【主な調査結果】スポーツボランティアの実施率は6.7%で横ばい、 直接スポーツ観戦率31.8%、種目別1位「プロ野球」13.7%
スポーツ・フォー・エブリワンを推進する笹川スポーツ財団(所在地:東京都港区赤坂 理事長:渡邉一利 以下:SSF)では、1992年から隔年で「スポーツライフ に関する調査(スポーツライフ・データ)」を実施しています。全国の18歳以上を調査対象に、
頻度・時間・運動強度からみたSSF独自の指標である「運動・スポーツ実施レベル」をはじめ、スポーツ観戦率やスポーツボランティア実施率、スポーツクラブ加入率、好きなスポーツ選手の推移など、国内のスポーツライフの現状を明らかにしてきました。
本調査の特徴として、調査対象の年齢や生活環境の偏りを防ぐため、全国300地点より年齢別の人口構成比に近似するようサンプルを抽出している点にあります(割当法)。
加えて実際の調査では、調査員が各世帯を訪問し調査票を配布。その後再度訪問し調査票を回収する「訪問留置法による質問紙調査」を、3,000サンプルに達するまで行っております。
このたび最新の報告書となる「スポーツライフ・データ2018」を2019年3月27日に刊行いたします。最新刊のトピックでは「中高年の運動・スポーツ活動の現状」や「2020年オリンピック・パラリンピックの観戦希望率」など複数のテーマを取り上げています。
□「スポーツライフ・データ2018」は3月27日(水)より、Amazonブックストアなどでお買い求めいただけます。
【担当者コメント】
1992年に開始した隔年実施の本調査は、今回の2018年調査で14回目となる。年1回以上の運動・スポーツ実施率は74.0%(前回比:1.6ポイント増)、週1回以上57.9%(前回比:1.9ポイント増)となり、上昇傾向が認められた。特に中高年者における実施率の上昇が顕著であり、全体の実施率を押し上げている。「散歩(ぶらぶら歩き)」「ウォーキング」「体操(軽い体操、ラジオ体操など)」「筋力トレーニング」など、健康志向の高まりから個人でも気軽にできるエクササイズ系の種目の実施率が高い。
今回の調査結果から、非実施者は運動・スポーツへの興味・関心が低く、年数回・月数回程度の低頻度実施者は家族や仲間との活動が運動・スポーツの主な機会となっていると推察された。また、週1回以上の高頻度実施者であっても高い強度の激しい運動・スポーツばかりを実施しているわけではなく、低頻度実施者とさほど変わらない緩やかな運動・スポーツ活動を日常化している点に特徴がみられる。
運動・スポーツがより身近な活動となり、日常化・習慣化につながるよう、個人への啓発活動とともに、地域や職場などのコミュニティを巻き込んだ取り組みの有効性が示唆された。
【笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 副主任研究員 山田大輔】
【主な調査結果】
週1回以上の運動・スポーツ実施率は、1992年の23.7%から漸増を続けていたが、2012年の59.1%を ピークに2016年までわずかに減少傾向へと転じ、定常状態となっていた。今回の2018年調査では再び1.9ポイント上昇し、57.9%となった。
本調査では、週2回以上、実施時間1回30分以上、運動強度「ややきつい以上」という3条件をクリアする高頻度・高強度実施者をアクティブ・スポーツ人口と定義し、その割合を追跡している。今回の2018年調査では20.7%となり、2012年の過去最高値20.0%を更新した。
〔報告書82ページ〕
【図1】 運動・スポーツ実施率の年次推移
注1) 2014年までは20歳以上、2016年以降は18歳以上を調査対象としている。
注2) アクティブスポーツ人口:運動・スポーツ実施レベル4(週2回以上、1回30分以上、運動強度「ややきつい」以上の実施者)
資料:笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査」2018(p.82 【図1-1】)
2)スポーツボランティアの実施率は6.7%で横ばい
過去1年間にスポーツボランティアを行ったことが「ある」と回答した者は全体の6.7%で、前回の2016年調査と同率であった。本調査を開始した1990年代から現在に至るまで6~8%台の範囲を推移している。
〔報告書118ページ〕
【図2】スポーツボランティア実施率の年次推移
注) 2014年までは20歳以上、2016年以降は18歳以上を調査対象としている。
資料:笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査」2018(p.118 【図6-1】)
3)直接スポーツ観戦率31.8%、種目別1位「プロ野球」13.7%
過去1年間にスタジアムや体育館等で直接スポーツを観戦した者は全体の31.8%(前回比:1.1ポイント減)であった。直近10年間の直接スポーツ観戦率は30%台前半で推移している。
種目別の直接スポーツ観戦状況は、1位「プロ野球」13.7%、2位「高校野球」5.8%、3位「Jリーグ(J1、J2、J3)」5.5%、4位「マラソン・駅伝」3.8%、5位「サッカー(高校、大学、JFLなど)」1.9%と続く。
〔報告書110ページ〕
【表1】種目別直接スポーツ観戦状況の推移
注1)2018年の推計観戦人口:18歳以上人口の106,011,547人(2017年1月1日現在の住民基本台帳より)に観戦率を乗じて算出。
注2)2016年の推計観戦人口:18歳以上人口の106,300,916人(2015年1月1日現在の住民基本台帳より)に観戦率を乗じて算出。
資料:笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査」2018
■調査の概要
調査内容: 運動・スポーツ実施、運動・スポーツ施設、スポーツクラブ、スポーツ観戦、
好きなスポーツ選手、スポーツボランティア、生活習慣・健康、
2020年東京オリンピック・パラリンピック 他
調査対象: 全国の市区町村に居住する満18歳以上の男女3,000人(男性:1,491人、女性1,509人)
地点数: 300地点
(大都市88地点、人口10万人以上の市122地点、人口10万人未満の市65地点、町村25地点)
調査時期: 2018年7月6日~8月10日
SSFスポーツライフ調査委員会:
委員長 海老原 修 横浜国立大学 教育学部 教授
委員 大勝 志津穂 愛知東邦大学 経営学部 准教授
委員 澤井 和彦 明治大学 商学部 准教授
委員 鈴木 宏哉 順天堂大学 スポーツ健康科学部 先任准教授
委員 高峰 修 明治大学 政治経済学部 教授
委員 堤 裕美 上田女子短期大学 幼児教育学科 専任講師
委員 野井 真吾 日本体育大学 体育学部 教授
委員 中島 光 笹川スポーツ財団 常務理事
【笹川スポーツ財団とは】
公益財団法人 笹川スポーツ財団は、「スポーツ・フォー・エブリワン」を推進するスポーツ分野専門のシンクタンクです。国、自治体のスポーツ政策に対する提言策定や、スポーツに関する研究調査、データの収集・分析・発信を行い、「誰でも・どこでも・いつまでも」スポーツに親しむことができる社会づくりを目指しています。
■公益財団法人 笹川スポーツ財団について
名称 : 公益財団法人 笹川スポーツ財団
代表者 : 理事長 渡邉 一利
所在地 : 〒107-0052 東京都港区赤坂1-2-2 日本財団ビル3階
設立 : 1991年3月
目的 : スポーツ・フォー・エブリワンの推進
事業内容: ・生涯スポーツ振興のための研究調査
・生涯スポーツ振興のための研究支援
・生涯スポーツ振興機関との連携事業
・生涯スポーツ振興のための広報活動
URL : http://www.ssf.or.jp/
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この件に関するお問合せ先
笹川スポーツ財団 研究調査グループ 藤原・山田・藤岡
TEL:03-6229-5300 data@ssf.or.jp