~AIでエネルギーリソース制御を最適化し、収益最大化も実現~
日本ガイシ株式会社(代表取締役社長:小林茂)と株式会社リコー(社長執行役員:大山晃)が出資する合弁会社NR-Power Lab株式会社(代表取締役社長:中西祐一)は、日本発のIoTスタートアップであるCollaboGate Japan株式会社(本社:東京都渋谷区)と株式会社Sassor(本社:東京都目黒区)の2社と連携し、分散型IDを活用して低コストで堅固なセキュリティーを実現する独自のVPP(仮想発電所)システムの構築を開始しました。早期の事業化を目指し、2023年度内にシステムを構築し、2024年度から実フィールドでの検証を行います。
VPPとは、再生可能エネルギー(再エネ)の発電や蓄電池への充放電、施設や家庭の空調や照明の電力消費など、さまざまなエネルギーリソースをデジタル技術で統合制御し、あたかも一つの大きな発電所のように機能させることです。VPPでエネルギーを有効活用するためには、多様なエネルギーリソースへの対応力やポートフォリオ(組み合わせ)を最適化するシステムが肝となります。VPPシステムの構築には、システムの信頼性が重要である一方、セキュリティーを含む運用コストの低減も求められます。
NR-Power Labが構築するVPPシステムは、消費電力や発電量を予測し、収益が最大となるポートフォリオになるよう、多種多様なエネルギーリソースをAIにより自動で最適制御します。また、エネルギーリソースが増大した場合でも、分散型IDを用いることで、一つ一つのエネルギーリソースから提供されるデータを正確に把握できます。これにより、従来の中央集権型システムで必要とされていた設備投資や人員を削減することができ、エネルギーリソースの信頼性担保とコスト低減の両立が可能となります。分散型IDをエネルギーリソースの信頼性担保のために活用するのは、世界で初めてです。
システム構築にあたっては、NR-Power Labが中核となり、各社の知見・技術を結びつけます。CollaboGate Japanの分散型IDプラットフォーム「NodeX(ノードクロス)」、Sassorのエネルギーリソース最適制御AI「ENES」に、日本ガイシが保有する蓄電池制御技術と、リコーが保有するブロックチェーン技術をはじめとしたIoT・デジタル活用ノウハウを融合させることで、これまでの電力ビジネスにとらわれない新規参入組ならではの発想で新たなVPPサービスを実現します。
2024年度からの実証には、2023年7月末時点で、株式会社IHI、株式会社タクマエナジーなど、計8社が共創パートナーとして参画します。共創パートナーとともに、多様なエネルギーリソースの確保や制御方法、精度向上の検証、経済性評価などを行う予定です。今後も継続的に共創パートナーを募り、サービスの拡充を進めていきます。
NR-Power Labは共創パートナーの強みを融合し、「モノ✕デジタル✕サービス」で脱炭素社会の実現に不可欠な再エネの普及における課題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献する企業を目指します。
日本ガイシとリコーは、両社がこれまで培ってきた技術・ノウハウを融合した事業を通して再エネの普及・導入を後押しし、持続可能な社会の実現に貢献します。