ディジュリドゥの世界的奏者GOMA氏が描く点描画約30点を一堂に。
オーストラリアの先住民族アボリジニの木管楽器<ディジュリドゥ>の奏者として、国内外で演奏活動を行い、高い評価を得てきたミュージシャン、GOMA氏。
GOMA氏は、1973年大阪生まれ。1994年、大学3年20歳のときにディジュリドゥを始め、1998年にはアボリジニの聖地であるアーネムランドのコンテストで、外国人で初めて準優勝。その後、英国にも渡って腕を磨き、4年後に帰国してからはアルバムを10枚以上リリース。1年に200回のライブを行い、ロックの祭典であるフジロックフェステイバルにも出演するなど、ミュージシャンとして順風満帆な人生を歩んでいました。
それが一転したのは、2009年11月26日のこと。渋滞中の首都高速道路で停車していたところ、後方から来た車に追突され、奇跡的に外傷はなく済んだものの、外傷性脳損傷という診断。これにより、2つのことを同時にできない高次脳機能障害を抱え、過去の記憶を思い出せず、新しいことを覚えられなくなり、また左の手足の力も弱くなるという厳しい状態となりました。
事故の影響で、ディジュリドゥの吹き方すらも忘れてしまいましたが、事故から2日後に、愛娘の絵の具を見て描いたのが「点描画」です。記憶が定かでない中、「絵は生きている証」と当初語っていたGOMA氏。事故から1年後には、その点描画を集めた個展を開催し、さらにその1年後の2011年、音楽活動を再開し、7月のフジロックフェステイバルのステージにも復活。2012年に公開された映画「フラッシュバックメモリーズ3D」は東京国際映画祭で観客賞を受賞しました。
2016年には、事故直後から綴り始めた日記をもとにまとめた本『失った記憶 光りはじめた僕の世界』を刊行し、大きな話題を呼びました。その前向きな生き方は、同じ病を抱える人やその家族を励まし、音楽家のほかにもうひとつ、画家として確固たるワールドを築き上げました。現在も記憶障害を抱えながら、音楽活動を精力的に行い、「生きている証」として、点描画を描き続けています。頭に浮かぶ海、山、空、動植物をキャンバスに、優しい色合いで、大胆な構図で描いています。
本展では、GOMA氏の点描画約30点を展観します。
<展観予定の作品(一例)>
『ひかり』(2019年)
『羽衣』(2019年)
『夜に咲いた朝顔』(2011年)
『Water fall』(2019年)
『波のトンネル』(2014年)
『orange room』(2014年)
GOMA氏
■詩画集刊行記念 GOMA展
■2019年7月3日(月)から7月15日(月・祝)まで
■新宿高島屋 10階美術画廊
■連日午前10時から午後8時まで。ただし、金・土曜日は午後8時30分まで。最終日は午後4時閉場。
※入場無料
※お問い合わせ先:新宿高島屋 TEL03-5361-1111(代表)