世界中の都市が気候変動の原因をもたらし、また同時に気候変動の解決策をもたらす?

世界中の多くの都市で、気候変動問題に取り組む先駆的な取組みが見られています。
トム・ウォーカー
共同ヘッド
グローバル・リアルエステート証券


米アニメの 「ザ・シンプソンズ」 の主人公、ホーマー・シンプソンによる、 「アルコールは人生のあらゆる問題の原因であり、同時に解決法でもある」 という名言があります。スプリングフィールドの最も有名な居住者の言葉を引用すると、大都市と気候変動についても同様のことが言えます。

大都市は、高レベルの温室効果ガス(GHG)の排出を引き起こし、しばしば気候変動問題の原因と見なされています。世界人口の半分以上は都市に住んでおり(都市人口は将来の拡大が予想されています)、世界中の都市で世界全体のエネルギーの3分の2以上を消費し、またCO2の70%以上を排出しています。しかしながら、世界中の都市が気候変動の解決に際しても、重要な役割を果たすと私たちは考えています。実際に世界中の多くの都市が、環境問題に対する興味深い解決策を考え出しています。グローバル都市への投資家として私たちは、この気候変動にまつわる遷移に可能な限り迅速に対応していく企業を見極めることで、重要な役割を果たすことができます。

英国グラスゴーで行われた国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)に各国のリーダーが集まった後、世界の都市が気候変動の危機にどのように対処しているかを見ていきます。


ロンドンが先導
ロンドンは最近、排ガスの超低排出ゾーン(ULEZ、一定の排ガス基準を満たさない車両に対し通行料の支払い義務を課す区域)を拡大し、ロンドン市郊外の南環状道路と北環状道路を含めました。世界中の他の都市から注目されているこの超低排出ゾーン導入計画は、「汚染者が支払う」という原則に基づいており、旧型のガソリンまたはディーゼル内燃エンジン車の運転手が、超低排出ゾーンで運転するためには、1日あたり12.50ポンドを支払う必要があります。

ロンドン市長で労働党のサディク・カーン氏は、ロンドン中心部のみからロンドン市郊外へ超低排出ゾーンを拡大する理由は、街の空気をきれいにするためだと述べています。超低排出ゾーンの拡大は、ロンドン市長が提唱する交通戦略の一部であり、2040年までに市内の移動の80%を徒歩、自転車、公共交通機関で達成することを目指しています。

当初の小規模の超低排出ゾーンは、よりクリーンな車両への切り替えをすでに促進しており(2017年の39%から現在の80%まで増加)、超低排出ゾーンの拡大がロンドン郊外でも同様の効果をもたらすことが期待されています。


地球規模の問題に対する都市主導の解決策
その他の都市主導の気候変動への取り組みには、まず2030年までにカーボン・ピークアウト、2060年までにカーボン・ニュートラルを目指す国家目標がある、北京市による戦略の実施、中国でのローカルな炭素排出権取引市場(カーボン・マーケット)の開設があげられます。北京市はまた、住民が戸別リサイクルサービスを手配できるスマートフォン・アプリの使用を推進しています。これにより北京市は、二酸化炭素排出量を年間235トン削減することができました。

ジャカルタでは、農村地域の気候変動に対応するため、コミュニティ主導のアプローチを支援するClimate Kampongプログラムを実行しており、市内の148か所で活動しています。またインドネシアの首都圏では、汚染を減らすために公共交通機関の利用を推進しており、複数の異なる交通機関のシステムを、1つの共通な運賃支払システムへ統合し、環境上サステナブルな公共交通システムの運営を開始しました。

イスタンブールでも同様に、都市全体の交通システムを統合するため、トルコ初の環境上サステナブルなモビリティ計画の開発をすすめています。


人口増加に応じた手ごろな価格帯の住宅の確保
多くの都市では手頃な価格帯の低炭素住宅を開発しています。これには、米ワシントンDCで展開されている、太陽光発電設備に関する助成プログラムも含まれます。人口の増加が予想されるナイロビでも、より高い需要に対応するために、市内で低炭素住宅を提供しようとしています。

この分野において、一部の国とサブセクターは明確なリーダーとして存在感を示していますが、一方で遅れている地域もあります。一部の例外はありますが、一般的にはスカンジナビア、オランダ、オーストラリアの企業は、サステナブルな政策において最も先進的です。これらの国々の企業では、既存の建築物の材料をリサイクルして新しい開発に使用する、循環型開発の最前線にいます。またこれらの企業では、最も積極的で野心的な持続可能性の目標を導入している傾向にあります。

いくつかのニュースの見出しは、中国が環境に焦点を合わせていないと、あなたに信じさせようとするでしょうが、報道をそのまま鵜呑みにすることは危険です。深センは世界において最も環境上サステナブルな都市の1つであり、汚染産業の段階的廃止や、厳しい新規の環境基準の適用など、主要なサステナブル政策を実施していると私たちは考えています。物事の本質を理解するためには、表面上に見えていない部分を見抜く能力が重要です。




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組織名
シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社
ホームページ
https://www.schroders.com/ja-jp/jp/asset-management/
代表者
黒瀬 憲昭
資本金
49,000 万円
上場
未上場
所在地
〒100-0005 東京都千代田区丸の内一丁目8番3号丸の内トラストタワー本館21 階
連絡先
03-5293-1500

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