明治時代に新しい世界をひらいた事業を美術品や資料を展示。 高島屋史料館リニューアルオープン記念展 第1弾 「世界をひらく」
「世界をひらく」
〔第I部〕海を渡った美術染織品
〔第II部〕室内装飾からインテリア事業へ
■会 期 : 2020年1月20日(月)~4月5日(日)
〔第I部〕1月20日(月)~2月24日(月・休)
〔第II部〕2月29日(土)~4月5日(日)
■会 場 : 高島屋史料館(大阪市浪速区 高島屋東別館3階)
■開館時間 : 午前10時~午後5時(入館は閉館30分前まで)
※2月7日(金)、3月27日(金)は午後8時まで開館
■休館日 : 火・水曜日 ※1月21日(火)22日(水)は開館
■入場料 : 無料
高島屋史料館は2020年1月20日(月)~4月5日(日)まで、高島屋史料館リニューアルオープン記念展の第1弾として「世界をひらく」を開催いたします。
1831(天保2)年、幕末の京都で小さな古着木綿商として創業した高島屋は、明治という新しい時代を迎えたとき、時代を先取るふたつの新事業に乗り出すことで大きく成長しました。ひとつは、京都の染織や刺繍の技術を駆使した室内調度品を製作し、海外へ輸出した貿易事業。もうひとつは、1878(明治11)年の段通店開店を契機として、皇居造営にあたり装飾織物御用をつとめるまでになった装飾事業です。
本展では明治時代、新しい世界をひらいたそのふたつの新事業について、2部構成で約70点の美術品や資料を展示し、ご紹介いたします。
高島屋タグ付輸出用キモノ 明治時代
(京都服飾文化財団蔵) (第I部、第II部展示)
〔第I部〕 海を渡った美術染織品 会期:1月20日(月)~2月24日(月・休)
1876(明治9)年、初めての外国人客を迎えたことがきっかけで、高島屋二代当主飯田新七は呉服商のかたわら、外国との取引を始めます。以来、外国人向けの商品として美術染織品の製作を手がけるようになりました。その跡を継いだ三代・四代新七によって、美術染織品はますますその技術を高め、数多くの国内外の博覧会に出品するとともに、貿易事業を拡大します。
<世界三景 雪月花>
高島屋は明治時代、世界各国で開催される万国博覧会などに美術染織品を出品します。下絵を京都画壇の画家たちに依頼し製作したビロード友禅や刺繍製品などは、美術的、工芸的価値が評価され、数々の賞を受賞しました。1910(明治43)年の日英博覧会に出品した竹内栖鳳らが原画を手がけた巨大なビロード友禅壁掛<世界三景 雪月花>は高い評価を受けました。
このたび、約2年間の歳月をかけて修復した<世界三景 雪月花>(原画)を、修復完成記念として、初披露いたします。
<ロッキーの雪>山元春挙
原画 1905(明治38)年 (第I部展示)
<ベニスの月>竹内栖鳳
原画 1904(明治37)年 (第I部展示)
<吉野の桜>都路華香
原画 1903(明治36)年 (第I部展示)
【修復記念イベント】
■特別講演会「絵画修復の技術と素材」について―世界三景の修復を中心に―」
日時:2月8日(土)午後2時~午後3時30分
講師:宇佐美直治氏(修復師、(株)宇佐美修徳堂代表取締役)
定員:30名(先着順) ※参加無料、高島屋史料館ホームページで申込み
■修復映像公開「永遠に咲く―<吉野の桜>」
2年間に及んだ修復に密着したドキュメンタリー映像を公開いたします。(約20分)
■修復道具特別出陳
刷毛や刀など修復に用いる道具を展示いたします。
〔第II部〕 室内装飾からインテリア事業へ 会期:2月29日(土)~4月5日(日)
明治以降、日本人の生活様式が大きく変化していきます。高島屋は、生活様式の洋風化を見すえ、1878(明治11)年、京都に段通店(敷物の店)を開店。装飾織物の製造販売をはじめます。1887(明治20)年、宮内省から皇居の窓掛など織物御用を拝命し、1897(明治30)年には「宮内省御用達」の指定を受けました。
高島屋は美術染織品製作で培った経験を活かし、明治時代末期より数々の美術緞帳を調製しました。大阪・帝国座、東京の歌舞伎座や大阪歌舞伎座(のちに新歌舞伎座)などの緞帳を次々に手がけ、現代に至っています。
<堺段通蟹牡丹文(摺込)>
明治時代 個人蔵(第II部展示)
<明治宮殿柱隠試織>
明治時代(第I部、第II部展示)
<迎賓館赤阪離宮「花鳥の間」のものと同型の椅子>
1974(昭和49)年(第I部、第II部展示)
【企画展関連イベント】
■講演会 いずれも定員:30名(先着順) ※参加無料、高島屋史料館ホームページで申込み
・「高島屋 明治期の輸出染織品について」
日時:2月1日(土)午後2時~午後3時30分
講師:廣田孝氏(京都女子大学名誉教授)
・「人が主役のインテリア・陸と船舶」
日時:3月1日(日)午後2時~午後3時30分
講師:舘野羊一氏(インテリアプランナー、元高島屋装飾事業本部設計部室長)
■学芸員によるギャラリートーク
会期中の第2・第4土曜日午後1時~(約30分)
問合せ : 高島屋史料館 06-6632-9102