イタリアチーズの王様の魅力を伝えるオンラインセミナー開催
パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会(CFPR:イタリア、レッジョ・エミリア市)は、去る9月3日、日本チーズアートフロマジェ協会(CAFAJ)と共催で、
「パルミジャーノ・レッジャーノで楽しむプラトー作りと多彩な味わい方」と題したオンラインセミナーを開催しました。参加したのは、日本チーズアートフロマジェ協会の会員やチーズ好きの一般の方など
50名。オンライン開催のため、北は北海道から南は九州まで日本各地から参加者が集まりました。
イタリアチーズの王様と称されるパルミジャーノ・レッジャーノは、900年以上前から北イタリアの限られた地域のみで、添加物を一切使わずに職人の手により作られています。通常、約2年という長い熟成の間に生まれる深い旨味と独特な食感が特長で、パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会の厳しい審査を合格したものだけがその名を名乗ることができます。
講師を務めたのは、
日本チーズアートフロマジェ協会の副理事長の村瀬美幸氏。世界最優秀フロマジェコンクール2013で優勝した実力者です。紹介したのは、イタリアのアペリティーボ(食前酒やおつまみを楽しむ習慣)で出てくるワインのおつまみセットをイメージして作ったという
チーズプレート2種。輸入食材を扱うスーパーなどで比較的手に入りやすい約250gのパルミジャーノ・レッジャーノの真空パックと、イタリアの協会オリジナルカッティングボードを使ったもので、ひとつは専用のアーモンド型ナイフで一口大に割ったパルミジャーノ・レッジャーノと、プルーン、赤や緑のブドウ、枝豆、胡瓜、パプリカ、ミニトマト、ドライいちじくやナッツ、グリッシーニと盛り付けたもの。このチーズと分かるようにPARMIGIANO REGGIANOの点文字が刻印された皮もあしらい、味の変化を楽しめるように一部にピンクペッパーや黒胡椒を振りかけています。
もう一つは、割ったチーズや薄くスライスしたチーズ、ナッツやグリーン系、赤系の野菜や果物を配色良く1列ずつ並べたもの。村瀬氏は「瑞々しい野菜やフルーツと一緒に盛り付けると、見た目に美しいだけでなく、
チーズのタンパク質やカルシウムに食物繊維やビタミンCが加わり、栄養バランスも良くなります。」とコメントしました。
参加者にも同様のチーズとボードを送り、自身のプラトーを#パルミジャーノレッジャーノのチーズアート などのハッシュタグをつけてSNSに投稿するよう促したところ、10名以上が思い思いの写真を投稿しました。
お薦めの飲み物は、パルミジャーノ・レッジャーノと同郷のエミリア・ロマーニャ州で作られるフルーティーな微発泡の赤ワインである
ランブルスコや、桃のネクターをスパークイングワインで割った
ベリーニのようなカクテルの他、同じ発酵食品である
日本酒、とりわけ酵母を多く残した薄濁りのタイプ、そしてアルコールに限らずレモンやミントを浮かべた
紅茶などです。
さらに村瀬氏が紹介してくれたのは、
「パルミジャーノ・レッジャーノのポップコーン風」。硬い皮の部分を、チーズを少し残して2-3cm角にカットし、皮を下にして電子レンジで1分半ほど加熱すると、まるでポップコーンのように膨らみ、ビールにピッタリなおつまみになります。村瀬氏は「パルミジャーノ・レッジャーノは皮の部分にも添加物は一切使われていなく、ワックスも塗られていません。旨味が詰まっている部分なので、捨ててしまうのは勿体ないです。レンジやオーブンで加熱したり、
スープの煮込みに出汁としてぜひ使ってみてください。一度やってみると皮付のパルミジャーノ・レッジャーノを買いたくなりますよ。」と説明しました。
また、アーモンド型専用ナイフで
「割る」、スライサーで
「スライスする」、グレーターで
「粉におろす」という
3パターンの基本の動作も画面越しに紹介しました。おつまみやおやつとして楽しむには、粒状の構造を活かし、ごつごつとした表面を残すように
「割る」のがお薦め。口の中で旨味がゆっくり溶けていきます。村瀬氏は「ビールや日本酒には少し大きめに、スパークリングワインと合わせる時は少し小さめに割って繊細な風味を楽しむと良いですよ。」とコメント。
皮むき器でも代用できるスライサーで
「スライス」したものは、食感が似ているサラダやローストビーフ、カルパッチョに乗せたり、甘みのある無花果や洋梨などのフルーツにトッピングするのがお薦め。
粉におろしたものは、パスタやリゾットなど様々な料理に使えますが、グレーターの刃の粗さによって削られ方が異なるため、塩味を柔らかくしたい時はふんわり削れる目の細かいグレーターを使い、独特の食感を少し残したい場合は目の粗いものを使うのがお薦めです。
村瀬氏は「いずれの場合も、割りたて、
削りたてが香りも風味も抜群なので、
召し上がる食前にやってくださいね。」と述べました。
パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会は、皆が家で過ごす時間が多くなった今、お家で楽しめるパルミジャーノ・レッジャーノの魅力を、このようなオンラインセミナーや協会のFacebookやInstagramといったSNSで発信してゆきます。
パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会は、1934年に設立されたこのチーズの全生産者が所属している非営利団体です。チーズの品質審査および本物の証としての押印を行い、世界中に広く出回る模倣品から本物を守り、正しい知識や認知度、そして消費量を向上させるための活動も行っています。北イタリアの限定生産地域内に、酪農場が2,820か所、チーズ工房が321軒あり、イタリア全土の牛乳生産量の16%である194万トンのミルクがパルミジャーノ・レッジャーノ用に生産されています。2019年の生産量は150,167トン (前年比1.47%増)で、生産出荷レベルでの推定売上高は15.6億ユーロと、PDO(原産地呼称保護)製品の中で価格ベースでNo.1を誇ります。サプライチェーン内で従事する人の数は50,000人です。輸出シェアは41%(前年比4.3%増)で、2019年の輸出先はフランス(輸出全体の21%)、アメリカ(20.9%)、ドイツ(17.8%)、イギリス(12.3%)、カナダ(3.9%)で、対日輸出量は891トンでした。(すべての数字は2019年のデータ)
- 本件に関するお問合わせ先
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パルミジャーノ・レッジャーノ・インフォメーション・センター
(株) 旭エージェンシー内
E-mail: info@parmigianoreggiano.jp
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