ヤマハ発動機株式会社は、当社製のゴルフカー等で使用した車載用電池を蓄電池化し、太陽光発電システムを備えたオフグリッドコンテナ※に搭載して、社用電動アシスト自転車のバッテリー充電ステーションとして活用する実証実験を今夏から始めました。持続可能なエコシステム（サーキュラ―エコノミー）構築に向けた取り組みの一環です。
※オフグリッド…電力会社の送電網に繋がっていない、独立した電力システム

温暖化の要因とされているCO2排出量削減のため、「脱炭素化」の模索が世界的な潮流となっており、その手法の一つとして、電池を使った電動化の取り組みが進められています。また、世界的に再生可能エネルギーが拡大傾向にある中、電池の役割に期待が集まっています。一方で、電池の多くは希少資源を使用し、その製造過程で環境負荷が発生するという課題が指摘されていることに加えて、電池性能を最大限使い切れないまま廃棄されることも多い現状があります。

こうした社会環境を踏まえ、当社は、電動商材を製造・販売するだけでなく、電池（バッテリー）のライフサイクル全体を通してその価値を最大限引き出し、資源の無駄を最小限に抑えるバッテリーサーキュラ―エコノミーの構築に取り組んでいます。


本実証では、当社の商材であるゴルフカーで使用した車載用電池が、モビリティ利用には適さない状態になっても蓄電池としては十分な価値がある点に着目しました。

リユース車載用電池2個を蓄電池化し、太陽光発電システムを備えたオフグリッドコンテナを製造している株式会社ダイワテック（本社：東京都港区）の協力の下、リユース電池搭載のコンテナ1棟を作製。2024年8月から本社駐輪場において、社用PAS（電動アシスト自転車）向けバッテリー充電ステーションとしてヤマハ発動機ビズパートナー株式会社と協同で運用しています。

2025年中には、通勤用PASの充電ステーションとしても運用を開始する予定で、ECO通勤の促進も期待されます。「太陽光発電×リユース電池」で、サステナビリティへの相乗効果を生み出し、モビリティで出た中古電池が他のモビリティのために再び活躍する機会を作ります。
　
当社は、リユースバッテリー蓄電システムの事業化も視野に、今後もモビリティに付随するサービスでの活用を中心に電池循環に貢献する仕組み構築の検証を行う計画で、この目的・取り組みに共感する共創先を探索していきます。