パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会がオンライン・リアルのプレスセミナー開催
パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会(CFPR:イタリア、レッジョ・エミリア市)は、去る11月19日および11月20日、オンラインとリアル開催にて報道関係者計20名向けのプレスセミナーを開催しました。
イタリアチーズの王様と称されるパルミジャーノ・レッジャーノは、北イタリアの限られた地域のみで、9世紀の伝統を守り、添加物を一切使わずに職人の手により作られています。通常、約2年という長い熟成の間に生まれる深い旨味と独特な食感が特長で、パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会の厳しい審査を合格したものだけがその名を名乗ることができます。
講師を務めたのは、
日本チーズアートフロマジェ協会の副理事長の村瀬美幸氏。世界最優秀フロマジェコンクール2013で優勝した実力者で、「フロマジェ」(チーズの専門家)の育成に尽力しています。セミナー冒頭の
パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会、広報担当アンドレア・ロブスキからのビデオメッセージの後、村瀬氏がこのチーズについて詳しく説明し、多くの日本人が誤解している点について下記のように述べました。
「
「パルメザン」という名は、ヨーロッパではパルミジャーノ・レッジャーノの英語やフランス語読みを指すのですが、
日本では一般名称化しており、米国や日本製の場合が多く、本場のパルミジャーノ・レッジャーノとは全くの別物です。ぜひパルミジャーノ・レッジャーノとフルネームで覚えて頂けたら幸いです。」
その後、村瀬氏はこのチーズの歴史や、製造工程のビデオを使って、熟練の職人が手作業で丁寧に作っている様子を説明し、パルミジャーノ・レッジャーノの
テイスティングを行って、
常温に戻し、アーモンドナイフで
割って食べること、今回はドライパイナップルやオレンジのような柑橘系の香りがすること、口の中で噛むと
鼻に抜けるフルーティーなアロマを感じられることや、
アミノ酸の結晶、
旨味、独特の
粒状の組織について解説しました。
次に、合う飲み物としてプロセッコなどのスパークリングワインや、同郷の赤の微発泡ワイン、ランブルスコ、日本酒や、モスト・ドゥーヴァと呼ばれるモデナ産の伝統的なぶどうジュースを挙げました。
セミナーの後半では、
パルミジャーノ・レッジャーノを使ったチーズプレートが紹介されました。料理に使うイメージが強いこのチーズですが、本場イタリアではかち割って
おやつや、お酒のおつまみとして食べることも多く、野菜やフルーツ、ナッツと盛り付ければ、
彩りだけでなく味や栄養のバランスも良くなります。
料理への活用としては、
「蓮根パルミジャーノ・レッジャーノせんべい」、
「シーザーサラダ」、
「カブパッチョ」の3品に加え、皮の部分も余すことなく使えるという特徴を活かした
「パルミジャーノ・レッジャーノの皮のオーブン焼き」も紹介されました。
最後に、「
チーズの王様と呼ばれる所以としてエピソードを教えてください。」という質問に対して村瀬氏は、「パルミジャーノ・レッジャーノはイタリアを代表する有名なチーズなので、各地で模倣品が作られてきました。そこで、
限られた地域で作られる製品をその原産地の名前で呼び保護する、という概念は、イタリアではパルミジャーノ・レッジャーノから生まれました。」と語りました。
パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会は今回のようにこのチーズの正しい知識や万能性、そして美味しさを伝える啓蒙活動を通じて、より日本での消費拡大を目指して参ります。
パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会は、1934 年に設立されたこのチーズの全生産者が所属している非営利団体です。チーズの品質審査および本物の証としての押印を行い、世界中に広く出回る模倣品から本物を守り、正しい知識や認知度、そして消費量を向上させるための活動も行っています。北イタリアの限定生産地域内に、酪農場が2,753箇所、チーズ工房が321軒あり、イタリア全土の牛乳生産量の16%である194万トンのミルクがパルミジャーノ・レッジャーノ用に生産されています。生産量は150,167トンで、生産出荷レベルでの推定売上高は15.6億ユーロと、PDO(原産地呼称保護)製品の中で価格ベースでNo.1を誇ります。サプライチェーン内で従事する人の数は50,000人です。(すべての数字は2019年のデータ)
- 本件に関するお問合わせ先
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パルミジャーノ・レッジャーノ・インフォメーション・センター
(株) 旭エージェンシー内
E-mail: info@parmigianoreggiano.jp