病理医の身体的負担を軽減し、ワークフロー改善に貢献
デジタルイメージングマイクロスコープ「ECLIPSE Ui」
株式会社ニコン(社長:馬立 稔和、東京都港区)は、医療機器として日本初※1 のデジタルイメージングマイクロスコープ「ECLIPSE Ui(エクリプス ユーアイ)」※2 を開発、発売し、子会社の株式会社ニコンソリューションズ(社長:園田 晴久、東京都品川区)が販売します。「ECLIPSE Ui」は顕微鏡でありながら接眼レンズをなくしたユニークなデザインが特長で、病理医の観察時の姿勢改善に加え、ディスプレイで観察画面の共有が可能となり、病理医の身体的負担を軽減し、病理診断のワークフロー改善に貢献します。
なお、ニコンソリューションズは、病理学に関連する医療従事者や研究者、企業が一堂に会する「日本病理学会総会」(2023 年4 月13 日~15 日、於:山口県)に出展し、本製品を紹介します。
今後、「ECLIPSE Ui」を米国や欧州を含む海外に順次展開することで、病理診断のワークフロー改善を通じて、病理医を支援していきます。
※1 2023 年4 月12 日現在、医療機器届出済みの、デジタル画像表示光学顕微鏡として。ニコン調べ。
※2 医療機器届出番号:14B2X10066000001 (販売名:「デジタルイメージングマイクロスコープ Ui」)
発売概要
商品名: デジタルイメージングマイクロスコープ「ECLIPSE Ui」
発売時期: 2023 年5 月末
開発の背景
病理検査を行う臨床現場においては、病理医の不足や長時間の観察による使用者の疲労蓄積など、いまだに課題があります。また、病理診断は判断が難しいケースが多く、同施設または離れた医療機関にいる他の医師に意見を求めることが日常的です。そのため、従来はプレパラート標本を委託先に送付したり、受託側の医師が委託先に赴いたりするなど、時間や距離の面で制約がありました。
こうした課題に対し、ニコンは、接眼レンズをなくして、ディスプレイで観察画面を共有することにより、病理医の身体的負担を軽減し、病理診断のワークフロー改善に貢献する、「ECLIPSE Ui」を開発しました。標本全体と任意の箇所の詳細を同時にディスプレイ表示することにより病理診断の効率化を促すとともに、遠隔地にいる医師とのデータ供覧もサポートします※3。
主な特長
1. 接眼レンズをなくし、観察画面を共有することで、ワークフロー改善に貢献
標本をセットしてから最大2.5秒で画像をディスプレイに表示します。医師が接眼レンズをのぞく姿勢をとらずに自然な姿勢で観察、病理診断業務を行うことが可能です。また、ディスプレイで観察画面を共有できるため、病理診断に伴うディスカッションにも適しています。病理医の身体的負担を軽減するとともに、病理診断のワークフロー改善に貢献します。
標本を観察する様子
2.マクロとミクロの画面を同時に表示でき、観察の効率化に寄与
標本全体を俯瞰できるマクロ画面と、任意の箇所の詳細を表示するミクロ画面を、同時にディスプレイ表示できます。マクロ画面でマーキングした箇所をワンクリックで表示させることや2点間距離の測長※3などができ、観察の効率化に寄与します。
ディスプレイのイメージ
3.遠隔地にいる医師とのデータ供覧をサポート※3
病理医が他の医師に意見を求める場合、遠隔地にいる医師が観察画像をリアルタイムで閲覧できることに加えて、「ECLIPSE Ui」をオンラインでリモート操作することも可能です。データ供覧を通じた、複数の医師による意見交換をサポートします。
※3 医療診断用途には使用できません。