明星(めいせい)大学連携研究センター(東京都日野市、学長:冨樫 伸)の須賀 唯知 主幹研究員(大阪大学客員教授、東京大学名誉教授)、王 俊沙 主任研究員らのグループは、大阪大学大学院工学研究科附属精密工学研究センターの山村 和也 教授、および株式会社IIPTと共同で、ダイヤモンドの大口径基板を表面粗さ0.5ナノメータ以下の超平滑面に加工し、これと窒化ガリウムウエハや圧電単結晶ウエハと常温で接合することに世界で初めて成功しました。
■本件のポイント
・新たに開発したプラズマ援用研磨(PAP)とガスクラスターイオンビーム(GICB)加工を組み合わせることにより、2インチのダイヤモンドウエハの超平滑化加工を高効率で実現することに成功。
・その結果、ダイヤモンドウエハと、窒化ガリウムウエハや圧電単結晶ウエハなど異種半導体ウエハとの常温接合を達成。
・この技術により、EVや高速通信に使われるパワー半導体やレーザなどの高出力化が実現できることから、日本が得意とするパワー半導体デバイスの高性能化が飛躍的に進み、社会への一層の普及が期待される。
■概要
これまでも、ダイヤモンドと窒化ガリウムとの接合技術は知られておりましたが、ダイヤモンドの研磨が難しいため、いずれもミリメータサイズの小片の接合にとどまっていました。
本研究の成果は、新たに開発したプラズマ援用研磨(PAP)とガスクラスターイオンビーム(GICB)加工を組み合わせることにより、2インチのダイヤモンドウエハの超平滑化加工を高効率で実現することに成功し、その結果、ダイヤモンドウエハと、窒化ガリウムウエハや圧電単結晶ウエハなど異種半導体ウエハとの常温接合を達成したものです。
この技術により、EVや高速通信に使われるパワー半導体やレーザなどの高出力化が実現できることから、日本が得意とするパワー半導体デバイスの高性能化が飛躍的に進み、社会への一層の普及が期待されます。
【参考】
ダイヤモンドジュエリーの研磨は従来のスカイフ研磨によって手作業で行われ、そのクオリティによってジュエリーとしてのグレード・価格が決まっていますが、本研究で開発したガスクラスターイオンビーム(GICB)加工によれば、最高グレードのダイヤモンドジュエリーに残る研磨傷を消すこともできます(ただし、そもそも研磨傷は肉眼で見える大きさではないので、そのレベルは最先端の原子間力顕微鏡を用いて初めて判別できるものです)。
本研究成果は、2024年5月28日より米国デンバーで開催される国際会議、2024 IEEE 74th Electronic Components and Technology Conferenceにおいて発表の予定です。
なお、本研究の一部は、令和3(2021)年度から始まった総務省「電波資源拡大のための研究開発(JPJ000254)」及び「戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE) (JP215006003)」の支援を受けました。
研究内容の詳細は、下記明星大学公式ウェブサイト内の記事をご覧ください。
https://www.meisei-u.ac.jp/2024/20240528p1.html
■研究内容に関する問い合わせ先
明星大学 研究支援チーム
TEL:042-591-5094
MAIL:liaison@meisei-u.ac.jp
▼本件に関する問い合わせ先
明星学苑 経営企画ユニット 広報チーム
神戸
TEL:042-591-5670
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/