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長良隕石の発見に関する報道を受け、隕石に関する市民の関心が高まり、岐阜市科学館の展示を見学する市民が多い。
長良隕石の発見地の近くで見つかった鉄隕石(9.7kg)が、岐阜市科学館を通じて、岐阜聖徳学園大学・川上紳一教授の研究室に持ち込まれた。
表面の特徴が長良隕石とそっくりであり、長良隕石と同時に落下したものである可能性がある。長良隕石と同様に、関係機関の研究者が連携して研究を進める。
岐阜市長良周辺では、長良隕石と同時に落下した鉄隕石がもっと見つかる可能性が高い。
発見の経緯
2018年3月22日に、岐阜市科学館で展示されている長良隕石を見学した岐阜市民が、同じような隕石様物体(重さ9.7kg)をみつけていると岐阜市科学館に情報を寄せた。岐阜聖徳学園大学・川上紳一教授と、岐阜市科学館小森龍二館長が、現物を確認し、表面の特徴などから、長良隕石と同じ時に落下したものである可能性が高いと判断された。
発見者によると、この物体は、10年ぐらい前に、長良隕石の発見地の近くで作業中に見つけたもので、そのまま近くの資材置き場に放置していたという。長良隕石の発見に関する報道を見て、その物体のことを思い出し、長良隕石と似ていると思ったので、資材置き場で所在を確認したところ、見つかった。発見者の記憶では、複数個あったという。
今回発見された鉄隕石は、レプリカ作製のための型をとったあと、前回と同様に、東京大学の三河内岳准教授に送り、国立極地研究所などと連携して化学分析を行い、長良隕石の分析データと比較する。データが一致すれば、「長良隕石(2号)」となる。
岐阜市長良周辺では、今後も同じ時に落下した鉄隕石が見つかる可能性が高い。
また、その後、目撃情報も寄せられた。
2018年4月2日に、岐阜県内に住む90歳の女性から電話があり、昭和19年秋に岐阜市長良上空に火球が出現したという目撃情報が寄せられた。
この女性は当時16歳で、家族とともに長良隕石の発見場所に近い岐阜市長良新屋敷に住んでいた。夕刻に長良橋の上空から岐阜市雄総に向かって大きさ50センチぐらいの火の玉が飛んできた。たらいにお湯をためて足を洗っているときに、家族で目撃したが、現在当時の状況を知っているのは自分だけだという。昭和19年に兄がテニアンで戦死したという知らせがあったすぐの出来事であり、10月下旬か11月上旬のことだったと記憶している。母が死んだ兄の魂が帰ってきたものだといって手を合わせたので、落下時期の状況はよく覚えているという。
この女性は、2個目の長良隕石の発見のニュースをみて、当時の目撃が長良隕石の発見と関係しているのではないかと思い、川上教授に電話した。
岐阜市長良では、これまでに2個の隕石が発見されているが、川上教授によると、その発見場所は長良橋と岐阜市長良雄総を結ぶ線上であり、この女性の目撃情報とぴたりと符合する。そうだとすれば、長良隕石の落下は74年前の出来事であり、坂内隕石の落下とは独立であることになる。また、まだ隕石があるとすれば、長良橋から雄総にかけてのエリアで見つかる可能性が高い。
川上 紳一教授のホームページで「長良隕石」を解説している。
・岐阜聖徳学園大学教育学部 地学・川上研究室
http://www.ha.shotoku.ac.jp/~kawa/index.html
【問い合わせ先】
岐阜聖徳学園大学
〈研究に関すること〉
川上 紳一 (TEL:058-279-6786/E-mail:kawa@gifu.shotoku.ac.jp)
〈報道担当〉
広報課 (TEL:058-279-6419/E-mail:koho@shotoku.ac.jp)
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/