■NTT東日本が運営する文化施設NTTインターコミュニケーション・センター
※1(以下、ICC)で
は、2021年10月30日(土)より、常設展「オープン・スペース 2021 ニュー・フラットランド」を
開催します(入場無料)。
■「オープン・スペース」展では、2006年より毎年、メディア・アート
※2を代表するアーティストによ
る国内外の歴史的な作品や新作に加え、研究機関による成果としての作品などを展示
※3してきまし
た。
今回は2年ぶりの開催となります
※4。
■今年度は「ニュー・フラットランド(New Flatland)」と題し、現実世界とインターネットの情報世
界が地続きになったと言われるポスト・インターネット時代を経て、リアルとバーチャルという異なる
次元がフラットに連続する現代のテクノロジー環境におけるさまざまな表現を取り上げます。作品を楽
しむことに加え、その背景にある現代の多様化したメディアやコミュニケーションのあり方などについ
て考えるきっかけとなることを目指しています。
※1 日本の電話事業100周年記念事業として1991年からのプレ活動を経て、1997年にNTTが設立した科学技
術と文化芸術の融合をテーマとする文化施設。
※2 コンピュータをはじめとするさまざまな先端メディア・テクノロジーを使用したアート作品を総称する言葉。
※3 展示内容については、予告なく変更になる場合があります。
※4 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う臨時休館のため、2020年度は開催なし。
1.「オープン・スペース 2021 ニュー・フラットランド」開催概要
英展覧会名:Open Space 2021:New Flatland
開催期間 :2021年10月30日(土)~2022年2月27日(日)
【リアル展示】
会場 :NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]ギャラリーBほか
開館時間 :午前11時〜午後6時
入場料 :無料(事前予約制・当日入場は事前予約者優先)
予約方法の詳細は、後日ICCウェブサイトにてお知らせいたします。
休館日
※5 :毎週月曜日、年末年始(12/27〜1/4)、ビル保守点検日(2/13)
※5 月曜日が祝日もしくは振替休日の場合、翌日を休館日とします。
休館日以外においても、開館時間の変更および臨時休館の可能性がございます。
最新情報はICCウェブサイト(https://www.ntticc.or.jp/)などでお知らせします。
【オンライン展示】
会場 :ハイパーICC(
https://hyper.ntticc.or.jp/)
体験料:無料
主催 :NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] (NTT東日本)
2.展覧会概要
科学的な発見が、私たちの認識を変え、新しい世界観をひらき、そのつど私たちは、新たな地平において物事を考えるようになりました。たとえば、2次元の平面世界(フラットランド
※6)からは、1次元や3次元の世界を知ることができないと言われますが、私たちは、自分のまだ知り得ない世界の存在を想像することで、未知の世界へと思考を広げてきたのです。
情報圏と呼ばれる、ICTがもたらした新しい環境の登場は、デジタル技術がたんにツールであることを超えて、人類が世界を理解し、解釈するための方法を変え、新しい次元を思考し、意識の革命をもたらすと言われています。一方、現実世界とインターネットの世界が地続きになったと言われるポスト・インターネット時代は、フィルターバブルなどの情報を遮断した世界を作ることにもつながっています。
このような現代のテクノロジー環境を、新たな認識を生み出す可能性を持った新しいフラットランドと考え、閉ざされた次元を超えた世界を想像させるさまざまな表現を取り上げます。
そのほか、映像アーカイヴ「HIVE」、NTTの研究所や教育機関との連携、新進作家紹介コーナーなどを行う予定です。
※6 1884年に英国のエドウィン・A・アボットによって書かれた小説『フラットランド たくさんの次元のもの
がたり』(竹内薫/訳 講談社)にちなんでいます。
3.出品作家(五十音順)
伊阪柊
イップ・ユック゠ユー(香港)
岩井俊雄*
emolingual
齋藤帆奈
グレゴリー・バーサミアン*
原田郁(オンライン・アーティスト・イン・レジデンス)
布施琳太郎
細井美裕*
山形一生(オンライン・アーティスト・イン・レジデンス)
アンナ・リドラー(イギリス)
マヌエル・ロスナー(ドイツ)
小鷹研究室(名古屋市立大学)
*2019年度からの継続展示
新進アーティスト紹介コーナー「エマージェンシーズ!」
新進アーティストやクリエイターの最新作品やプロジェクトなどを紹介するコーナーです。
2006年以降、合計39組の作品を展示しております。今年度は2回の開催を予定しています。
エマージェンシーズ! 040 梅沢英樹+佐藤浩一
展示期間:2021年10月30日(土)—12月19日(日)
エマージェンシーズ! 041 米澤柊
展示期間:2022年1月15日(土)—2月27日(日)(予定)
キュレーション:畠中実、指吸保子
共同キュレーション:谷口暁彦
作品例については【参考】をご参照ください。
4.新型コロナウイルス感染症対策
NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]では、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のため、お客様ならびにスタッフの健康と安全を考慮し、ご来館される全てのお客様に以下の対応のご協力をお願い申し上げます。
下記に該当する方は,ご入館をお断りさせていただきます。
・37.5度以上の発熱症状がある方。
(入館時にサーモカメラ及び、非接触型体温計での体温計測を実施します。)
・過去2週間以内に、感染拡大地域や国への渡航をされた方。
・発熱、咳、鼻水、倦怠感の症状が続くなど、体調不良の方。
・マスクを着用されていない方。
最新情報はICCウェブサイト(
https://www.ntticc.or.jp/)などでお知らせします。
5.今後の展示予定
企画展「(多層)世界の歩き方」(仮称)
開催予定期間:2022年1月15日(土)~2月27日(日)
6.ICCのご案内
所在地:東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
(京王新線 初台駅東口から徒歩2分)
【参考】
1.出品作家と作品例
アンナ・リドラー《モザイク・ウイルス》2019年 *リアル
この作品は、世界初のバブル現象とされる、1630年代のオランダで起こった「チューリップ・バブル」と呼ばれる、チューリップの球根の価格の急騰と暴落に想を得て制作されています。
リドラーは、そこに現在の暗号通貨の投機との類似性を見出し、機械学習によるイメージ生成モデルを使用して、チューリップのイメージをビットコインの価格によってコントロールし、時間とともに変化させることで市場の変動を示し、その関係を明示しています。
タイトルは、チューリップのみが感染するモザイク・ウイルスによって生まれた変種が、爆発的な人気と価格の高騰を生み出したことに由来しています。
マヌエル・ロスナー 新作 *リアル、オンライン
マヌエル・ロスナー《Surprisingly This Rather Works》 展示風景、ケーニッヒ・ギャラリー、2020年(参考図版)
コンピュータ・グラフィックスによるカラフルなバーチャル彫刻を、デジタル写真として現実空間に介入させるシリーズの作品を制作します。
現実の展示空間とそっくりなバーチャルな展示空間を作り、現実世界には存在しない作品を仮想空間で展開し、私たちの現実とバーチャルな世界との関係性を表現しています。
建築物のイメージに巨大なバーチャル彫刻作品を合成し、仮想の公共空間での制作を行うなど、リアルとバーチャルを連動させる展示を行っています。
細井美裕《Lenna》2019年 *リアル
撮影:木奥恵三
この作品は、NHKが開始した8K衛星放送における音声の制作・伝送規格である、22.2チャンネルサラウンドのフォーマットで制作された、声のみを素材にした空間的な音楽作品です。
展示においては、無響室の特性を生かした独自の再生環境で、立体的な音場を体験できるようにしています。
*無響室でおひとりずつ体験していただく作品のため、予約制です。予約方法につきましては、後日ICCウェブサイトにてお知らせいたします。(2019年度オープン・スペース展示作品/継続)
原田郁(オンライン・アーティスト・イン・レジデンス) *リアル、オンライン
「多層世界の中のもうひとつのミュージアム」展示風景(ICC、2021年) 撮影:木奥恵三
コンピュータ内に自身で制作した3DCGの架空の世界を立ち上げ、その仮想世界と現実世界を往来しながら、その仮想世界の中の風景を絵画作品として制作しています。
今回は、絵画を制作する現実のアトリエを、仮想世界の中の作家のアトリエと重ね合わせてオンラインで公開します。また、公開制作のプロセスをさらに仮想空間にフィードバックすることで、絵画と仮想世界の風景が変化していきます。
今年度より開始した、ICCのオンライン・プラットフォームでのレジデンス・プログラムで、会期を通じて、随時制作が行われます。
emolingual *リアル
《emoilngual keyboard》2019年
emolingualは、2019年に結成された、絵文字にまつわる創作活動や開発を行うプロジェクトです。これまでに、絵文字を入力するための専用キーボードや、入力された文章に対して文脈に合致した絵文字を自動で推定し提案する入力インターフェイスを開発してきました。
絵文字は、現在では「emoji」として世界中の人に使われ、その流行は文字コードの国際基準であるユニコードの普及にも大きく寄与したと言われています。emolingualは、その活動を通して、言語としてのemojiのさらなる可能性を探究しています。
など
2.関連イベント
会期中には、アーティストや有識者を招いたトーク、レクチャー、シンポジウム、ワークショップ、作品解説ツアーや、国内外からゲストを招いた催しなど、さまざまなプログラムを予定しています。