パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会の理事会は、イタリア北部のパルマ、レッジョ・エミリア、モデナ、ボローニャ、マントヴァ県を含む生産地域の病院支援のために100万ユーロを寄付することを決定しました。これは主に救急車や人工呼吸器の購入に充てられます。また今回の感染爆発時における英雄である医療スタッフ用の食事や病院食のためのチーズも提供します。
幸い、現在の状況下でもパルミジャーノ・レッジャーノのチーズ作りや農場からチーズ工房へのミルクの輸送は「必要不可欠な仕事」として許可されています。欧州食品安全機関(efsa) によると、食品を介したコロナウィルスの感染の報告はありません。工房では、政府の指示に従い、職人同士の距離を保ってチーズを生産しています。
ただ限定生産地域内に330軒あるチーズ工房のスタッフ全員が免疫を保てるとも限りません。そこで協会は、潜在的な職人不足に対処するため引退したチーズ職人や退職したスタッフのデータベースを作り、人材が必要となった工房の応援要請に対応できるネットワークを構築しました。
また、酪農場併設のチーズ工房の中で万一健康上の理由からチーズ作りを中断し、飼育する牛のミルクを飲用として販売せざるを得ない作り手が出た際には、利益の損失を補うための経済的支援をします。
パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会のニコラ・ベルティネッリ会長は下記のように述べました。「パルミジャーノ・レッジャーノは9世紀前から変わらぬ材料と職人技、ほぼ変わらない完全にナチュラルな製法で、添加物を一切使わずに作られています。この土地ならではの微生物の働きを活かすため、ミルクは加熱殺菌しない、冷蔵保存しない、遠心分離しない等の厳しい規定も設けられおり、チーズを毎日休みなく製造するということも規定で定められています。製造を止めることは我々のサプライチェーンに悪影響が出てしまうので極力避けなければなりません。パルミジャーノ・レッジャーノは常に人々の支援に頼ってきました。例えば2012年にエミリア・ロマーニャ州で起きた大地震によって多くのチーズ玉が熟成庫の棚から崩れ落ちた際も、消費者の皆さんがそれらを購入することで我々を応援してくれました。この未曽有の事態に直面し、我々も地域のために出来る限りのことをしたいと思います。また食品がウィルスの感染経路になることはありませんので、皆さんも安心してパルミジャーノ・レッジャーノを召し上がってください。」
パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会は、1934 年に設立されたこのチーズの全生産者が所属している非営利団体です。チーズの品質審査および本物の証としての押印を行い、世界中に広く出回る模倣品から本物を守り、正しい知識や認知度、そして消費量を向上させるための活動も行っています。北イタリアの限定生産地域内に、酪農場が2,820箇所、チーズ工房が330軒あり、イタリア全土の牛乳生産量の15.9%である192万トンのミルクがパルミジャーノ・レッジャーノ用に生産されています。生産量は147,692トンで、生産出荷レベルでの推定売上高は14億ユーロと、PDO(原産地呼称保護)製品の中で価格ベースでNo.1を誇ります。サプライチェーン内で従事する人の数は50,000人です。(すべての数字は2018年のデータ)
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パルミジャーノ・レッジャーノ・インフォメーション・センター
(株) 旭エージェンシー内
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