東京パラリンピック開催まで、あと500日 障害者スポーツ団体は、大会後を見据えた戦略的な組織基盤の強化を

公益財団法人 笹川スポーツ財団

『障害者スポーツ競技団体の実態調査』調査結果
(公益財団法人ヤマハ発動機スポーツ振興財団 調査)

公益財団法人笹川スポーツ財団(SSF)はスポーツに関するさまざまな調査を実施するとともに、外部機関と協力・連携し、スポーツの振興に取り組んでいます。当財団の小淵和也主任研究員がプロジェクトメンバーとして担当した、ヤマハ発動機スポーツ振興財団(YMFS)による「障害者スポーツ競技団体の実態調査」の結果をご案内します。(本調査は2018年12月に発表済み)

本調査は障害者スポーツ競技団体(パラリンピック競技団体“夏季・冬季”とパラリンピック競技以外の団体)を対象にアンケートを行い、併せて53団体(パラリンピック競技団体:27“夏季24団体、冬季3団体”、パラリンピック競技以外の団体:26)から回答を得ました。

 
【ポイント】
■日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)内に事務局ある「パラ団体」は17団体。パラサポ利用後の主な効果は「業務効率化」、「情報量増加」、「他の競技団体との連携・交流」など。

■2021年4月以降の団体運営について、「パラ団体」は事業縮小・人員削減、「非パラ団体」は事業拡大・人員増員を検討している。


----------------------------------------------------------------------------------------------

【担当者コメント】
本調査ではパラサポの設立効果をたずねている。その効果について、業務効率化、情報量増加、他の競技団体との連携・交流を挙げる団体が多く、発足当初の目的が実を結んでいることが再認識できた。
一方で、設立当初から、日本財団パラアリーナの建設も含めて、パラ団体の“自走”を支援してきたが、調査結果はその難しさを物語っている。

大会開催まであと500日となった。パラサポの支援終了がパラ団体の活動低下となる事態は避けなくてはならず、大会後の組織運営について、競技団体が現行の支援内容を精査したうえで、一般スポーツ団体との連携、日本パラリンピック委員会(JPC)が牽引役となった共同運営に向けた仕組みの構築やガイドラインの策定、障害のない人を対象にした楽しめるスポーツとして障害者スポーツの普及など、戦略的な組織基盤強化策を模索するための、きっかけとなる“500日”にしてもらいたい。
 
【笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 主任研究員 小淵和也】

【主な調査結果】

(1)2021 年 4 月以降の団体運営について
事業の進め方
障害者スポーツ競技団体の 2021 年 4 月以降の事業の進め方についてみると、「縮小」 (17 団体)が最も多く、ついで「現状維持」(15 団体)、「拡大」(14 団体)だった。「拡大」と回答したのは全てパラリンピック競技以外の団体だった。(図表1)


(図表1)障害者スポーツ競技団体の 2021 年 4 月以降の団体運営(事業の進め方)(N=49)


人員配置
 障害者スポーツ競技団体の 2021 年 4 月以降の人員配置についてみると、「現状維持」(18 団体)が最も多く、ついで「削減」(13 団体)、「増員」(11 団体)だった。「削減」と回答したのは全てパラリンピック競技団体だった一方で、「増員」と回答したのは全てパラリンピック競技以外の団体だった。(図表2)


(図表2)障害者スポーツ競技団体の 2021 年 4 月以降の団体運営(人員配置)(N=48)


(2)日本財団パラリンピックサポートセンター利用後の効果(自由記述) 
パラリンピック競技団体の日本財団パラリンピックサポートセンター利用後の効果についてみると、「業務効率化」「情報量増加」「他の競技団体との連携・交流」が 6 団体と最も多かった。(図表 3)


(図表3)障害者スポーツ競技団体の日本財団パラリンピックサポートセンター利用後の効果(N=18)

 
【調査の概要】
調査目主体:ヤマハ発動機スポーツ振興財団
調査内容:・組織の形態と事務局機能
     ・組織の構成と運営
     ・実施事業
調査対象:障害者スポーツ競技団体 53 団体
     (内訳)
     パラリンピック競技団体27 団体(夏季競技団体 24、冬季競技団体 3)
     パラリンピック競技以外の団体26 団体
調査期間:2017 年 11 月~2018 年 8 月
調査方法:アンケート調査
 

【笹川スポーツ財団とは】

公益財団法人 笹川スポーツ財団は、「スポーツ・フォー・エブリワン」を推進するスポーツ分野専門のシンクタンクです。国、自治体のスポーツ政策に対する提言策定や、スポーツに関する研究調査、データの収集・分析・発信を行い、「誰でも・どこでも・いつまでも」スポーツに親しむことができる社会づくりを目指しています。

■公益財団法人 笹川スポーツ財団について

名称  : 公益財団法人 笹川スポーツ財団
代表者 : 理事長 渡邉 一利
所在地 : 〒107-0052 東京都港区赤坂1-2-2 日本財団ビル3階
設立  : 1991年3月
目的  : スポーツ・フォー・エブリワンの推進
事業内容: ・生涯スポーツ振興のための研究調査
      ・生涯スポーツ振興のための研究支援
      ・生涯スポーツ振興機関との連携事業
      ・生涯スポーツ振興のための広報活動
URL   : http://www.ssf.or.jp/

その他のリリース

話題のリリース

機能と特徴

お知らせ