既存の核酸アナログからテノホビル アラフェナミドへ切り替えた患者ではALT値の維持・改善、ウイルス量抑制などの有効性を示し一部の患者では腎機能も改善
ギリアド・サイエンシズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:ルーク・ハーマンス)は、既存の核酸アナログからベムリディ®
1へ切り替えた際の有効性・安全性を評価した国内の大規模実臨床データが、アジア太平洋肝臓学会議(APASL: Asian Pacific Association for the Study of Liver)2020にて3月5日に発表されたことをお知らせいたします。
「B型慢性肝炎における核酸アナログ製剤Tenofovir alafenamideへ切り替えの実臨床成績—多施設共同研究 “Clinical outcomes of chronic hepatitis B patients who switched from entecavir or tenofovir disoproxil fumarate to tenofovir alafenamide”」と題された本研究では、九州大学関連肝疾患治療研究会(KULDS)のデータを用い、実臨床におけるベムリディへの切り替えの有効性と安全性を評価しました。
この研究には、エンテカビル(ETV)やテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(TDF)で2年以上治療を受けた後にベムリディへ切り替えた323人のB型慢性肝炎患者が参加していました。ETVから切り替え後48週時のウイルス学的効果と肝機能、腎機能を評価したところ、血中アラニンアミノ基転移酵素(ALT)値の維持・改善とウイルス量抑制が見られ有効性を確認しました。また、TDFから切り替えた一部の症例では腎機能の改善も認められました。
主な発表内容は下記の2点です。
●ETVからベムリディへの切り替え
ETVからの切り替え群(n=192)では、切り替え後48週時にウイルス量が抑制(HBV DNA量<20 IU/mL)された症例の割合が75.5%から96.4%に増加し、ウイルス量が抑制され且つALT値が正常化(<30 U/L)した症例の割合も62.0%から78.6%(P<0.001)へと有意に上昇しました。また、腎機能の指標である推算糸球体濾過量(eGFR)は、切り替え前(eGFR +0.40mL/min/1.73m
2)とほぼ同様でした。
●TDFからベムリディへの切り替え
TDFからの切り替え群(n=131)では、ウイルス量が抑制された症例の割合は切り替え後48週時まで高率(97.7%)に維持されました。ALT値の正常化とウイルス量抑制の両者を達成した割合は67.2%から76.3%(P=0.12)に上昇しました。また、慢性腎臓病を合併した症例(eGFR<60)の腎機能は、非合併例と比較して切り替え後に有意に改善(eGFR +3.70mL/min)(P<0.001)しました。
九州大学病院総合診療科 診療講師 小川栄一氏は次のようにコメントしています。「今回、九州大学を中心とするKULDSのデータを検証した結果、ベムリディへの切り替えによりウイルス学的効果が更に強化され、TDFから切り替えた慢性腎臓病合併症例では、明らかな腎機能改善が認められました。市販後の本データを通して、ベムリディによる治療の有効性と安全性プロファイルに新たな知見が示されたと思います。」
1 ベムリディは2016年12月にB型肝炎ウイルスの増殖を伴い肝機能の異常が確認された成人のB型慢性肝疾患患者を対象として製造販売承認を取得しました。一般名は「テノホビル アラフェナミドフマル酸塩」。
ギリアド・サイエンシズについて
ギリアド・サイエンシズ・インクは、医療ニーズがまだ十分に満たされない分野において、革新的な治療を創出、開発、製品化するバイオファーマ企業です。会社の使命は、生命を脅かす病を抱える世界中の患者さんのために医療を向上させることです。カリフォルニア州フォスターシティーに本社を置き、世界35か国以上で事業を行っています。
ギリアド・サイエンシズ・インクの詳細については
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