財務諸表では示されない特許の価値を定量的に可視化し、コーポレートガバナンス・コードにおける知財情報の開示支援など、知財の観点から企業価値向上に資するアドバイザリーサービスを提供
デロイト トーマツ グループのデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(東京都千代田区、代表執行役社長:福島 和宏 以下、DTFA)とIPwe Japan株式会社(東京都港区、代表取締役社長:渡邉 聡)は、特許の金銭的価値を可視化し資産価値に注目したアドバイザリーサービス提供のための包括的な協業に関する契約を締結しました。これにより、DTFAとIPwe Japanは協力して、知的財産の観点から企業価値向上に貢献するためのサービスを拡充していきます。
現在、特許の価値評価の手法やツールには様々ありますが、特許に対する注目度や権利範囲の広さを評価する特許独自の指標が中心であり、経営とのつながりを見出しにくい指標となっています。コーポレートガバナンス・コードの改定により、知的財産への投資と自社の経営戦略・経営課題との整合性について、分かりやすく具体的に情報を開示・提供することが求められている中、経営とのつながりを見出しやすい指標で知的財産の価値評価を求めるニーズが高まっています。
DTFAは、これまで、財務諸表に記載する無形資産価値の評価のほか、買収・出資に伴う交渉や内部意思決定を目的とする特許価値評価のニーズに対し、豊富な実績・経験を有する専門家が、経営判断に資する特許のデューデリジェンスや金銭的価値を評価するサービスを提供してきました。
▼知的財産デューデリジェンス
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/strategy/solutions/ipa/ip-intellectual-dd.html
▼知的財産価値評価
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/strategy/solutions/ipa/ip-valuation.html
IPwe Japanの母体である米国IPwe Incは、これまで約15年の歳月と40億USドル以上の研究開発費を投じて、AIとブロックチェーン技術をベースに知的財産の金銭的評価、管理、取引する包括的なSaaSソリューションSmart Intangible Asset Management(以下、SIAM)を開発しました。SIAMでは、独自のAI技術や信頼性の高い複数ソースから入手したデータをもとに、全ての特許についてリアルタイムの金銭的価値評価や、特許・業界・ポートフォリオ単位での財務評価を行うことなどが可能です。IPweのAI技術は、これまでに5億ドル以上のライセンス収入と20億ドル以上の特許資金調達を生み出してきた実績を有しています。
今回の協業に基づきDTFAは、IPweが開発したSIAMによる知的財産の金銭的価値評価や、SIAM上で運営されている特許取引市場で行われる取引に対し、DTFAがこれまで様々な知財取引の中で培ってきた知見をもとに、知的財産アドバイザリーを行います。金銭的価値評価から売却まで一気通貫で支援し、知的財産の観点から企業価値向上に貢献するためのアドバイザリーサービスを強化していきます。
■協業により解決していく課題例
コーポレートガバナンス・コード改定に伴う知財情報の開示
これまでは引用・被引用数などの注目度や権利範囲の広さを評価する特許独自の指標しかなかったため、経営とのつながりを認識しにくかった特許の価値を、金銭的な価値で評価できるようになることにより、投資家・金融機関に対して、自社の知財ポートフォリオの強みや知財戦略のパフォーマンスを、具体的な金額を用いて効果的、かつ客観的に伝えることができます
保有特許ポートフォリオの最適化
自社の保有特許について、今後も特許の維持年金を支払って保有し続ける価値があるのか、特定業界ごとに保有特許ポートフォリオの過不足が無いか、どうすれば特許のポートフォリオの価値を上げることができるかなど、特許管理者の主観評価のみに頼ることなく、金銭的価値評価に基づいて客観的に判断することができるようになります
未活用特許の活用支援
従来、放棄か放置の措置しか講じることができなかった自社で活用できていない特許について、SIAM上で運営されている特許取引市場に出品するという選択肢が取れるようになることで、売却あるいはライセンスできる機会を創出することができるようになります
■SIAMの特徴
- 動的な特許NFTと独自のAIアルゴリズムを利用して知的財産データを統合し、すべての特許についてリアルタイムの金銭的価値を評価することができるとともに、特許ポートフォリオの質や有効性、価値を分析して企業価値向上に役立つ指標を生成することが可能
- 知財業界において世界最大であるClarivate社の特許データベースへの独自のAPIアクセス、IFI ClaimsやFactSet等の信頼できる複数のプロバイダーから直接入手したデータ、及び独自に収集した特許データに基づき、ビジネスインサイトを提供することが可能
- 金銭的価値が評価された特許について、その特許を売却またはライセンス供与したい場合は、SIAM上で運営されている特許市場に出品することが可能
- SIAM上で特許取引が完了したものについては、取引履歴がブロックチェーンに記録されることにより、確実に権利者の最新情報が記録されるため、取引リスクおよびそのリスクを低減するためのチェックにかかるコストを削減することが可能
SIAMが備える機能の詳細は、こちらをご覧ください。(外部サイトへ移動します)
https://ipwe.com/
IPwe, Inc. CEO 兼 IPwe Japan 会長 リアン・ピント
「デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーとの協業は、日本における IPwe の足跡を拡大し、IPwe のミッションである、知財戦略および知財評価のための知財ビジネスアナリティクス企業を目指す上で重要な一歩となります。このパートナーシップは、日本企業の価値とイノベーションの向上だけでなく、IPweのグローバルクライアントのために、日本市場に対するより深いデータ主導の洞察を約束するものです。この協業により、IPweが世界中で提供するサービスの幅と奥行きが強化されることを楽しみにしています。」
【IPwe Japan株式会社の概要】
会社名:IPwe Japan株式会社
所在地:〒106-0046 東京都港区元麻布3丁目1番6号
代表取締役社長:渡邉 聡
設立:2022年12月
企業概要:
IPwe™ は、知的財産分野に革命を起こすグローバルな金融テクノロジー企業です。私たちの使命は、最先端のAIとブロックチェーン技術を活用し、企業が財務的観点からポートフォリオを理解し、価値とイノベーションを最大化するために十分な情報に基づいた意思決定を行えるようにすることで、知財ビジネス分析企業としての地位を確立することです。