東日本電信電話株式会社埼玉支店(支店長 石川達、以下、「NTT東日本」)は、総務省の情報通信技術の研究開発「多言語音声翻訳の高度化に関する研究開発」コンソーシアム
*1による「情報伝達」の実証実験を埼玉県行田市(市長 石井直彦、以下、「行田市」)と実施致しました。
この実証では、多言語のコミュニケーション手段が求められる実用シーンを想定して、当該研究開発により開発する自動同時通訳プラットフォーム技術を利用した情報伝達システムが多文化共生時代における在留外国人対応の一助として行田市の業務にどのように寄与するか確認し、自動同時通訳システムの改善や社会実装につなげていきます。
*1自動『同時通訳』技術の研究開発コンソーシアムを設立~官民の総力を挙げて『同時通訳』の自動化を実現~
https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20200828_01.html
※本件は、総務省の「ICT重点技術の研究開発プロジェクト(JPMI00316)」における「多言語翻訳技術の高度
化に関する研究開発」の委託を受けて実施する研究開発の計画に係るものです。
1.実証実験の概要および得られた知見
公共施設において在留外国人との意思疎通が必要となるシーンにおいて、「同時通訳技術を用いた情報伝達システム」(以下、「情報伝達システム」)の活用が見込まれる場面について、複数自治体に対するアンケート調査結果から要望の高い利用シーンを想定し、平時から災害避難等の有事における情報伝達システムの提供のあり方について、同システムを用いた実証およびアンケートやヒアリングを通して確認しました。
〔実施方法および実証する項目〕
以下の3シーンについて、実証参加外国人に対し情報伝達システムを用いてスクリーン・モニター・タブレット・スマートホンの異なる端末に情報配信を行い、内容理解度の確認とそれぞれの見やすさについての確認、また、利用シーンによる有用性の確認等を行いました。
・実証実施シーン
*2
実証①:防災対策・避難所での利用想定
実証②:外国人との「窓口における相談」想定
実証③:外国人保護者との「保育園の入園面談」想定
*2 実験環境にて実施
・確認項目
‐各シーンにおける情報伝達システムの有用性について
‐情報伝達システムのユーザインタフェース、ユーザエクスペリエンスについて
‐情報伝達システムの利用開始導線(利用者がシステムの起動から使用開始するまでの一連の操作手
順)について
〔実証日・場所〕
2021年11月8日(月) 行田市役所内会議室
〔実証イメージ〕
実証①:
実証参加外国人に対し「防災対策の説明」を情報伝達システムを用いて、PCからスクリーン・タブレット・スマートホンの異なる3つの端末に配信し、異なる端末による情報伝達の差や内容理解度への影響の確認、それぞれの見やすさについての確認。
実証②③:
実証参加外国人との「窓口における相談」や「保育園の入園面談」を、情報伝達システムを用いて、PCからモニター・タブレットの異なる2つの端末に配信し、内容理解度の確認とそれぞれの見やすさについての確認。それぞれのシーンによる最適な組み合わせを確認。
〔実証にて得られた知見・コメント〕
・実証参加外国人からは、情報の大半が理解できたという意見と、受信端末の違いによる表示方法の最適化への課題が得られました。また、今後の情報伝達システムの更なる発展を期待するという前向きな意見を数多く得られました。
・実証に参加した行田市からは、様々な住民が集まる場所での利用や窓口業務における在留外国人との円滑なコミュニケーションにより適切な行政サービスの提供が可能となる他、業務効率化や在留外国人の社会参加を促すことができる可能性もあるというご意見を頂戴しました。行田市としては、今後も住民サービスの充実の観点から、本件をはじめとしたデジタル技術の活用、DX推進の取り組みを加速させていきたいとのご意見を頂戴しました。
2.各社の役割
行田市:
「防災対策の説明」、「窓口における相談」、「保育園の入園面談」を行い、実施時に気づいた課題
等をフィードバック。
NTT東日本:
本実証の全体管理。
本実証で得られた知見を活かしながら、今後の情報伝達システムの高度化、社会実装を目指す。
3.今後の研究開発計画等
今回の実証結果で得られた知見や課題、社会実装に必要な要件を今後の研究開発等にフィードバックしながら繰り返し改善を行い、実ニーズに即した自動同時通訳システムの社会実装につなげていくことにより、引き続き「言葉の壁」のない社会を目指して取り組んでまいります。
実証模様
※写真をご活用いただける場合はお手数ですが、以下【本件に関する報道機関からのお問い合わせ先】ま
でご連絡くださいますようお願いいたします。
メール等にて写真を送付させていただきます。