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- 2024年10月04日
- 13:00
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構
- 公共・政治
~事故の8割が太陽電池発電所で発生~
独立行政法人 製品評価技術基盤機構[NITE(ナイト)、理事長:長谷川 史彦、本所:東京都渋谷区西原]は、電気事業法に基づく電気工作物に関する事故情報データベースを用いて、2020年度から2022年度の3年間に発生した台風による電気事故を分析しました。その結果、9月に台風起因の自家用電気工作物の事故、特に太陽電池発電所の被害が集中して発生していることが明らかになりました。 なお、8月16日~17日にかけて強い勢力を持つ台風7号が関東~東北にかけて接近、または、上陸するおそれがあると予報されているため、緊急に注意喚起を発します。 [図1] 台風時の強風による事故被害写真 出典:「電力安全小委員会の各WGにおける検討状況等について」(経済産業省 第22回産業構造審議会 保安・消費生活用製品安全分科会 電力安全小委員会) 出典:「太陽光発電の環境配慮ガイドライン」(環境省) 台風が到来した場合、その大雨や強風により、電気設備に事故をもたらすことがあります。 設置者及び電気主任技術者におかれましては、台風が到来したとしても、被害を最小限に抑えられるように、「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令」等に基づき、予防点検や水没対策、飛散防止対策等、事前の備えをしておくことが大切です。 ■台風接近前の事前対策として ①最新の気象情報を確認の上、災害時の緊急連絡体制や設備の運用方法について決めておいてください。 ②大雨による被害が想定される場合 ・電気設備が浸水しないように、構内及び周辺の側溝や排水口の掃除を行い、水はけを良くしてください。 ・「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令」の第五条のとおり、「支持物を土地に自立して施設する場合には、施設による土砂流出又は地盤の崩壊を防止する措置を講じ」てください。 また、電気設備の周辺にある崖や法面が豪雨によって土砂流出するおそれがある場合には、補強工事や防護壁の設置、排水ルートの確保などを検討してください。崖や法面に崩壊の兆候が見られる場合には、土地所有者・管理者、自治体へ通報してください。 ③強風による被害が想定される場合 ・太陽電池パネルを固定する金具や、架台の接合部のボルトが緩んでいないかどうか 点検してください。 また、架台を固定する杭などがきちんと埋まっているかについても点検してください。敷地を越えて数百メートル飛散した事例もあります。 ・巡視等により、太陽電池パネル、架台、集電箱、パワーコンディショナや受変電設備など屋外の電気設備の破損や部品の外れがないかどうか確認してください。また、既に破損したパネル等も含め、飛散が懸念される電気設備や部品についても固定するなどの飛散防止措置を行ってください。 ■台風通過後の事後対応として ①電気設備の臨時点検の実施 ・台風通過後は、速やかに設備の臨時点検を行い、異常の有無を確認してください。 ・電気事故又はその疑いがある場合には、当該地域を管轄する産業保安監督部に報告してください。 ②迅速な応急処置の実施 設備の被害が認められた場合は、できるだけ速やかに応急処置(破損した電気設備の撤去、銅線が露出した電線の保護等)を行ってください。 ③被害が生じた設備の修理・改修の実施 ・被害が生じた設備は安全が確認されたのち、適切に修理・改修を行ってください。 ・架台の強化や、設置位置をこれまでより高い位置に変更する、排水ルートの改善等 が考えられます。 ④二次被害の防止 ・破損、浸水した太陽電池パネルや集電箱、パワーコンディショナ、断線したケーブル等に接近すると感電するおそれがあります。そういった設備によって、第三者(公衆)が感電、けが等の二次被害に遭わないように対策をお願いします。 ・被害の対処にあたっては、電気主任技術者等の太陽電池発電設備に充分な知見のある方が作業を行うようにしてください。 |
技術基準違反による改善指示 | 保安規程の変更を要する改善指示 | 保安規程の遵守を命じる改善指示 | その他 | |
指摘数 | 3 | 2 | 5 | 3 |
発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令 | 電気設備に関する技術基準を定める省令 | JIS C 8955:2004 太陽電池アレイ用支持物の設計用荷重算出方法での該当箇所 | 電技解釈 第46条 第2項 |
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土砂の流出及び 崩壊の防止 (第5条) |
感電、 火災等の防止 (第4条) |
8. 材料及び許容応力度 |
8.2 許容 応力度 |
8.4 防食 | 太陽電池モジュール(太陽電池パネル)の支持物 | |
指摘数 | 1 | 5 | 2 | 1 | 1 | 2 |
JISC8955:2004 太陽電池アレイ用支持物の設計用荷重算出方法での該当箇所 | 電技解釈 第46条 第2項 |
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4. 想定荷重 |
5. 風圧荷重 |
6. 積雪荷重 |
7. 地震荷重 |
8. 材料及び 許容応力度 |
8.1 材料の選定 |
8.2 許容 応⼒度 |
8.3 部材 の接合 |
8.4 防食 |
太陽電池モジュール(太陽電池パネル)の支持物 | |
指摘数 | 8 | 11 | 11 | 11 | 11 | 1 | 9 | 26 | 8 | 14 |
発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令 | 電気設備に関する技術基準を定める省令 | |||
体に危害を及ぼし、物件に損傷を与えるおそれのある施設等の防止 (第3条) |
支持物の構造等 (第4条) |
土砂の流出及び崩壊の防止 (第5条) |
周囲への安全 (第4条) |
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指摘数 | 2 | 34 | 12 | 3 |
台風接近前の事前対策 ①最新の気象情報、災害時対応の確認 ・気象庁・自治体・防災機関等から最新の気象情報を入手し、現地の状況把握に努めてください。 ・災害時の緊急連絡体制を事前に整備してください。また非常時の設備の運用方法等についても事前に定めておいてください。 ②大雨による被害が想定される場合 ・電気設備の水没、浸水や土砂流出等のリスクを低減するために、日頃より構内及び周辺の側溝や排水口の掃除を行い、水はけを良くしてください。 ・「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令」の第五条のとおり、「支持物を土地に自立して施設する場合には、施設による土砂流出又は地盤の崩壊を防止する措置を講じ」てください。 また、電気設備の周辺にある崖や法面が豪雨によって土砂流出するおそれがある場合には、補強工事や防護壁の設置、追加の排水ルートの確保などを検討してください。崩壊の兆候が見られる場合には、土地所有者・管理者、自治体へ通報してください。 ③強風による被害が想定される場合 ・太陽電池パネルを固定する金具や、架台の接合部のボルトが緩んでいないかどう か、点検してください。 また、架台を固定する杭などがきちんと埋まっているかについても点検してください。敷地を越えて数百メートル飛散した事例もあります。 (立入検査において、杭が必要な深さより数十センチ以上埋まっていない、杭のスクリュー部が地面から出ている等、強風によって引き抜ける可能性があった事例もありました。図8) [図8] 杭が必要な深さ埋まっていなかった事例(イメージ) ・巡視等により、太陽電池パネル、架台、パワーコンディショナや受変電設備など屋外の電気設備の破損や部品の外れがないかどうか確認してください。また、既に破損したパネル等も含め、飛散が懸念される電気設備や部品についても固定するなどの飛散防止措置を行ってください。 |
台風通過後の事後対応 ①電気設備の臨時点検の実施 ・台風通過後は、速やかに設備の臨時点検を行い、異常の有無を確認してください。 外観に異常が認められない場合であっても、設備内部で異常が発生している可能性があります。また、設備の絶縁についても異常がないか確認を行ってください。 ・太陽電池パネル、集電箱、パワーコンディショナが水没・浸水した場合やケーブル が断線した場合、漏電や感電するおそれがあります。その場合、事業場の保安業務を行っている電気主任技術者等に太陽電池パネルと接続箱の切り離しについて相談してください。 ・電気事故※もしくはその疑いがある場合には、当該地域を管轄する産業保安監督部に報告してください。(※電気関係報告規則第 3 条及び第 3 条の 2 に掲げる電気事故) ②迅速な応急処置の実施 特に台風通過後は、太陽電池パネル・架台等の破損、集電箱・パワーコンディショナへの雨水の浸入や接続しているケーブルの断線のおそれがあります。 設備の被害が認められた場合は、できるだけ速やかに応急処置(破損した電気設備の撤去、銅線が露出した電線の保護など)を行ってください。 ③被害が生じた設備の修理・改修の実施 ・被害が生じた設備は安全を確認したのち、適切に修理・改修を行ってください。 ・対策としては、架台の強化や、架台や設備の設置位置をこれまでより高い位置に変更すること、排水ルートの改善等が考えられます。 ④二次被害の防止 ・破損、浸水した太陽電池パネルや集電箱、パワーコンディショナ、断線したケーブル等に接近すると感電するおそれがあります。そういった設備によって、第三者(公衆)が感電、けが等の二次被害に遭わないように対策をお願いします。 ・被害の対処にあたっては、電気主任技術者等の太陽電池発電設備に充分な知見のある方が作業を行うようにしてください。 |