新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、遠隔授業が中心の学びになっています。本学では6月1日より学生の構内への立入を一部許可しましたが、実習、演習系以外の講義は遠隔授業が続いています。1年生は入学式もできず、オリエンテーションもない、自分が受ける講義をする先生と対面することもなく、また、自分のクラスの仲間と顔を合わせることなく、大学生活をスタートしています。遠隔授業が続く中、キャンパスに来ることがないまま不安をかかえる新入生の気持ちに寄り添い、縦のつながりをつくろうと、本学外国語学部では、学生が主体となり「オンライン座談会」を始めました。
企画運営は、学部が公認するStudent Assistant(SA)のメンバーら約25人です。毎週定期的に「オンライン座談会」を呼びかけています。上級生から「こんな時だからこそ、コミュニケーションを大切にしよう」との呼びかけに、新入生はこれまで数十人が参加しました。
新入生たちは「大学に入学しても友達ができない状況だったので、先輩たちを知ることができてうれしい」「先生に聞くほどでもない小さな質問も気楽に聞ける。先輩だからこそ聞きやすいこともある」「リアルでも知り合えないない人と知り合うことができる」などど感想を寄せています。
実際の座談会は、Google Meet(テレビ会議システム)を使い、カメラ、マイクを接続し、約90分の間に勉強のコツや就活の様子などについて新入生の質問にSAが答えます。新入生にはとても好評です。
※SA(Stuent Assistant)について
選ばれた学生が後輩学生の学習を支援する制度です。選抜基準は、TOEIC高得点者または海外留学の体験者です。SAの学生は体験談を語り、下級生の相談にのります。学生同士の学習支援という同様の制度は全国でもSAのほか、チューター制などさまざまな呼称で広がりつつありますが、通常は授業に関わる教員の補佐役です。それに対して本学では、学生が主体となったコミュニティとして制度化していることに特徴があり、同様の事例は珍しいと思われます。
担当教員の宮原淳専任講師(専門:メディア学)は「遠隔授業は、学習の遅れを生むようなピンチではなく、新しい大学教育のチャンスととらえています。これを機に、いつでもどこでも誰でも、学生が主体的に学習をするための環境がますます強化されていく事例だと思っています」と話しています。
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