●渋沢栄一の孫・渋沢敬三が主導した私設博物館“アチック・ミューゼアム”同人と熊本県の須恵村調査をおこなった文化人類学者ジョン・エンブリー。1930年代にそれぞれの方法に基づいて始められた二つの日本農村研究の軌跡と交差の様相を8人の講師によって総合的に検討する国際研究フォーラム。
●“アチックミューゼアムソサエティ”を前身とする神奈川大学日本常民文化研究所、文部科学省認定共同研究拠点 国際常民文化研究機構の共同開催。
◆第23回常民文化研究講座・国際研究フォーラム
「交差する日本農村研究 --アチック・ミューゼアムとジョン・エンブリー」Internal and External Views of Japanese Villages
日本農村の社会学的研究は、工業化が引き起こした農村問題に対処した米国の農村社会学の影響下に始まったといわれています。1930年代に盛んになった日本農村の実証的な研究も、工業化で疲弊する農村の救済を念頭に置いていましたが、同時に、アチック・ミューゼアム同人の活動がその一端を示したように、農村生活についての学術的な資料を収集するための調査手法が開発され、農村の社会構造から日本の社会結合の基本形態が析出されました。
ちょうど同じ頃には、国外の研究者による初めての本格的な日本農村研究―ジョン・エンブリーの須恵村調査―がおこなわれ、文化人類学者による日本社会の特質をめぐる議論の端緒となりました。学術的な関心に根ざしたこの議論は、しかし、対日戦争と占領のなかで新たな実践的課題に結びついていきました。
このように日本農村は、内外の研究者の視線が交差し、また、実践と理論あるいは学術的な関心とが交差する研究領域でありました。アチック・ミューゼアムとジョン・エンブリーを窓口に日本農村研究を振り返り、交差する視線と関心の有り様を明らかにしたいと考えます。
【日 程】 2019年12月14日(土)10:00~18:00
【会 場】 横浜キャンパス 3号館305講堂
【プログラム】
■趣旨説明
泉水 英計(日本常民文化研究所・国際常民文化研究機構)
■第一部(10:15~12:45)
内からみた日本農村―アチック同人を中心に
○アチック・ミューゼアムの村落報告書とシカゴ学派のコミュニティ・スタディの対比
全 京 秀(ソウル大学名誉教授・日本常民文化研究所客員研究員)
○有賀喜左衛門における海外研究者の摂取について:遺稿類から
三須田 善暢(岩手県立大学盛岡短期大学部)
○ティームワークのハーモニアス・デヴェロープメントという理想 ―アチック・ミューゼアムにおける共同研究を考えて―
アラン・クリスティ(University of California, Santa Cruz)
・コメント:加藤 幸治(武蔵野美術大学)
■第二部(13:30~18:00)
外からみた日本農村―ジョン・エンブリーを中心に
○写真と解説:エンブリーの見た須恵村の復元とその現代的意義
神谷 智昭(琉球大学)
○エンブリー夫妻の日米戦争と須恵村の協同
田中 一彦(ジャーナリスト・元西日本新聞社)
○John Embree in the Cold War(冷戦のなかのエンブリー)
デイビット・プライス(Saint Martin's University)
○文化人類学的日本研究のなかの『須恵村』
桑山 敬己(北海道大学名誉教授・関西学院大学)
○エンブリーのハワイ島コナ日本人異文化接触論
内海 孝(東京外国語大学名誉教授)
・コメント:飯島 真里子(上智大学)
【共 催】 神奈川大学日本常民文化研究所・国際常民文化研究機構
【参加費】 無料
【参加申込】 事前のお申込みが必要です。詳細は下記をご覧ください。
【お申込み】
「講座・国際フォーラム 参加希望」を明記の上、(1)氏名 (2)郵便番号 (3)住所 (4)電話番号を記載し、メール、FAXまたは葉書にて、12月9日(月)までにお申し込み下さい。 当日参加も歓迎いたしますが、定員(150名)に達し次第締め切らせていただきます。
※お申し込みの際にいただいた個人情報は講座の実施・運営にのみ使用いたします。
【宛 先】
Mail: jomin-kouza23@kanagawa-u.ac.jp
FAX: 045-413-4151
〒221-8686 神奈川県横浜市神奈川区六角橋3-27-1 神奈川大学日本常民文化研究所
▼本件に関する問い合わせ先
神奈川大学日本常民文化研究所
TEL:045-481-5661
FAX:045-413-4151
メール: jomin-kouza23@kanagawa-u.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
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