昭和大学病院(東京都品川区/病院長:板橋家頭夫)に放射線治療センターを開設しました。リニアック(※1)棟の開設と高精度放射線治療装置であるトモセラピーの稼働により、専門的なセンター化を計って先端的な研究を行うとともに、患者さんの希望に応えられる治療を目指していきます。
薬物療法との併用および強度変調放射線治療(※2)や定位放射線照射(※3)などの高精度放射線治療により放射線治療の治療成績が向上し、高齢者の増加によって、放射線治療の適応となるがん患者が増えているため、本学でも昭和大学病院に放射線治療センターを設置して、新たにリニアックが3台稼働可能なリニアック棟を開設しました。高精度放射線治療装置であるトモセラピーも稼働し、今後段階的に3台のリニアックを導入する予定です。
トモセラピーは強度変調放射線治療専用機器であり、360度すべての方向からがん病巣へ放射線を照射することにより、従来の放射線治療より、複雑な形をした腫瘍に合わせてコンピュータ制御で精確な照射を行えます。周囲正常臓器に対しては低線量に抑えることができるため、急性および遅発性の副作用を軽減することが可能であり、機器の特性から従来よりも短時間での治療を行えます。
同センターは、伊藤芳紀教授(放射線医学講座放射線治療学部門)がセンター長に就任し、高度の放射線治療の専門チームを組織しました。外部照射とともに小線源治療も含めて放射線治療科医師、診療放射線技師、医学物理士、看護師の育成の場として、専門的なセンター化を計ることにより有機的な教育と先端的な研究を行うとともに、臓器の機能・形態を温存し発病前のQOL(※4)を維持したいという患者さんの希望に応えられる治療を目指していきます。
なお、2019年10月1日、リニアック棟内で「昭和大学病院放射線治療センター竣工式」を開催しました。
■語句説明
(※1)リニアック:「直線加速器」と訳され、X線や電子線を発生させ、がんの治療に使われる放射線治療機器のこと。
(※2)強度変調放射線治療:放射線の「強度」をコンピュータ制御で腫瘍の形に適したように「変調」することで、正常組織の照射線量を抑えつつ腫瘍部分への集中照射を行う治療法のこと。
(※3)定位放射線照射:腫瘍の形状に合わせて多方向から高精度に放射線を照射し、周囲の正常組織への被曝量を減らす照射法のこと。
(※4)QOL:Quality of Lifeの略で、治療や療養生活を送る患者の肉体面、精神面、生活面などを含めた生活の質のこと。
▼本件に関する問い合わせ先
昭和大学病院 放射線治療センター
TEL: 03-3784-8000(代表)
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