「シュローダー・グローバル投資家意識調査2021」 結果を発表

シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社

コロナ禍と世界的な超低金利による資産運用の難しさを背景に、世界の投資家は若年層を中心に高リスク資産への投資を拡大傾向。日本での高リスク志向は限定的。

シュローダー(本社:英国 ロンドン)は、個人投資家の投資動向や投資意識を把握することを目的に「シュローダー・グローバル投資家意識調査2021」を実施し、投資家のリスク志向に関する分析結果を発表しました。本調査は、世界33の国/地域の2万3千人(うち日本1,000人)を超える個人投資家を対象に、オンラインで行いました。

今回の調査では、世界の投資家がリスク資産に目を向けていることがわかりました。世界の投資家のうち37%が、ロックダウン解除後、高リスク資産への投資を増やしたいと回答し、18~37歳の年齢層ではその割合は44%にのぼります。世界的な超低金利により資産運用が難しさを増す中、コロナ禍の不透明感やインフレ懸念などを背景に、多くの投資家がより高いリスクの資産を求めており、若い投資家ではその傾向が強いことが示されました。
一方で、日本の投資家の高リスク志向は全般に限定的で、年齢層とリスク志向の関係は明確でないことがわかりました。

※各調査データの詳細は以下のURLをご参照ください。
https://www.schroders.com/ja-jp/jp/asset-management/insights/global-investor-study/2021-findings/risk-hub/


<調査結果概要>
世界の投資家は若年層ほど高リスク資産への投資を拡大、日本の投資家の高リスク志向は限定的
世界の投資家にロックダウン解除後の投資行動について尋ねたところ、半数近くが「低リスク資産への投資を増やす」(46%)と「貯蓄を増やす」(46%)を挙げた一方で、37%の投資家は「高リスク資産への投資を増やす」と回答、「減らす」の28%を上回りました。高リスク資産への投資を増やす投資家の割合は18~37歳の年齢層では44%にのぼります。(図1)。
日本では、「高リスク資産への投資を増やす」投資家は27%と、「減らす」投資家の34%を下回りました。この割合は、カナダ(24%)、ポルトガル(25%)についで最も低い水準で、最も高い米国(53%)と大きな開きがあります。年齢層別では、「高リスク資産に投資を増やす」投資家の割合は、18~37歳が27%、38~50歳が33%、51-70歳が28%、71歳以上では16%でした。日本ではコロナ後に高リスク資産への投資を志向する投資家の割合は世界に比べて限定的で、年齢層とリスク志向の関係は明確ではありませんでした。

図1:ロックダウン解除後、「高リスク資産への投資を増やす」世界の投資家の割合(年齢層別)

今後5年間の資産運用における予想年率リターンの回答を年齢層別に比較すると、世界の投資家のうち18~37歳と38~50歳の年齢層の半数以上が10%を超えるリターンを予想していることがわかります。(図2)日本の投資家でも18~37歳の42%、38~50歳の37%、51~70歳の32%、71歳以上の27%が、10%を超えるリターンを予想しました。

図2:今後5年間の資産運用における予想年率リターン(年齢層別)


インターネット/ハイテク関連の株式・ファンドが人気
過去1年間に投資を行った資産について尋ねたところ、すべての年齢層を通じて「インターネット/ハイテク関連の株式・ファンド」への投資を行った投資家の割合が最も高く、他の資産と比較して群を抜く結果となりました。また、若年層の投資家は、どの資産に対しても約半数が投資を行ったと回答しており、若年層の投資家はリスクの高い資産に投資を行っている一方で、投資先を分散している可能性があることが示されました。(図3)
日本の投資家の間でもインターネット/ハイテク関連の株式・ファンドの人気は高く、過去1年間に投資を行った投資家の割合は、すべての年齢層で他の資産を上回りました(18~37歳:46%、38~50歳:44%、51~70歳:50%、71歳以上:39%)。

図3:過去1年間に投資を行った資産(複数回答可、世界、年齢層別)


初めて高リスク資産に投資を行った投資家も
高いリターンを求め、新たにリスクの高い資産への投資を始めた投資家もみられました。世界の投資家に過去1年間に初めて投資を行った資産を尋ねたところ、割合が多かったのは、「電気自動車関連の株式・ファンド」(24%)、「バイオテクノロジー/製薬関連の株式・ファンド」(23%)、「インターネット/ハイテク関連の株式・ファンド」と「仮想通貨」(22%)となりました。(図4)

図4:過去1年間で初めて投資を行った投資家の割合(世界)


超低金利が高リスク資産への投資を促す
超低金利環境における行動に関して尋ねたところ、世界の投資家のうち53%が「高い投資成果を求めて高リスクの投資を行う」と回答しました。また、3分の1の投資家(33%)が「仮想通貨に投資する」と回答しました。(図5)投資家が高リスクの資産に向かうのは、超低金利によってリターンを得るのが難しいことが背景の一つにあります。

図5:超低金利局面(ゼロまたはマイナス金利)においてどのような行動をとるか(世界、複数回答可)

日本では、「高い投資成果を求めて高リスクの投資を行う」投資家が51%と世界と同様、最も高い割合でした。一方で「仮想通貨に投資する」投資家の割合は14%と、世界の投資家の半分以下の割合となりました。この割合は、調査対象国の中で最も低く、カナダ(16%)、スウェーデン(19%)がそれに続きました。最も割合が高かったのは、南アフリカ(53%)、タイ(53%)、アルゼンチン(52%)、インドネシア(50%)、ブラジル(45%)で、新興国の割合が高い傾向が見られました。


シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社 代表取締役社長 黒瀬憲昭のコメント:
「今回の調査で、世界では若年層の投資家を中心により高いリターンを求めてリスクの高い投資を行う傾向がある一方で、日本の投資家は世界と比較してリスクに慎重であることが確認されました。これは私たちが一般に持つイメージとも一致します。」
「日本でもすべての年齢層で3~4割程度の投資家が今後5年間の資産運用における予想年率リターンを10%超と回答していますが、世界的な低金利環境においては高い期待値であるといえるでしょう。」
「不安定な市場環境においては、短期的に大きなリターンを得られる機会もありますが、リスクの高い資産への投資においては、大きな損失を被る可能性も念頭に置く必要があります。短期的な投資成果にとらわれすぎず、長期的な目標や計画に基づく投資が重要です。」
「今回の調査において、世界の投資家のうち63%が、投資成果は心の健康状態に影響すると回答しています。投資においてどの程度のリスクをとることが適切かは、一人ひとり異なります。投資資産に対する理解を深めるとともに、リスクの性質が異なる資産を組み合わせた分散投資や積み立て投資による時間分散などを活用し、リスクを適切に管理しながら投資を行っていただきたいと考えています。」


【調査の概要】
世界33の国/地域の2万3,950人(うち日本1,000人)の個人投資家を対象とした独自のオンライン調査。調査期間は、32の国/地域では2021年3月16日~5月7日、マレーシアは2021年7月5日から8月2日。今後12カ月で1万ユーロ(またはそれに相当する額)以上を投資する予定があり、過去10年間に何らかの投資行動をとった方を「投資家」と定義。


以上


■シュローダー・グループのESGの取組み
「質の高いコーポレートガバナンス体制を確立し、本業を通じて、環境や社会の変化および課題解決に対応する企業は、長期的に企業価値の向上と持続的成長が期待できる」という考えのもと、シュローダーは20年以上、ESGの要素を取り込んだ運用を実践しています。
ESGの観点を加味した運用を通じて、社会や環境にインパクトを与える真の企業価値向上を促すと同時に、社会や経済全体の利益となり、投資収益の拡大にも繋がることを目指しています。


■シュローダー・グループの概要
シュローダー・グループは、資産運用サービスを通じてよりよい未来への貢献を目指す、英国屈指の独立系資産運用グループです。ロンドン証券取引所に上場しています。1804年の創業以来200年以上にわたり、年金基金から機関投資家、個人投資家まで、世界の投資家に、長期的な視点に立ち幅広い投資ソリューションを提供しています。現在、運用資産総額は約107兆円*に上ります。
日本とのかかわりは古く、1870年(明治3年)、日本初の鉄道敷設のために日本政府が初めて発行した国債の主幹事を、シュローダーが務めたことにさかのぼります。1974年には東京事務所を開設し、日本における事業の本格的な第一歩を踏み出しました。幅広い資産運用サービスを提供する現在も日本株式運用を事業の中核の一つに据え、約150年前と同様、日本の未来への投資を通じて歴史を紡いでいます。
※2021年6月末現在。*7,004億英ポンド、1英ポンド=153.32円換算。
※本資料におけるシュローダー・グループとは、シュローダーplcを直接もしくは間接的に親会社とする会社などを言います。

 

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