広島国際大学(広島県東広島市)診療放射線学科の山本めぐみ助教と大倉保彦教授が開発した「人工知能(AI)技術を利用した動く臓器の血管像を鮮明にする技術」が特許を取得しました。本技術は、従来の画像処理技術と比較し、臓器の動きにより生じる余計な像を大幅に軽減し、鮮明な血管像を得られる点や造影剤注入前の画像撮影が不要なため被曝を減らせることが特徴です。これにより、画像診断の精度向上や患者の負担軽減が期待されます。
【本件のポイント】
●AI技術を利用することで、動く臓器の血管像を従来より鮮明に浮かび上がらせる
●今まで見えなかった細い血管の画像も鮮明に映し出される
●息止めを伴うDSA(デジタル差分血管造影法)検査が不要に
医療現場では、血管に異常がある部位を調べる際、鮮明に撮影するため造影剤を注入し、注入後の画像から注入前の画像を「引き算」することで血管以外の臓器などを画像から消すDSA(デジタル差分血管造影法)と呼ぶ検査方法がとられています。DSAは、臓器の動きに弱いという難点から、動きの激しい心臓などの臓器の鮮明な画像が得にくい状況にあります。
山本助教らが開発した技術では、AIに臓器の膨大な画像を学習させ、動く臓器も認識して、血管だけを鮮明に浮かび上がらせることが可能となります。本技術により、(1)動きのある臓器でも血管のみのDSA像を得ることができる、(2)息止めの必要がないDSA検査が可能となり、患者の負担軽減にもつながる、(3)造影前の撮影が不要となり、検査時間と被曝の低減が可能となる、といった効果が期待されます。
【発明の名称】 生体画像処理装置、出力画像製造方法、学習結果製造方法、及びプログラム
【発明者】 広島国際大学 診療放射線学科 助教 山本めぐみ、同教授 大倉保彦
【特許番号】 特許第6813178号
【特許登録日】 2020年12月21日
▼本件に関する問い合わせ先
学校法人常翔学園 広報室
名越
住所:広島県東広島市黒瀬学園台555-36
TEL:0823-27-3102
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/