■2023年度決算予想(速報値)
■決算概要
アイリスグループの2023年度決算(12月)は、売上高7,540億円、経常利益率4.2%、アイリスオーヤマ株式会社は、売上高2,280億円、経常利益率6.9%の見込みです。
昨年は、円安に伴う原価の高騰や、コロナ禍の巣ごもり需要の減少に伴う家電事業とマスク事業の販売不振により、引き続き厳しい環境での経営となりました。しかし、2018年から5年間のCAGR(年平均成長率)はアイリスグループで約10%、アイリスオーヤマで約8%と、社会情勢の変化に柔軟に対応し、成長を持続しています。
BtoC事業では、製造の国内回帰を掲げて積極投資してきた食品事業の設備が順次本格稼働し、食品事業の売上をけん引しています。具体的には、角田工場(宮城県角田市)にパックごはんの生産ラインを増設し、新たに取得した富士裾野工場(静岡県裾野市)では飲料水の生産を開始しています。今後は、鳥栖工場(佐賀県鳥栖市)でパックごはんと飲料水の生産を予定しているほか、事業の拡大に伴う物流量の増加に対応するため、当社で国内初となる「御殿場物流センター」(静岡県御殿場市)の新設を決定しています。さらに2025年竣工予定の岡山瀬戸内工場(岡山県瀬戸内市)では、家電製品に加えて食品(※1)の生産も決定しており、国内の生産・供給体制を一層強化します。
BtoB事業では、節電需要の高まりを受けて、省エネソリューション事業が順調に推移しました。LED照明に加えて、エナジーセーバーによる空調の最適制御で使用電力の可視化から制御までを行う、エネルギーマネージメントシステムへと事業領域を拡大しています。また、ロボティクス事業においては、深刻化する労働者不足への対応としてサービスロボットの導入が増加し、累計導入社数は5,000社、累計出荷台数は10,000台を越えています(※2)。さらに、自社でサービスロボットの設計・開発から製造・販売、アフターサービスまでを一貫して行うことで「ロボットメーカーベンダー」としての基盤を強化します。
2024年度は、5年連続となるベースアップを含めた賃上げ(※3)を実施し、更なる企業成長と人材確保のための採用強化を図り、アイリスグループ売上高8,800億円(前年比117%)、アイリスオーヤマ単体売上高2,555億円(前年比112%)を目指します。
※1:食品の生産品目は調整中です。
※2:アイリス電工での販売分・全てのサービスロボットを含む。20年1月~23年12月までの累計。
※3:アイリスオーヤマ株式会社の正社員(約4,400名)が対象。ベースアップ率:約3.5%。賃上げ概算金額:約12,000円。