奥多摩の花々を、博物標本画技法で細密画に。 「奥多摩 石尾根」水彩画 田嶋 徹
・会 場:日本橋高島屋S.C. 本館6 階 美術画廊Ⅹ
ダリア(420×594mm、紙に水彩、2019)
高校を卒業後やることがない時期にたまたま雑誌宝島に掲載されていた美学校の広告を見て入学を決意した田嶋徹氏。当時、絵を描きたいとか、何かを表現するという事は考えたこともなく、表現という行為自体より職人的技術を身につけたかった田嶋氏は、細密画教場に入学しました。実際想像以上に根気のいる作業に描いた時間と労力がそのまま、ただ行為全てがそこに現れるところに細密画の魅力を感じると言います。
今展では、奥多摩を登山して見つけた花々を中心に、博物標本画の技法を基に独自の細密水彩画法で描く作品を展観。描き始めてから、モチーフの細部にいたるまですべてが見えているわけではなく、描いていく過程でその都度見えている形や色の関係を、破錠が起きないように慎重に重ねていく事で、今まで見えてい たものの中にさらに細かいディテールが見え、それを描くことが出来るようになると言う田嶋徹氏。目に見えるものを見尽くしたその先には、見えないものが描かれる世界が広がると確信している作家の新作、花や苔などの静物画約15点を展観いたします。
※美学校・・・美学校(びがっこう 美學校)とは、1969年(昭和44年)2月、現代思潮社(出版社)の川仁宏らによって創立された東京神田神保町にある美術・芸術の専門校。ロゴデザインは赤瀬川原平氏。
■略歴:田嶋 徹 Tajima Toru
1969年 東京都生まれ
1988年 美学校細密画教場修了
【お問い合わせ】日本橋高島屋S.C.本館 TEL 03-3211-4111(代表)