メディア業界について研究を行っている、阪南大学 国際コミュニケーション学部 大野 茂研究室は、東京ニュース通信社と提携し、過去50年分のテレビ番組のデータベース化に取り組んでいる。
『TVガイド』で知られ、テレビ情報誌出版の最大手である東京ニュース通信社には、1960年代からのNHK・民放各局の「番組企画書」「番宣用写真」「新聞雑誌の切り抜き」などの放送番組に関する紙資料が残されている。その中には該当局にも残されていないテレビ放送草創期のものや、今となっては収集困難な新聞記事スクラップなど、歴史的価値のあるものも少なくない。しかし、紙資料につきものの破損・劣化・散逸の危険にさらされている状態であった。
今回、大野研究室はその膨大な資料を調査・分類し、保全作業も行い、昭和の高度成長期におけるテレビ番組とタレントに関する本格的なデータベース化を進めている。作業は数年をかけて行われる予定である。また、このデータベースをもとに、さまざまな番組の企画・成立過程を検証し、まとめ、逐次発表をする計画である。
すでに第1弾として、専門誌の月刊GALAC 2月号(放送批評懇談会)に「民放版『ゆく年・くる年』知られざる舞台裏」として寄稿されている。今後も「2時間サスペンスドラマ」「情報ワイドショー」など視聴者からの人気がありながら、あまり研究の対象となっていないジャンルの番組研究に重点的に取り組んでいく。
東京ニュース通信社 番組メディアセンターの関根禎嘉氏は「懸案となっていた、テレビ番組資料のアーカイブ化に着手できたことには大きな意義を感じています。この取り組みがメディアやコンテンツの歴史について知識を得たり、思索を巡らせたりすることに繋がれば望外の喜びです」と感想を述べた。
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阪南大学 企画課
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