者として顕彰、2014年には文化勲章を受章されます。
高島屋では2014年に、百貨店の美術画廊では初となる個展『はじめまして 百貨店 野見山暁治です。』を開催。
7年ぶりの待望の個展『絵描き、道楽、続けて百年』と題された今展では、「ぼくには絵しか無かった。いや、まっしぐらに絵が好きだった。」と絵を描くことが好きで堪らない、それ以外の人生は考えられなかったという野見山暁治氏の「今」を、新作と近作を含めた40余点により展観します。
「もっと思い出して」 40号F
問合せ先:横浜高島屋(代表)045-311-5111