本資料はアストラゼネカ英国本社が2018年12月20 日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は2018年12月20日、加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)を用いるPT003(製品名Bevespi Aerosphere、グリコピロニウム[長時間作用性ムスカリン受容体拮抗薬(LAMA)]14.4µgとホルモテロールフマル酸塩[長時間作用性β2刺激薬(LABA)]9.6µgの配合剤)を、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の成人患者さんの症状を緩解する2剤気管支拡張薬維持治療として欧州連合(EC)が承認したことを発表しました。PT003はECにより承認された本クラスの製品として初めてpMDIを用いた製品です。本承認によりCOPD患者さんに重要かつ新しい吸入器の選択肢を提供します。
アストラゼネカのグローバル医薬品開発部門呼吸器領域の責任者であるDr. Colin Reisnerは次のように述べました。「米国およびその他の国々のCOPD患者さんに使用されているPT003が、今回の承認によって欧州の患者さんにもお届けすることが可能になりました。PT003はAerosphere薬物送達技術という次世代の加圧噴霧式定量吸入器を用いた、初めての2剤気管支拡張剤治療薬です。」
英国Imperial College LondonのNational Heart & Lung InstituteおよびRoyal Brompton Hospitalの呼吸器内科顧問医師であるDr. Omar Usmaniは次のように述べました。「PT003は、特に呼吸機能が低下した高齢のCOPD患者さんにはpMDIの利点を生かすことができ、重要な治療選択肢となります。PT003の有効性および安全性プロファイルは第III相PINNACLE試験プログラムにおいて確立されています。」
PT003は、長時間作用性ムスカリン受容体拮抗薬(LAMA)のグリコピロニウムと、長時間作用性β2刺激薬(LABA)のホルモテロールフマル酸塩の2剤を定量配合した気管支拡張薬です。ECの承認は、5,000例を超える中等症から最重症のCOPD患者さんを対象にPT003の有効性と安全性を検討した第III相PINNACLE試験プログラムに基づいています。
PT003は米国、カナダ、オーストラリア、トルコおよび台湾においてCOPDの長期維持療法の2剤気管支拡張薬としても承認されています。なお、本邦では未承認です。
以上
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慢性閉塞性肺疾患(COPD)について
COPDは、肺の気流閉塞を引き起こし、労作性の息切れ症状を呈するようになる進行性の疾患です
1。COPDは世界中で推定3億8,400 万人に影響を与え、2020年までに死因の第3位になると予測されています
1,2。COPD治療においては呼吸機能の改善や増悪の減少、また、息切れなどの日常的な症状を管理することが重要な治療目標です
1。
第III相PINNACLEプログラムについて
PINNACLE 1, 2および4 試験は、PT003の加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)を用いた1日2回投与の有効性と安全性を、各単剤療法(グリコピロニウムおよびホルモテロールフマル酸塩)ならびにプラセボ群との比較で検討した、24週投与無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間多施設共同試験です
3,4,5。PINNACLE1試験では、非盲検チオトロピウムが実薬比較対照薬として含まれました3。PINNACLE 3試験は、PINNACLE 1 および2試験の28週投与無作為化二重盲検連用実薬対照並行群間多施設共同安全性延長試験で、PT003をpMDIにより1日2回投与した長期の安全性、忍容性および有効性を、各単剤療法との比較で検討しました
6。これらの試験はすべて、中等症から最重症COPD患者さんを対象として実施されました。
PT003(Bevespi Aerosphere)について
PT003は、長時間作用性ムスカリン受容体拮抗薬(LAMA)のグリコピロニウムと、長時間作用性β2刺激薬(LABA)のホルモテロールフマル酸塩の2剤を加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)に定量配合した気管支拡張薬です。COPD治療において、呼吸機能の低下や高齢化、手先の動きや認知力の低下は、薬剤の治療効果を確保するうえで重要な検討事項となるため、pMDIはCOPD患者さんにとって重要な選択肢です
7,8。PT003は、Aerosphere Delivery Technology(薬物送達技術)を用いた、唯一のLAMA/LABA配合剤です。画像試験により、PT003が気道全体に効果的に薬剤を送達することが示されています
9。また、Aerosphere 薬物送達技術は、当社のブデソニド・グリコピロニウム・ホルモテロールフマル酸塩の3剤配合剤として開発されているPT010の技術基盤にもなっています。
アストラゼネカの呼吸器疾患領域について
呼吸器疾患はアストラゼネカの主要疾患領域のひとつで、製品ポートフォリオは年々成長し、2017年には世界中の1,800万人以上の患者さんに当社製品をお届けしました。アストラゼネカは、吸入配合剤を中心に、特定の疾患治療のアンメットニーズに応える生物学的製剤や、疾患修飾における科学の進展を通じて、喘息およびCOPD治療を向上させることを目指しています。
アストラゼネカは、呼吸器領域における40年の歴史をさらに発展させており、当社の吸入器技術は加圧噴霧式定量吸入器、ドライパウダー吸入器、ならびにAerosphere薬物送達技術などに及びます。また、当社の呼吸器生物学的製剤には、好酸球性の重症喘息治療薬として承認され、重症鼻ポリープ症の治療薬として開発中のファセンラ(抗好酸球、抗IL-5受容体α抗体)、および米国食品医薬品局(FDA)から画期的治療薬(ブレークスルー・セラピー)の指定を受けた、第III相臨床試験を実施中のtezepelumab(抗TSLP抗体)が含まれます。アストラゼネカは、肺上皮組織、肺免疫および肺再生に焦点を当てた、疾患発症機序を解明する研究を行っています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、自己免疫、ニューロサイエンスおよび感染症の領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については
http://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
References
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- AstraZeneca. Aerosphere Delivery Technology – Global Core Claims Guide.