アストラゼネカのSGLT2阻害剤フォシーガ EUで2型糖尿病に関する添付文書を改訂

DECLARE-TIMI 58 試験の心血管アウトカムおよび腎関連の良好なデータに基づき

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、2019年8月5日、SGLT2阻害剤フォシーガ(一般名;ダパグリフロジン)の成人2型糖尿病患者さんを対象とした第III相DECLARE-TIMI 58試験の心血管アウトカムや腎に関連する良好なデータを、EUにおける販売承認内容に追加することを、欧州委員会が承認したことを発表しました。本試験に登録された症例の大半は心血管疾患の既往歴がない患者さんでした。

バイオ医薬品研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは次のように述べています。「2型糖尿病患者さんにとって、心不全は心臓発作や脳卒中よりも前に発症する最も早期の心血管合併症の一つです。第III相DECLARE-TIMI 58試験において、フォシーガは2型糖尿病患者さんの心不全による入院あるいは心血管死の複合エンドポイントにおいてリスク低下を示しました。今回添付文書が改訂され、心血管リスク低下のデータ記載が加わった本剤を、欧州の2型糖尿病患者さんにお届けすることをうれしく思います」。

第III相DECLARE-TIMI 58試験では、フォシーガの有効性に関する主要評価項目として設定された2つの評価項目のうち、心不全による入院または心血管死の複合評価項目において、プラセボとの比較で統計学的に有意な低下を示しました。もう一つの主要評価項目である主要心血管イベント(MACE)の発現頻度は、フォシーガ群でより数値上少なかったものの、統計学的な有意差は認められませんでした。

DECLARE-TIMI 58試験で確認された安全性プロファイルは、これまでに確立されたフォシーガの安全性プロファイルと一貫していました。本試験により、フォシーガ群とプラセボ群における四肢切断、骨折、膀胱がんあるいはフルニエ壊疽の発現頻度に有意な群間差がなかったことが示されています。

DECLARE-TIMI 58試験データの添付文書への追加については、現在米国および中国において規制当局の審査中です。本邦においてフォシーガは、心血管イベント、心不全あるいは死亡のリスク低下を効能とした承認は取得していません。

以上

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DECLARE-TIMI58試験について
DECLARE(Dapagliflozin Effect on Cardiovascular Events[心血管系イベントに及ぼすダパグリフロジンの影響])-TIMI 58試験は、広範な患者集団を対象として実施されたナトリウム・グルコース共輸送体2に作用する選択的阻害剤(SGLT2阻害剤)に関する最大規模の心血管アウトカム試験です。本試験は、アストラゼネカが実施する第III相無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同試験で、複数の心血管リスク因子、あるいは、心血管疾患の既往歴を有する患者さんを含む、心血管イベントリスクが高い成人2型糖尿病患者さんを対象に、フォシーガによる治療が及ぼす影響をプラセボとの比較で評価しました。DECLARE-TIMI58試験には、日本を含む世界33カ国882施設から17,000例超の患者さんが登録され、TIMI試験グループ(米・マサチューセッツ州ボストン)がHadassah Hebrew大学メディカルセンター(イスラエル・エルサレム)と協力し、独立して実施されました。DECLARE-TIMI 58試験の全結果は、2019年1月にThe New England Journal of Medicineに掲載されました。

フォシーガについて
フォシーガ (ダパグリフロジン) は、ナトリウム・グルコース共輸送体2に作用するファーストインクラスの選択的阻害剤(SGLT2阻害剤)で、成人2型糖尿病患者さんの食事、運動療法の補助治療としての血糖コントロールの改善を適応とし、単剤療法または併用療法の一環として使用されます。また、本邦では2019年3月、1型糖尿病の適応を取得しました。フォシーガの強固な臨床試験プログラムは、終了済みの試験を含め35,000例以上の患者さんを対象とする35件以上の第IIb/III相試験から構成されており、フォシーガはこれまでに250万患者年以上に処方されました。

アストラゼネカの循環器・腎・代謝(CVRM)領域について
循環器・腎・代謝領域は、アストラゼネカの3つの主要治療領域のひとつであり、重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、循環器・腎・代謝疾患をもつ世界中の何百万人もの患者さんの健康と、治療法の進歩に貢献する革新的なサイエンスを継続的に提供し、疾患の治療・進展抑制、さらには臓器およびその機能の再生の実現を目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

本件に関するお問合わせ先
アストラゼネカ株式会社
東京都千代田区丸の内1-8-3 丸の内トラストタワー本館
コーポレートアフェアーズ統括部 池井
JPN.Ex.Comm@astrazeneca.com
Tel: 03-6268-2800 / 070-1369-2228

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組織名
アストラゼネカ株式会社
ホームページ
https://www.astrazeneca.co.jp/
代表者
ステファン・ ヴォックスストラム
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海外市場
所在地
〒530-0011 大阪府大阪市北区大深町3番1号グランフロント大阪タワーB

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