大幅に小型化したフットプリントで飛躍的な性能向上を実現
高性能組込みコンピューティング製品のリーディングサプライヤであるcongatec(コンガテック)は、先日発売されたAMD Ryzen™ Embedded V2000プロセッサをCOM Express Compactのフットプリント上に初めて搭載した新モジュールを発表しました。本製品は、より小さなサイズでよりパワフルなAMD Ryzen™組込みプロセッサを搭載することで柔軟なシステム設計が可能となり、組込みアプリケーションへの適用を大幅に拡充します。新プロセッサRyzen Embedded V2000を搭載したコンガテックの新製品conga-TCV2は、前世代とピン完全互換でありながら、76%の縮小サイズ上に[1] 2倍のCPUコアを搭載[2]し、1ワットあたりの性能を最大2倍向上[3] させます。
高性能なAMD Ryzen Embedded V2000 SoCは、最大7個のGPU演算ユニットを集積したAMD Radeon™グラフィックスを搭載しています。7nmプロセス技術の導入により、新たにCPUに採用された「Zen 2」コアの1ワットあたりの性能も向上しています[3]。そして、アーキテクチャの最適化により、1クロックあたりの命令実行数も約15%増加すると推定されます[4]
最大8コア16スレッドを搭載したコンガテックの新モジュールは、組織のDXやエッジにおけるアナリティクス並列処理用にきわめて魅力的な選択肢です。RTS社のリアルタイムハイパーバイザを実装することで、仮想マシンによるワークロードのバランシングや統合を実現できます。
最適なアプリケーション領域としてはこの他にも、産業用のボックスPCやシンクライアント、優れた演算機能やグラフィックス性能を備えた組込みコンピューティングシステムまで、あらゆる標準的な組込みアプリケーションが該当します。さらに、スマートロボット、eモビリティ、自律走行車など、周囲状況認識をディープラーニングによって最適化するアプリケーションにも適しています。
コンガテックの製品管理ディレクター、マーティン・ダンザー(Martin Danzer)は次のように述べています。「最大16スレッドを活用できるようになり、エッジ向けの高性能組込みシステム設計において、同一のTDP(熱設計電力)レンジで2倍のタスクを実行できるようになりました。エッジでますます多くの並列タスクが処理されることを考えると、これはエッジコンピューティングにとって素晴らしいニュースと言えます。また、統合グラフィックス性能は、最大4台の別々の4k60ディスプレイに、卓越した3Dグラフィックス品質を安定供給することも特筆すべき点です。これらがすべて、54Wを上限に、超低消費電力設定での10WまでのスケーラブルなTDPクラスで提供されます」
AMDの組込みビジネスグループのプロダクトマーケティング・ディレクター、アメイ・デオスタリ(Amey Deosthali)氏は次のように述べています。「当社はコンガテックと協力してRyzen Embedded V2000シリーズをベースにしたコンピュータ・オン・モジュール(COM)Expressモジュールを発売できたことをうれしく思います。当社の最新のAMD Ryzen™ Embedded V2000プロセッサを搭載したコンガテックのCOM Express Type 6フォームファクタは、最先端のグラフィックスと卓越したCPU性能を引き出してくれます」
各モジュールの構成と特長
Type 6ピン配置の高性能COM Express Compactモジュールconga-TCV2は、最新のAMD Ryzen™ Embedded V2000マルチコアプロセッサをベースに、以下4種類の構成で提供されます。
プロセッサ |
|
コア
/スレッド数 |
|
クロック [GHz]
(ベース/ブースト)[5] |
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L2/L3
キャッシュ(MB) |
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GPU
演算ユニット |
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TDP [W] |
AMD Ryzen™ Embedded V2748 |
|
8 / 16 |
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2.9 / 4.25 |
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4 / 8 |
|
7 |
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35 – 54 |
AMD Ryzen™ Embedded V2718 |
|
8 / 16 |
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1.7 / 4.15 |
|
4 / 8 |
|
7 |
|
10 – 25 |
AMD Ryzen™ Embedded V2546 |
|
6 / 12 |
|
3.0 / 3.95 |
|
3 / 6 |
|
6 |
|
35 – 54 |
AMD Ryzen™ Embedded V2516 |
|
6 / 12 |
|
2.1 / 3.95 |
|
3 / 6 |
|
6 |
|
10 – 25 |
各モジュールは、前世代との比較で1ワットあたり最大2倍の演算性能
[3]と2倍のコア数
[2]を提供します。また対称型マルチプロセシング機能により、最大16スレッドで非常に高い並列処理性能を提供します。モジュールには4MB L2キャッシュ、8MB L3キャッシュが搭載され、さらにECCをサポートする省消費電力かつ最大32GB、3200MT/sの高速デュアルチャネル64ビットDDR4メモリが、データの安全性を最大限に高めます。最大7つの演算ユニットをもつAMD Radeon™グラフィックスが統合され、高性能なグラフィックス処理が要求されるアプリケーションや利用形態を持続的にサポートします。
conga-TCV2は、3つのDisplayPort 1.4/HDMI 2.1と1つのLVDS/eDPを介して、4k60 UHD解像度の独立したディスプレイを最大4台までサポートします。インタフェースには、PEG 3.0 x8、PCIe Gen 3 x8、USB 3.1 Gen 2 x2、USB 2.0 x8、SATA Gen 3 x2、Gbit Ethernet x1、GPOIs I/O x8、SPI、LPC、およびボードコントローラが提供するレガシーUART x2などが装備され、性能を重視した仕様となっています。
サポートするハイパーバイザおよびオペレーティング・システムには、RTS社ハイパーバイザのほか、Microsoft Windows 10、Linux/Yocto、Android Q、Wind River VxWorksが含まれます。安全性が重視されるアプリケーションでは、統合されたAMD Secure Processorが、ハードウェア上でRSA、SHA、AESの暗号化や復号化を高速処理します。TPMサポートも搭載済です
[6]。
新しい
conga-TCV2高性能COM Express Compact Type 6モジュールの詳細については、
https://www.congatec.com/jp/products/com-express-type6/conga-TCV2/ をご覧ください。
脚 注
[1] 前世代の AMD Ryzen™ Embedded V1000 でははるかに大きなCOM Express Basic のフットプリントが必要でした.
[2] Ryzen™ Embedded V2000 SoCs は最大8個のCPU コアを搭載。Ryzen™ Embedded V1000 SoCsは最大4個のCPUコアを搭載。EMB-168
[3] テストはAMD Performance Labsによって、2020年7月時点のRyzen™ Embedded V2718および、2018年6月時点のRyzen Embedded V1605Bプロセッサを用い、いずれも15ワット(STAPMモード有効)でCinebench R15 ntにより測定。実際の結果は環境により異なる場合があります。EMB-170
[4] AMD 「Zen 2」 CPUベースのシステムは、前世代のAMD 「Zen」ベースのシステムをSPECint® base2006で測定したスコアよりも15%向上。SPEC® およびSPECint®はStandard Performance Evaluation Corporationの登録商標です。www.spec.org を参照してください。GD-141
[5] AMD Ryzen および Athlon プロセッサの最大ブーストは、バーストに対応するシングルスレッドのワークロードを実行するプロセッサ上のシングルコアで達成可能な最大周波数です。最大ブーストはさまざまな要因に応じて変動します。要因としては、サーマルグリス、システム冷却、マザーボード設計およびBIOS、最新のAMD チップセットドライバ、最新のOSアップデート等が挙げられますが、この限りではありません。GD-150
[6] ビデオコーデックのアクセラレーション(少なくともHEVC(H.265)、H.264、VP9、AV1コーデックを含む)は、対応するメディアプレーヤーを搭載/インストールしないと動作しません。 GD-176
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コンガテックについて コンガテックは、産業用組込みコンピューティングに特化したテクノロジーと製品で急速な成長を遂げている企業です。高性能コンピュータモジュールは、産業オートメーション、医療、輸送、通信、その他多くの業種のさまざまな用途やデバイスに対応しています。スタートアップからグローバル優良企業まで、優れた顧客基盤をもつコンピュータオンモジュール分野のグローバルマーケットリーダです。 2004年設立、ドイツのデッゲンドルフに本社を置き、2019年の売上高は1億2,600万ドルです。詳しくは、当社ウェブサイトhttps://www.congatec.com/jp/ またはLinkedIn、Twitter、YouTubeをご覧ください。
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コンガテック ジャパン株式会社 奥村
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