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日本人に最も身近な縁起物のひとつである「招き猫」。
商店のショーウインドーやスーパーのレジ、会社の受付、個人宅の玄関まで、座っている猫の人形を誰もが自然と「招き猫」と呼び、暮らしに寄り添う日本文化のひとつとして受け入れています。
しかし、その歴史、色や形の意味などはあまり知られていません。「招き猫」には、「いつから?」「誰が作り始めた?」「色や形の違いの意味は?」など様々な「なぜ?」が隠されています。
京都高島屋で2016年12月26日(月)まで開催中の本展覧会では、さまざまな時代・地域・素材の招き猫のコレクションから、著名アーティストが「招き猫」をモチーフに制作した作品まで計約350点を展観。
「招き猫」の歴史、日本文化との関わりの紹介などを交えながら、その魅力を一堂に紹介いたします。京都・檀王法林寺(だんのうほうりんじ)の「主夜神尊の御使い猫」も必見です。
■展示構成
○第一章:招き猫の歴史
○第二章:全国の招き猫
○第三章:神社、仏閣に伝わる招き猫
○第四章:招き猫コレクション
○第五章:「招き猫」ART
○第六章:「招き猫」ふくもの市
■各章の概要
○第一章:招き猫の歴史
招き猫が現在のような「手を挙げた猫の座像」として造形され、福をもたらす縁起物として知られるようになったのはいつ頃のことなのか、その起源ははっきりとはわかっていません。現時点の文献などで確認できるのは、江戸時代に、江戸浅草あたりで生まれ、主に庶民の間で流行したらしいというおおまかなことです。
江戸、明治、大正、昭和、平成の5つの時代にわたり人々に福を招いてきたその歴史を、年表や各地に伝わる伝説の紹介などを通してご紹介します。
○第二章:全国の招き猫
この章では、招き猫の産地として知られる、瀬戸、常滑、多治見で作られた招き猫、絢爛豪華な九谷焼の招き猫、そして、全国各地で作られた郷土玩具の招き猫などをご紹介します。
明治中期に愛知県瀬戸で、磁器製の招き猫が登場しました。日本初の招き猫の工業生産です。そして、戦後、昭和20年代に、現代のわたしたちが招き猫といわれてイメージする、二頭身、ふっくらまるっこい安定感のある体つき、大きく見開いた目をして小判を抱えた招き猫が、愛知県常滑市を主産地として作られるようになり、高度経済成長とともに全国に進出していきました。通称「常滑系」と呼ばれる招き猫です。
また、石川県の九谷焼の産地では、海外向け輸出工芸品として、威厳のある大人顔、華やかな前垂れ、絢爛豪華な「盛」文様が特徴的な招き猫が盛んに作られました。
そのほか、江戸の今戸焼(いまどやき)、広島の常石張り子(つねいしはりこ)をはじめ、日本全国で、土、紙、木などその土地の素材をいかして作られている郷土玩具の招き猫もご紹介します。
○第三章:神社、仏閣に伝わる招き猫
京都の檀王法林寺や大阪の住吉大社、東京の豪徳寺や今戸神社など、招き猫伝説があったり、特別な招き猫を授与したりする寺社があります。
この章では、そのような、神社、仏閣に伝わる招き猫をご紹介します。
【京都 檀王法林寺「主夜神尊の御使い猫」について】
京都・三条大橋近くの「檀王法林寺」(だんのうほうりんじ)。地元では「だんのうさん」と親しまれています。檀王法林寺では、「恐怖諸難を取り除き、衆生を救護し、光を以って諸法を照らし、悟りの道を開かせる」と説かれる神様、主夜神尊(しゅやじんそん)を祀っています。
その主夜神尊の御使いが黒い猫で、江戸時代中頃より主夜神尊の銘を刻んだ招福猫が作られ、授与されていたと伝わっています。右手を挙げた黒い招き猫で、「当時は右手挙げの猫は他で作ることを禁じられていた」と文献にもあります。
現在は毎年12月の第1土曜日(2016年は、12月3日)に「招福猫・主夜神大祭」が開かれ、秘仏である主夜神像が御開帳されます。
招き猫の授与は何度か途絶えていましたが、近年、日本招猫倶楽部からの働きかけもあって復活しました。本展覧会では、「日本招猫倶楽部・招き猫ミュージアム」が所蔵する「「主夜神尊の御使い猫」(制作年不明)を展示いたします。
檀王法林寺 住所:京都市左京区川端通三条上る法林寺門前町36
○第四章:招き猫コレクション
日本最大の「日本招猫倶楽部・招き猫ミュージアム」(愛知県瀬戸市)が所蔵する、多種多彩、貴重な招き猫コレクションを展観いたします。
○第五章:「招き猫」ART
招き猫は、現代のアーティストが作品のモチーフにもしています。様々な新しい創作招き猫をご覧いただきます。
○第六章:「招き猫」ふくもの市
瀬戸、常滑、九谷など代表的な産地の伝統的な招き猫から、人気アーティストの一点もの作品、お手軽な招福グッズなまで、福が勢揃いします。
■「招き猫博覧会」開催概要
会期:2016年12月15日(木)~12月26日(月)
会場:京都高島屋7階グランドホール(京都市下京区)
入場時間:午前10時~午後7時30分(午後8時閉場)
※最終日は午後4時30分まで(午後5時閉場)
入場料:一般税込800円、大学・高校生税込600円、中学生以下無料
主催:京都新聞 / 協力:「招き猫ミュージアム」 / 監修:日本招猫倶楽部
【高島屋「招き猫博覧会」特設サイト】
http://www.takashimaya.co.jp/store/special/event/manekineko.html
【京都高島屋ホームページ】
http://www.takashimaya.co.jp/kyoto/
【お問い合わせ】
京都高島屋
京都市下京区四条通河原町西入真町52
TEL:(075) 221-8811(代)