筑波学院大学はこのたび、茨城県稲敷郡の阿見町と連携協定を結び、地域の文化資源を発掘し、新ビジネスを創出する計画を発表。3月25日に調印式が行われた。
筑波学院大学(茨城県つくば市 学長:大島愼子)はこのたび、茨城県稲敷郡の阿見町と連携協力協定を締結した。協定に基づいて同大は2019年度に「地域デザイン学芸員」を養成する授業を通して、阿見町の文化や資源を掘り起こし、付加価値を付けた商品やサービスを開発して、図書館や空き店舗などで発信することを目指す。
阿見町は霞ヶ浦に面する一部を除くと、畑作が中心の農村地帯であるが、1921年に海軍が霞ヶ浦飛行場を開設し、翌年上郷に霞ヶ浦海軍航空隊が開隊されると、海軍航空の地として賑わった。1929年にはツェッペリン伯号飛行船が寄港した地として有名である。
このたびの協定で、筑波学院大学では、同町の地域資源に付加価値を付けてビジネスを起こす同学芸員の育成を目指す。担当する同大の塚原正彦教授は、同町の地域資源について予科練平和記念館や、霞ケ浦のセーリングなどのスポーツ、医療用漢方製剤工場として世界一の規模のツムラ茨城工場の漢方記念館・薬草見本園などを例に挙げ、「食・健康・スポーツをテーマに今までにないものをつくることができれば」と話した。
同大は18年7月から文科省の職業力実践プログラム(BP)を地域デザイン学芸員で取得し、社会人や学生の人材養成に取り組んでいる。初年度である平成30年は、大学図書館を「おいしいミュージアム」として、県内の特産品である笠間焼の食器や結城紬のテーブルセンターを使い、さつまいもの品種で紅はるかを使ったデザートを開発して、本を読みながら地域の特産品を楽しむ空間を演出した。また、牛久市を舞台に授業を実施し、茶葉、イチゴなどに着目し、ブックレットを作成したりスイーツを作るなどした。
2年目の2019年は阿見町を舞台にして地域の宝物である観光資源を発掘する。
また、この成果を生かして同町は、未来ビジョンやアクションプログラムを策定し、ビジネスにつなげる具体的な動きをつくっていくという。
同大は、14年前から実施している、学生が地域に出て企業や市民団体などと活動する「オフキャンパスプログラム」を、新たに阿見町の企業や地域団体でも展開する予定である。
阿見町同の千葉繁町長は「阿見町はポテンシャルがあるが有効活用できなかった。町の宝探しをしてくれるということなので、宝物を学生に見つけていただき、阿見町が地域で抜きん出るようなまちづくりを進めたい」と話し、同大の大島慎子学長は「ヨーロッパでは学芸員が地域の観光資源を観光産業に変えていく活動をしている。阿見町も今年の茨城国体では霞ケ浦がセーリングの会場であり、また、近隣の美浦村は乗馬が盛んな地域であり、新しい街のイメージをつくるように、ビジネス化できる内容を育てたい」と話している。
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