SAS最新調査:金融機関が生成AIに大規模投資、成果を出す企業も
データとAIのリーディング・カンパニーである米国SAS Institute Inc.(以下、SAS)は、銀行業における生成AI( https://www.sas.com/en/whitepapers/your-journey-to-the-genai-future-114042.html )の利用状況に関する最新調査レポートを発表しました。調査結果によると、金融業での生成AIの導入が他業種よりも進んでいることが明らかになりました。最近の調査では、大手銀行の17%が、日常の業務プロセスに生成AIを完全に取り込んでおり、さらに5社中3社では現在、何らかの形で生成AIを活用しています。それ以外のほとんどの銀行でも、近々導入する計画があるようです。データのプライバシー保護やセキュリティ上の懸念などの課題は残されていますが、銀行がすでに業務全体で生成AIの効果を実感していることも確認できました。
「生成AIの未来への歩み:銀行業における成功への戦略的道筋(Your journey to a GenAI future: A strategic path to success in banking)」は、SASとColeman Parkes Researchが実施した、世界的かつ業界横断的な調査に基づくレポートです。調査対象となった世界20か国1,600人のビジネスリーダーのうち、243人は銀行の生成AI戦略に関する意思決定を担う上級幹部です。銀行における生成AIの導入状況や、最大の課題について、保険業界、公共機関、ヘルスケア業界、製造業、小売業といった他業界との比較に基づき、インサイトを提供しています。
SASのグローバル金融サービス担当ディレクター、アレックス・クビアトコウスキ(Alex Kwiatkowski)は、次のように述べています。「生成AIは業界をまたいだ大きなトレンドですが、最も顕著なのは金融業界でしょう。調査によると、銀行は、保険と並んで、現在、生成AIを他の業界よりも高い割合で活用しています。早期導入者が享受する数多くのメリットの中でも、銀行幹部が最も言及していたのはリスク管理( https://www.sas.com/en_us/industry/banking/solution/risk-management.html )とコンプライアンスにもたらされる効果で、ほぼ9割で改善が報告されました」
銀行がAIに寄せる期待は、予算が証明
普通預金の金利やローンの申請数が下降線をたどる一方で、生成AI( https://www.sas.com/ja_jp/insights/analytics/generative-ai.html )に対する銀行の関心はかつてないほど高まっています。事実、回答者のほぼ全員とも言える98%が、すでに生成AIを使用している(60%:保険業界と並び最も高い導入率)か、38%が今後2年以内に導入を計画しているという状況です。来年度に向けて生成AI専用の予算が用意されているとの回答者が90%に上ったことも、これが単なる口先だけではないことを証明しています。
業務プロセスに生成AIを取り込んでいると回答した銀行幹部は17%、現在組織全体で試用段階にあると回答したのは43%でした。また全体の6割は、少なくとも1件の生成AIのユースケースを展開済みと回答しており、これは全業界で最も高い数字です。
また、銀行は部門や業務を横断して生成AIを活用しています。業界全体の平均と比較すると、銀行ではマーケティング(47%)、IT(39%)、営業(36%)、財務(35%)、そして顧客サービス(24%)で、生成AIを高い割合で利用しています。
SASのリスク、不正対策、コンプライアンスソリューション担当シニアバイスプレジデントであるスチュ・ブラッドリー(Stu Bradley)は、次のように述べています。「生成AIは銀行にとって諸刃の剣です。銀行が顧客保護( https://www.sas.com/content/dam/SAS/documents/infographics/2023/en-faces-of-fraud-113646.pdf )のために生成AIを活用するスピードを上回って、犯罪者はこの技術を悪用し、不正を行っています。しかし不正対策の強化は、生成AIを導入する企業が享受しうる多くのメリットのひとつに過ぎません。事実、生成AI導入の最初の波に乗った先駆者は、銀行のさまざまな領域で早くもその成果を上げています」
銀行ではすでに生成AIの効果が顕在化
銀行が生成AIを導入することにより、特に銀行内部のプロセスにおいてすでに具体的な成果が現れています。銀行幹部の大多数は、次のような効果を報告しています。
- 従業員のエクスペリエンスと満足度の向上(90%)
- リスク管理やコンプライアンス対策の強化(88%)
- 時間の節約や業務コストの削減(85%)
銀行が生成AIを活用する分野として最も一般的なのはマーケティングで、47%の銀行幹部がこの分野で活用していると回答しました。マーケティング担当者を対象に行った別のSASの調査( https://www.sas.com/en/offers/dive-shallow.html )によれば、銀行のマーケティング担当者が生成AIを最もよく利用する目的として、顧客とのやり取り(44%)やキャッチコピーの作成(33%)を挙げており、今後1年間でオーディエンスターゲティング(64%)やトレンド分析(64%)への活用など利用を拡大する見込みです。
銀行も他業界同様、生成AI成功への障壁に直面
生成AIには、他の多くの投資分野と同様、ある程度のリスクと不確実性が伴います。銀行幹部が最も懸念するのは、顧客データのプライバシー(74%)とセキュリティ(71%)の保護です。期待できる解決策として、合成データ( https://www.sas.com/en_us/insights/articles/analytics/harnessing-synthetic-data-to-fuel-ai-breakthroughs.html )があります。すでに合成データを活用していると答えた回答はほぼ3分の1(29%)に上り、33%は導入を検討中であるとしています。
生成AIの導入に伴う課題は、銀行業界が直面しているもう一つの障壁です。半数以上(54%)の幹部は、公開データセットや独自のデータセットの利用が、生成AI導入の障壁になっている、または障壁になる可能性があると回答しています。また、生成AIを概念から実用へ移行する際に困難を経験したと答えた回答者も同等数いました(49%)。
さらに、生成AIのガバナンスと規制も懸念事項です。現在、ガバナンスのフレームワークが「十分に確立されている」と回答したのは、わずか6%にとどまり、大多数(58%)は、「開発途上」としています。また、3分の1以上は「場当たり的または非公式的」(27%)あるいは「存在しない」(9%)と回答しています。効果的なガバナンスや監視を導入するにあたっての最大のハードルは、約3割(30%)が技術的な制約を、別の3割(30%)は透明性と説明責任の不足を指摘しており、これは他業界と比較してやや高い割合となっています。
クビアトコウスキは、次のように述べています「生成AIは、かつては想像もできなかった形で銀行の世界を変化させています。そのスピードは驚くべきものです。銀行でも他の業界でも、AIガバナンスの整備は容易ではありません。信頼できるAIには、人間中心主義の基盤が必要であり、責任あるイノベーション( https://www.sas.com/ja_jp/company-information/innovation/responsible-innovation.html )を形作るその他の主要な考え方、すなわち包摂性、透明性、説明責任を具体化するものである必要があります。
SASの生成AIに関するグローバル調査の結果詳細は、SAS.com/genai-banking( https://www.sas.com/en/whitepapers/your-journey-to-the-genai-future-114042.html )で銀行業レポートをダウンロードするか、SASのインタラクティブなGenAIデータダッシュボード( https://www.sas.com/en/offers/gen-ai-global-survey-results-press.html )を参照ください。
*2024年10月28日に米国SAS Institute Inc.より発表されたプレスリリース( https://www.sas.com/en_us/news/press-releases/2024/october/generativeai-banking.html )の抄訳です。e本プレスリリースの正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語を優先します。
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