現代の仏師が問う、現代の仏像とは? ひとつの答え、ここにあり! 加藤巍山展 -示現-
・会 場:日本橋高島屋S.C 本館6階美術画廊X
「示現・序」W33×D30×H84.5㎝・樟
このたび日本橋高島屋S.C.本館 美術画廊Xでは、「加藤巍山展 ―示現―」を開催いたします。
加藤巍山氏は1968年東京都両国に生まれ、幼少期の原初的体験により日本文化・歴史に興味を持つ様になったいと言います。
木の声を聴き、加藤巍山としての気配を消し、木が本来成るべき姿(仏像)に掘り出していくという仏師としての役割を追求していく加藤氏。一方今展では、仏師として業を積み、自らを自光雲五代と名乗る事で自身を厳しく律することで、仏像の制約をはなれ、作為に溺れず普遍の美を追求し、希求する、極限まで研ぎ澄まされた精神の中で生まれた創作シリーズを展観いたします。
五行思想(五行相生・五行相剋)において「木は燃えて火となり、木は土を押しのけ成長する」と考えられます。
生命活動そのものが彫刻と語る加藤巍山氏が、魂を燃やし表出させた言霊をどうぞご高覧ください。
※「示現」・・・神仏が霊験を示し現すこと。また、その霊験。神仏のお告げ。「奇跡が示現する」仏・菩薩(ぼさつ)が衆生を救うために種々の姿に身を変えてこの世に出現すること。
尊厳と普遍
国も、民族も、文化も、芸術も、宗教も
分断され、体系化され、言語化され、数値化され、合理化され、消費
され、その役割を終える
顕微鏡の中から宇宙に至る生命活動は、
混沌し、誕生し、増殖し、膨張し、循環し、縮小し、
その螺旋の中で他と違わずに消滅する
一鑿、一鑿、私は魂を刻む
零れ落ちた人間の尊厳を掬い上げ、彫刻に閉じ込める
彫刻は記憶し、その魂は永遠に振動し続ける
人間の野生と、歴史と、衝動と、慟哭と、祈りとを携えて、
私は近代への呪術師となる
私は夢想する。
文明が滅び、再び発見されることを。
自光雲五代 加藤巍山
「誰が為」W18×D15×H25㎝・樟
<イベント>加藤巍山氏×金巻芳俊氏(彫刻家)クロストーク
・日時:11月30日(土)午後3時より
<主な経歴>
・寺院へ納める仏像を謹刻
・2008年~ 高島屋(東京日本橋/横浜/大阪/京都/JR名古屋)
・2016年 「白隠展」(東北歴史博物館)に於いて『白隠像』出展
・2017~ 2019年「驚異の超絶技巧!展」三井記念美術館(東京)/岐阜県現代陶芸美術館(岐阜)/山口県立美術館(山口)/富山県水墨美術館(富山)/あべのハルカス美術館(大阪)
・2018年 アートフェア東京(古美術鐘ケ江より)
その他・<縁>仏像奉納プロジェクト(仏師・三浦耀山氏とともに東日本大震災の被災地へ祈りと鎮魂の仏像を奉納する活動)
【お問い合わせ】日本橋高島屋S.C.本館 TEL 03-3211-4111(代表)