金沢大学はこのたび、理工学域能登海洋水産センターを石川県鳳珠郡能登町に開設した。これは、平成28年に同町と締結した「人づくり・海づくり協定」に基づいて設立された教育研究支援施設で、水生生物の飼育場や実験室などを備える。開設に伴い、6月5日に設立記念行事を執り行った。今後、同施設は理工学域生命理工学類海洋生物資源コースの教育・研究等の拠点として活用される。
金沢大学は平成30年度に理工学域を改組し、生命理工学類を新設。その中に、海洋生物資源コースを設置した。同コースでは、石川県の地域特性を生かした海洋生物資源に関する生命科学と環境科学を統合した基礎研究を行い、その研究成果を基盤として新技術・新産業を創出できる人材を育成することを目指している。
海洋生物資源コースの新設に伴い、石川県鳳珠郡能登町の支援を得て、学類生や大学院生、研究者が長期滞在して最先端の研究を行うことができる「理工学域能登海洋水産センター」を開所した。
同センターは九十九湾沿岸に位置しており、能登の豊かな里海を生かし、魚類の養殖技術の研究推進により地元の水産業の発展に貢献することを目的とする。また、海洋生物資源コースの教育・研究等の拠点として活用することで、地域ひいては世界の水産業に貢献できる人材の育成を目指す。
6月5日には、設立記念行事を挙行。金沢大学の山崎光悦学長をはじめ、能登町の持木一茂町長、文部科学省高等教育局専門教育課課長補佐の加賀谷次朗氏、岩手大学の岩渕明学長、石川県議会議員、石川県や能登町の関係者など約120名が出席した。
記念式典は、山崎学長と持木町長による式辞で始まり、来賓祝辞、工事経過報告の後、列席者代表と地元園児によるテープカットが行われ、センターの完成を祝った。式典後には、センターの見学やトラフグの仔魚の放流が行われた。
その後会場を移し、北海道大学名誉教授で金沢大学客員教授の山内晧平氏が「水産による地域振興―金沢大学能登海洋水産センターを核として―」と題して記念講演。山内客員教授は全国各地で取り組む水産による地域イノベーションの事例を紹介し、活発な質疑応答があった。
また記念祝賀会では、岩手大学の岩渕学長や石川県議会議員からの祝辞の後、地元の御船太鼓保存会による祝い太鼓と元大相撲力士・能登櫻による相撲甚句が披露され、能登の風土のように和やかな雰囲気の中、大盛況のうちに一連の記念行事が終了した。
(参考:金沢大学公式サイト内関連ページ)
・能登町と「人づくり・海づくり協定」を締結
https://www.kanazawa-u.ac.jp/news/38661
・能登町と連携し、海洋研究拠点の整備へ
https://www.kanazawa-u.ac.jp/news/45211
・金沢大学理工学域能登海洋水産センター設立記念行事を挙行
https://www.kanazawa-u.ac.jp/news/68032
(関連記事)
・金沢大学が能登町と連携し、能登海洋教育研究施設(仮称)を整備 -- 平成30年度に生命理工学類海洋生物資源コース(仮称)を新設予定(2017.03.30)
https://www.u-presscenter.jp/2017/03/post-37112.html
▼本件に関する問い合わせ先
金沢大学 総務部広報室
住所:〒920-1192 石川県金沢市角間町
TEL:076-264-5024
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/