【会期・会場】
東京展=2018年9月12日(水)~18日(火) 日本橋高島屋6階美術画廊
大阪展=2018年10月31日(水)~11月6日(火) 大阪高島屋6階美術画廊
京都展=2018年12月5日(水)~11日(火) 京都高島屋6階美術画廊
横浜展=2018年12月19日(水)~25日(火) 横浜高島屋7階美術画廊
※各会場とも、最終日は午後4時にて閉場
「花卉ひととせ」168×374cm(六曲半双)屏風
このたび高島屋では、岩田壮平先生の個展を開催いたします。
岩田先生は1978年愛知県生まれ、3歳より14年間華道池坊に入門後、日本画を志し2002年金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科絵画専攻を修了。2008年、若手日本画家の登竜門とされる第7回菅楯彦大賞展大賞を受賞。さらに2015年には第6回東山魁夷記念日経日本画大賞展大賞を受賞し、今や若手としてではなく真の実力派として人気を博しています。
幼少より華に触れた知識と経験を糧としながらも常に新鮮な感覚でモチーフと対峙し、鮮烈で豊かな色彩表現で、日展を中心に個展・グループ展と精力的に作品を発表されています。
体液にも近い膠と岩絵具が交わる垂らし込みにより彩られていく鮮烈な画面は、単に「美しい」だけでなく、生命における明快かつ厳格な「生きるという行為」をドラスティックなまでにそしてエロティシズムをも感じさせる表現で観る者を釘付けにし、描かれた対象物(モチーフ)が、今まさに「生きているという事実」を「観賞する」という実感によって私たちに再認識させてくれます。
「雪都波喜」56×w181cm(姫屏風を額装)
本展では、日本画という技法が、鮮烈さ、艶やかさ、儚さ、淑やかさをも内包し古来より培ってきた「しつらえとしての美」を六曲一隻の屏風、軸を交えた空間表現にて展観いたします。華の彩りの中に、美しさも醜さをも併せ持つ「生きる」という行為の一瞬の煌きを不立文字、言葉以上の響きで表現せしめる岩田壮平の世界観をこの機会にぜひご高覧賜りますようご案内申しあげます。
【作家あいさつ】
人は、一瞬の出会いの悦びを、絵に描き留めることで、忘れないことを知った。
人は、花が華であるときの、その命の連れ無いことを知っている。
そして人は、それぞれに出逢うことのない折々の花々を、同じ画面に描くことで、ありえはしない夢をみた。
我々もまた花の様、夕べに生命が尽きる…
だからだろうか、偽りの絵空事とわかってはいながらも、豪奢に堂々と、雅に粋に伊達の様子にして、季節を超えて尽くせぬ刻をそこに与えようとした。
然るに終わる、人のあはれ。各々の長い時間(とき)の中、ほんの瞬時の「生」の絶頂を、殊更に強く明確に、無竟をのごとくしたかったのだ。
ひととせの、花に観らるる中心の、生命のしぶきと潤いは、如此くの如くに艶に形に現れて、それでもなお私の中に余りある…
岩田 壮平
【お問合せ】 日本橋高島屋 TEL(03)3211-4111(代表)