神奈川工科大学が「光る色素で3Dプリンタでの造形物内に情報を埋め込む新技術」を開発



神奈川工科大学(神奈川県厚木市 学長:小宮一三)とDIC株式会社は、近赤外蛍光色素を用いて3Dプリンタ造形物内に情報を埋めこむ新技術の開発に成功した。これにより、3Dプリンタ造形物の高付加価値化が可能となり、3Dプリンタの新たな応用・活用が期待できる。




1.開発の背景
 ICチップや無線タグをモノの中に埋め込み、そこに蓄えられた情報をネットを介して読み出して利用するユビキタス技術は、すでに我々の生活や仕事において不可欠なものとなっている。特に最近は、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)などの新しい技術の登場により、その重要性は一層高まっている。
 一方、3Dプリンタが一般家庭にまで普及すると、消費者はネットを介して商品の設計データを購入し、これを3Dプリンタに入力するだけで自宅で簡単に商品を製造できるようになる。このため、将来、製造業や物流は大きく様変わりすると言われている。
 3Dプリンタで製造されるモノの中にも情報を埋め込むことができれば、IoTでの利用が可能となり、その活用範囲は一気に広がる。しかし、ICチップなどの埋め込む部品は、現状では本体と別部品としての製造となり、工程数やコストの増加を伴う。そのため、製造技術を持たなくても誰もがモノを作れるという3Dプリンタ利用の特長が失われている。

2.開発した技術の概要
 このたび神奈川工科大学とDIC株式会社によって開発された技術では、3Dプリンタがモノを製造するとき、同時にその内部に情報を表すパタンも成形するため、余分な工程や部品を必要とせず一般ユーザーでも利用可能となる。
 本技術で使用する3Dプリンタは、樹脂系の2種類の材料を同時に使用できる2ヘッドを備えたもので、一方のヘッドから本体を造形する材料を噴出し、もう一方のヘッドで情報を表すための内部パタンを形成する材料を噴出する。
 3Dプリンタでは、設計図に相当する3DCADデータに従って自動的にモノが製造されるので、内部パタンの形状も3DCADデータに含まれていれば、1回の製造プロセスのなかで内部パタンも同時に形成され、情報埋め込みのための余分な工程や部品を必要としない。
 本技術の特徴は、情報を表現する内部パタンを、近赤外蛍光色素(DIC開発)を含有させた樹脂材料で形成する点にある(図1)。
 この蛍光色素は、特定の波長λAの近赤外線を照射すると、これとは異なる波長λBの近赤外光を発光する。近赤外線は樹脂系材料を透過するので、光を発する内部パタン像を外部で明るい像として撮像できる。また、パタンが発する光と光源の光は波長が異なるので、フィルタを使い光源光をカットしてパタンから出た光のみを撮像することで、ノイズのないパタン像が得られる(図2)。また、直接文字を表現するパタンや、QRコードのように符号化されたパタンも可能である。

3.開発の意義、波及効果
 情報を埋め込むことによって3Dプリンタの製造物を高付加価値化でき、かつIoTにおける「モノ(Things)」として利用が可能となり、3Dプリンタによるモノづくりと活用の可能性を一層高めると予想している。



▼本件に関する問い合わせ先
神奈川工科大学 工学教育研究推進機構
TEL:046-291-3299
メール:ito.haruhisa@cco.kanagawa-it.ac.jp


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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