株式会社フィッシャーマン・ジャパン・マーケティング(以下、FJM)と株式会社ニレコ(以下、ニレコ)と国立研究開発法人水産研究・教育機構(以下、水産研究・教育機構)と盛信冷凍庫株式会社(以下、盛信冷凍庫)と東日本電信電話株式会社宮城事業部(以下、NTT東日本)は、マサバの脂質を科学的に評価し、その品質にあった適正価格で流通させることにより、品質が安定した水産物の提供及び単価向上を目指す実証を開始します。
1. 背景と目的
日本は世界三大漁場である三陸金華山沖漁場も有する水産資源に恵まれた国です。しかしながら近年、国内でも主要魚種の記録的不漁が続き、沿岸地域の水産業に大きな影響を与えています。今後は持続可能な開発目標(SDGs)の精神にも則り、水産物を持続可能な形で利用しながら収益性の高い産業へ変革させることが重要です。
一方、国内の水産物は仲買人の経験に基づく『目利き』で評価され流通します。その評価は主に「外見」と「触感」によるため、品質評価にブレが生じやすい状態にあります。当プロジェクトでは、『目利き』の中でも特に重要かつ外見や触感では判断が難しい『脂乗り』を科学的に評価し、その品質にあった適正価格で流通させることにより、品質が安定した水産物の提供及び単価向上を目指します。第1弾として宮城県石巻市のマサバの評価、流通から着手していく計画です。
2. 実証の内容
マサバの『脂乗り』を、水産研究・教育機構の研究成果とニレコの近赤外分光による計測技術により科学的に評価し、数値化された脂質量と販売価格の相関性を検証します。
(1)2021年11月~2022年2月 :巻き網船で漁獲されたマサバを計測、評価
(2)2022年2月~3月 :量販店、通販会社でのテスト販売・効果検証
(3)2022年4月~ :検証結果を踏まえ、本格販売を検討
<各社の役割>
<イメージ>
3. 今後の展望
本取組みにより『脂乗り』を数値化することで品質が安定した水産物の提供及び単価向上につながることが実証された際は、数値化された脂質を水産物のブランディングに活用して参ります。また、継続的な取り組みを通じ、様々な水産物のブランド化を推進することで、水産業のさらなる活性化を目指します。