中国の若者向け有力オンラインエンターテインメントプラットフォームを運営するBilibili Inc.(NASDAQ: BILI、以下、「ビリビリ」もしくは「当社」)は2020年5月19日、2020年3月31日を期末とする2020年第1四半期(2020年1月1日-3月31日)の未監査決算を発表しました。
2020年第1四半期のハイライト
- 総売上高は23億1,550万RMB(3億2,700万USドル、約347億3,250万円)で、前年同期から69%増となりました。
- 平均月間アクティブユーザー数(MAU1)は1億7,240万人で前年同期比70%増、モバイルMAUは1億5,640万人で前年同期比77%増となりました。
- 1日あたり平均アクティブユーザー数(DAU)は5,080万人で、前年同期比69%増となりました。
月間平均有料ユーザー数(MPU2)は1,340万人で、前年同期から134%増となりました。
Bilibiliの取締役会長兼最高経営責任者(CEO)、チェン・ルイ(陳睿)は次のように述べています。
「2020年は非常に好調な滑り出しとなりました。MAU、DAUともに驚異的なペースで増加すると同時に、コミュニティの参画レベルも過去最高の水準に達しました。当社のコンテンツライブラリが幅広い分野で拡大し、ブランドの資産価値やユニークなコミュニティ体験を向上させていることで、Bilibiliプラットフォームの一般消費市場における魅力が高まっており、多くの人にとって、コンテンツの作成と消費における最初の選択肢になっています。2020年第1四半期中、ユーザーの1日平均滞在時間は87分と過去最高水準に達し、月間のアクティブなコンテンツクリエイター数とコンテンツ投稿数は前年同期から2倍以上増加しています。さらに、戦略パートナーの拡大によって、当社は市場における地位も強化し続けています。4月に長年のパートナーであるSonyが当社の株式を取得するとともに業務提携を検討することで合意し、提携関係がさらに深まりました。2020年はこの初頭の勢いに乗って、引き続きコンテンツライブラリをさらに充実させるとともに、コミュニティのつながりを一層強化し、収益力の向上に取り組んでユーザー数と売上の拡大を図っていきます。」
Bilibiliの最高財務責任者(CFO)、サム・ファン(Sam Fan)は次のように述べています。
「当社の強力なユーザーマトリクスが、業績拡大の強固な基盤を築いています。当期のMPUは134%増で過去最高の1,340万人に達し、当社のプラットフォームに強力な収益力があることを実証しています。売上高は前年同期比69%増の23億RMBとなり、当期も当社の見通しを上回りました。売上とともに売上総利益も4期連続で拡大し、2020年第1四半期の売上総利益率は23%に達して業務効率が改善されていることを示しています。今後も引き続き、品質に重点を置きながら成長戦略を実行して行きます。」
2020年第1四半期の財務報告
総売上高:総売上高は23億1,550万RMB(3億2,700万USドル)で、2019年同期から69%増でした。
モバイルゲーム事業:モバイルゲーム事業の売上は2019年同期から32%増の11億5,060万RMB(1億6,250万USドル)となりました。売上の増加は、主として既存および新規のモバイルゲームの人気が高まったことによるものです。
付加価値サービス(VAS)事業(旧称ライブ配信およびVAS事業):VAS事業の売上は、前年同期から172%増の7億9,360万RMB(1億1,210万USドル)となりました。売上増は主として、プレミアム会員プログラム、ライブ配信サービスやその他の付加価値サービスにおける有料ユーザー数の拡大をはじめとする、収益化の取り組み強化が奏功したものです。
広告事業:広告事業の売上は前年同期から90%増の2億1,430万RMB(3,030万USドル)となりました。売上の伸長は、主として、中国国内のオンライン広告市場におけるBilibiliブランドの認知度が高まったことにより、広告主が増加したことによるものです。
eコマースその他の事業:eコマースその他の事業による売上は前年同期から64%増の1億5,710万RMB(2,220万USドル)でした。売上の伸長は主として、Bilibiliのeコマースプラットフォームを介した製品の販売が増加したことによるものです。
売上原価:売上原価は17億8,510万RMB(2億5,210USドル)で、前年同期比から51%増となりました。売上原価の主要要素であるレベニューシェアコストは8億8,880万RMB(1億2,550万USドル)で、前年同期から61%増でした。
売上総利益:2020年第1四半期の売上総利益は5億3,050万RMB(7,490万USドル)で、前年同期から180%の大幅増となりました。
営業費用:2020年第1四半期の営業費用は10億7,470万RMB(1億5,180万USドル)で、前年同期から117%増でした。
販売およびマーケティング費:2020年第1四半期の販売およびマーケティング費は6億600万RMB(8,560万USドル)で、前年同期から234%増となりました。費用の大幅な増加は主として、Bilibiliのアプリおよびブランド関連のチャネルマーケティング費用と、Bilibiliのモバイルゲームのプロモーション費用の増加によるもので、販売・マーケティング部門の人件費の増加も費用拡大につながりました。
一般管理費:2020年第1四半期の一般管理費は、前年同期比33%増の1億7,140万RMB(2,420万USドル)でした。一般管理費の増加は主として、一般管理部門の人件費の増加と株式報酬費用の増加によるものです。
研究開発費:2020年第1四半期の研究開発費は2億9,730万RMB(4,200万USドル)で、前年同期から60%増となりました。これは主として、研究開発部門の人件費の増加によるものです。
営業損失:2020年第1四半期の営業損失は5億4,420万RMB(7,690万USドル)となりました。前年同期の営業損失は3億670万RMBでした。
法人所得税:2020年第1四半期の法人所得税は940万RMB(130万USドル)となりました。前年同期の法人所得税は820万RMBでした。
純損失:2020年第1四半期の純損失は5億3,860万RMB(7,610万USドル)となりました。前年同期の純損失は1億9,560万RMBでした。
調整後純損失3:株式報酬費用および企業買収により取得した無形固定資産に係る償却費を除く非GAAPベースの指標により調整後の2020年第1四半期の純損失は4億7,460万RMB(6,700万USドル)となりました。2019年第1四半期の調整後純損失は1億4,540万RMBでした。
基本および希薄化後EPS、調整後の基本および希薄化後EPS3:基本および希薄化後1株あたり純損失(EPS)は1.62RMB(0.23USドル)でした。前年同期は0.60RMBでした。調整後の基本および希薄化後1株あたり純損失は1.43RMB(0.20USドル)で、前年同期は0.44RMBでした。
現金および現金同等物、定期性預金および短期投資:2020年3月31日現在、会社が保有する現金および現金同等物、定期性預金および短期投資は79億RMB(11億USドル)でした。2019年12月31日時点では81億RMBでした。
最新の財務活動
2020年4月9日に会社とSony Corporation of America(以下、「SCA」)は株式の取得について合意し、契約に基づいてSCAは会社が新たに発行するZ種普通株式17,310,696株を1株あたり23.1071USドルで引き受けます。これは、米国預託株式(ADS)1株あたり23.1071USドルに相当します。本契約は2020年4月9日に締結し、会社は総額約4億ドル相当の対価を受け取りました。本契約の締結により、SCAは既存の保有株式を含め、会社の発行済み株式総数の約4.98%を保有する受益所有権を取得しました。
COVID-19(新型コロナウイルス)の影響
中でも、COVID-19(新型コロナウイルス)の発生により、2020年第1四半期に当社プラットフォームで販売している商品のお客様への配送が遅延しています。2020年第2四半期になり、配送は徐々に回復してきております。しかしながら、COVID-19(新型コロナウイルス)の影響が長引き、さらに悪化した場合、引き続き配送に支障をきたす可能性があります。一方で、当社は、在宅勤務システムの改善、従業員の健康状態の日常的なモニタリング、潜在的なユーザートラフィックの増加に対応するための技術システムの最適化など、今回のパンデミック発生の影響を軽減するための対策を講じています。これに伴う当社の業績および業績見通しへの影響は、今後の世界的なパンデミックの動向に左右されます。
今後の見通し
現時点で、会社は2020年第2四半期の売上高を25億~25億5,000万RMBと見込んでいます。
上記見通しは、現在の市場状況にもとづく暫定推定値を反映したもので、特にCOVID-19の感染拡大に伴う不確実性に照らし、数値は大きく変更される場合があります。
1 2019年第1四半期以降、「Bilibiliコミック」および「MiMi(中国語名:猫耳、英語名:Maoer、日本語名:MiMi。以下「MiMi」)」のMAUを会社のMAUに加算しています。「Bilibiliコミック」は2018年11月に開始したBilibiliのコミックコンテンツを提供するモバイルアプリケーション、MiMiはオーディオドラマを提供するプラットフォームです。2020年第1四半期は「Bilibiliコミック」と「MiMi」で合計1,220万人がBilibili全体のMAUに加算されています。
2 有料ユーザー数は、ゲーム、ライブ配信、プレミアムメンバーシップ、BilibiliコミックおよびMiMiの有料ユーザー数のうち、MiMi以外の複数のサービスで重複した有料ユーザー数を除いたもの。MiMiの有料ユーザー数は重複を除外せずに全体の有料ユーザー数に加算しています。
3 調整後純損失と調整後基本および希薄化後EPSは非GAAPベースの財務指標です。非GAAPベースの指標の詳細については、本リリース末尾の「非GAAPベースの財務指標の使用について」、ならびに表「未監査のGAAPおよび非GAAPベースの決算処理について」のセクションを参照してください。
Bilibili Inc. について
Bilibiliは中国を代表するオンラインエンターテインメントのブランドとして、中国の若い世代の日常生活を豊かにすることをミッションに掲げています。動画、ライブ配信、モバイルゲームをはじめとして、幅広いジャンルや形式のメディアを網羅し、あらゆる分野のオンラインエンターテインメントを提供しています。Bilibiliはユーザーやコミュニティの関心の高まりや多様化に応える臨場感あふれるエンターテインメント体験と高品質のコンテンツを提供し、コンテンツやコミュニティに対するBilibiliユーザーの愛着の強さを基盤に、強力なプラットフォームを構築しています。
詳細については
http://ir.bilibili.com をご覧ください。